ライジング初戦を66対10で制し、今季白星スタート
この試合はリーグワンの新たな取り組みとして開催する選手育成を目的とした新大会「ジャパンラグビー リーグワン ライジング2025」 の初戦として行われ、スピアーズは若手を中心とした29人のメンバーが出場して66対10で勝利した。
スピアーズの先発メンバーを見れば、平均試合出場数は約5試合、平均年齢は約25歳と大会の目的に沿ったフレッシュなメンバー構成となった。
釜石の広い空の下、快晴のなかキックオフした前半はスピアーズが山﨑選手のトライで先制し順調なスタートを切る。その後コンテストキックを競り合ったところで相手にボールを譲りトライを取り返されてしまい7対5に。
前半28分には近藤選手の相手のディフェンス背後に転がすキックを二村選手がキャッチして追加点を加えると、直後にも押川選手が突破して連続トライを奪い突き放した。ただハーフタイムまで残り5分というところで、ラックサイドを突破され2トライ目を奪われて21対10で折り返した。
後半は前半のいい流れをそのままに、課題を修正することでペースを握った40分となった。前半5分にターンオーバーボールから、右サイドに展開すると22mライン手前でパスを受け取った松下選手がハンドオフを使って突破すると、カバーディフェンスを振り切り後半先制トライを獲得する。
このトライで口火を切った後半の連続得点は、9分にモールから、16分には堀部選手のライン突破からと続き、島田選手のゴールキックの精度もあり後半20分までにスコアを47点にまで広げた。
これでペースを握ったスピアーズは、前半あった固さは消え、松下選手やアシペリ選手といった突破力のある選手が次々とトライを奪い、最終スコア66対10で試合を終えた。
と今季初戦について、納得の仕上がりであることを語った。
またライジングの主旨である若手選手の活躍機会という点でも、「チームとしてはいいリクルートもあり若い選手が育っているので本当にいい機会です。今日の試合では全員のパフォーマンスを褒めたいと思いますが、その中でも(ポジション番号で言えば)2番、8番、9番、10番、15番の選手たちがよかったと思います」と振り返った。
また公式戦出場数が10~20キャップのいわば中堅選手たちのリードも勝利の要因だった。ゲームキャプテンの島田選手はもちろん、前半から圧倒したスクラムワークを見せた才田選手、自らもトライを取りつつ全体の試合展開での判断やキッキングゲームでコントロールした押川選手や山崎選手のパフォーマンスがあったからこそ、練習生を含めた若い選手たちが伸び伸びとプレーできた。
しかし島田選手はこうした周りを活かすプレーをした一方で
「チーム内に良い競争があることが、チームのいい状態につながっていると思います。もちろん自分もゲームコントロールの部分では冷静にプレーしていますが『今年こそは』という強い思いがあるから高いモチベーションを維持することができます。それは全員が持っているものだと思います」
とプレシーズンらしいハングリーな選手たちの胸の内を代弁した。
リーグワン2025-26の開幕まであと2か月半。
リーグワンライジングという大会の一方で、開幕に向けてチーム内での見えざる戦いは激しさを増す。次戦は10月5日(日)三菱重工相模原ダイナボアーズ戦、さらに強度が高い相手に対し、どの選手がRISING(上昇、成長する、前途有望)するのか。チームとしての仕上がりも、選手一人ひとりの活躍にも目が離せない。
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写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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