【ママさんバレーボール】白いボールを追いかけて⑫ 秋田編 ママさんバレーボール2025 GRACE CUP LEAGUE in秋田
ファミリーの結束で若さ封じる スポーツツーリズム求めた新大会
注目集めた隣県対決
秋田での最初の大会で注目の対決が始まったのは、午後1時過ぎのこと。11チームが参加した「18歳以下の部」は、Aコートで滝沢南クラブ、Bコートで厳美(げんび)の岩手勢が、それぞれ浪岡(青森県)、神町(山形県)と対戦した。
浪岡は平均年齢32歳、神町は35歳と参加チームの中でも若さが売り物のチーム。滝沢南は52歳、厳美は42歳と平均年齢には差がある。くじ引きで対戦が決まると、「よりによってそんな若いチームなんて」という声が選手間で上がったと滝沢南クの三上洋子監督は明かす。創立半世紀を超えるチームで、全国ママさんバレーボール大会や冬季大会にも参加。滝沢市の南中学を活動拠点に、地域の仲間で白球を追ってきた。
若さに任せた攻撃を封じる
お隣のコートでも、一関市から参加した厳美が神町の若さを封じた。第1セットこそ落としたが、左右からのしなやかなアタックで第2セットを取り返すと、第3セットはリズムを握って逆転する。「みんなバレーが大好き。1点1点を楽しんだ積み重ねです」とキャプテンの菊池比奈子さん(46)。若いチームとの対戦にも、「自分もそうでしたが、若い選手は一発で決めようとしがち。そこをしのいで自分たちのリズムが出せました」と振り返った。今大会のメンバーに親子3組がいるファミリー集団。初参加の今大会について、「メンバーはみんな子どものスポ少の付き添いや家庭の事情もあるので、3大会があって選べるのはありがたい」と話す。第2戦も勝って、2勝で気持ちよく帰路についた。
「6人制」から生まれた新チーム
さくらんぼの産地で有名な東根市からやってきた神町も、前衛のメンバー編成で試行錯誤しているチーム作りの途上だ。30年の歴史を持つチームだが、他県との交流は今大会がほぼ初体験。高橋厚子監督は「緊張もあって力が出せなかったので、これからも経験を積みたい。若いチームだけに『産休』に入る選手も出てくるので、2年以内に全国大会をめざしたい」と話した。
スポーツツーリズムも見逃せない。「50歳以上の部」で2勝したのは、全国大会常連のファジィ三笠(奈良県)で、この大会の秋田開催が決まったときから照準を合わせてきた。前日に東北の小京都と言われる角館に赴き、試合の合間には国道沿いで女性が売る「ババヘラアイス」にありつくと、翌日は、なまはげ見物で男鹿半島へ足を伸ばした。コート上では第1戦こそ地元秋田を相手に苦戦したが、第2戦は2セット計21失点で快勝。大ベテランの秋川弘子監督は「いつも通りに楽しくバレーができた」と、残暑にも涼しい顔だった。
温泉と郷土料理を堪能
今回、「60歳以上の部」に参加したのは地元あすかドリームのほか、東北が3チームに愛知、岐阜から3チーム。選手100人の平均年齢は67歳近い。彼女たちが健在を示すと同時に、その姿から40代でも50代でも、「まだまだバレー人生、これから」と自信を持てること。それがこの催しの本当の価値になるだろう。
取材・文/伊東武彦
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