新崎馨と黒田紗矢「できないことを持ち帰ってまた練習する」龍谷富山(富山県)
龍谷富山が目指しているのは、スピーディな展開から多くの得点をモノにするハイペースなバスケです。20日の高崎商業(群馬県)戦を90-84という理想的なスコアで制した翌日には、今夏のインターハイでベスト8に入った強豪、昌平(埼玉県)と対戦。サイズで勝る相手に対し、ガードの赤坂菜緒選手、ウイングの新崎馨選手、竹部美咲選手、伊藤想乃香選手らの高さを生かしながら磨いてきた早い展開に持ち込もうとしましたが、試合巧者の昌平にタフに守られ、53-82で敗れました。
試合は序盤から点差を離される展開になりましたが、チームは前を向いていました。「昌平さんのような力のあるチームと対戦する機会はなかなかありません。相手が何をやってきて、そこにどう対応するかを考え続け、練習してきたことをやりきろうと。点数云々ではなく今チャレンジしていることを出そうと話していました」と佐藤コーチは語ります。
龍谷富山は、1月の県新人戦から県内無敗のままインターハイに臨みましたが、浜松開誠館(静岡県)戦で最後にひっくり返される逆転負けで初戦敗退。「残り2分からの相手の圧がすごくて、そこに負けてしまいました」と振り返る新崎選手は、「大事な局面で何をするかとか、誰が攻めるかとか、そういうことを前もって決めておかないと試合で上手くいきません。今は試合経験を積んでいきながらそれを決めていこうとしている最中です」と語ります。
そういう意味でも「選手間での密なコミュニケーション」は大切になります。県内でなかなか競った試合が経験ができない龍谷富山にとって、北信越だけでなく他ブロックの強豪とも戦えるリーグ戦の機会を生かし、コミュニケーションを高めていく狙いです。
新崎選手は「フィジカルやスピード、上手くいかないときの対応策など、他県のチームから学ぶことはたくさんあります。このリーグ戦からたくさんのものを学ばなければいけません」と力を込め、黒田選手も「練習でやってきたことを100パーセントぶつけて、できることとできないことを知って、できないことを持ち帰ってまた練習するために頑張っています」と続けました。
サイズに恵まれ、主力が全員3年生であることに基づいた経験と結束力を備えている今年の龍谷富山。始まったばかりのリーグ戦でお互いに声を掛け合い、知恵を絞り合いながら全身全力で戦い抜いた先には、きっと大きく成長した自分たちが待っているはずです。
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