医学部から全国制覇を目指す集団、金沢大学の挑戦

全日本大学準硬式野球連盟
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【全日本大学準硬式野球連盟】

 学生たちが自ら執筆する連載企画「学生が描く、第77回全日本大学選手権大会」。連載第3回目は、北信越地区編。2年連続7回目出場の金沢大学医学部です。守備位置の変更や主力の離脱といった不安を抱えながらも、粘り強く勝ち抜いた春の戦い。そして全国の舞台では、強豪・早稲田大学に挑みました。医学部という特異な環境の中で、仲間とともに挑み続ける彼らの軌跡を追います。

全日本選手権で苦い初戦敗退

 予選の勢いそのままに挑んだ全国の舞台。相手は関東の強豪、早稲田大学。序盤から打線が相手投手の力強いボールに封じ込まれ、得点機を作れず苦しい展開となった。守備でも一瞬の隙を突かれ、失点を重ねてしまう。反撃を狙う7回、一死満塁から、1番・谷口雄太郎(3年=守山)が粘り強い打撃と走塁でチャンスを広げ、4番・黒崎宗矩(5年=水戸一)が意地の一打を放った。しかし、後続が続かず無念の初戦敗退。2年連続で全国初勝利を逃す結果となった。
 今大会を通じて攻守で存在感を放ったのは楠原嵩大(4年・高松一)だった。1番打者として持ち前の走塁センスと勝負強い打撃でチームをけん引。守備ではショートとして安定感抜群のプレーを見せ、決勝戦では投手として2イニングを無失点と試合終盤にも相手に流れを渡さない好投をし、2回には貴重な先制点となるタイムリーも放った。全国の舞台でも通用する走塁と守備、そして投球を披露し、来季に向けた希望の光となった。

選手権大会の予選となる春の北信越大会では、エース寺下佳孝(5年=金沢泉ヶ丘)ら投手陣が奮闘し2年連続全国大会出場を決めた 【全日本大学準硬式野球連盟】

全国大会で存在感を放った1番打者の楠原嵩大(4年=高松一) 【全日本大学準硬式野球連盟】

医学部として、全国大会に出場する意義

 医学部の野球部があるのが準硬式の特徴だ。選手の中には、4年制大学と同じように早期引退する者もいれば、6年生まで続ける者もいる。礼儀を重んじながらもアットホームな雰囲気が特徴。上級生は惜しみなく助言を送り、基礎練習を徹底することで着実なレベルアップを図っている。 マネージャーや友人、OBからの応援も多く、その熱量がチームを支えている。田丸桃花マネージャー(3年=金沢泉ヶ丘)は「春北信越連覇は本当にかっこよかった。学年を超えて仲の良いチームでみんなの活躍を見られて幸せだった」と語り、選手たちの戦いを見守った。

6年生まで大学野球ができるのが、医学部の特徴。全日本選手権3年連続出場は後輩に託された 【全日本大学準硬式野球連盟】

ケガと戦った選手たち

 次期キャプテンの木村真康(2年=早稲田高等学院)はスノーボードで骨折し、復帰直後にノックで転倒して後十字靭帯を断裂。今季は一度も公式戦に立てなかった。他にも正捕手の武智健太郎(3年=前橋高)は全日本選手権直前にバスケットボール中に骨折しながらも、骨が折れたまま全国の試合に出場する根性を見せた。北信越大会で春の連覇を果たしながらも、全国では2年連続で未勝利。選手たちは「全国との差」を痛感し、課題を胸に次のシーズンへ向かっている。鶴山新主将は「まずは北信越3連覇。そして全国での初勝利を」と語った。金沢大学医学部準硬式野球部の挑戦は続く。

(取材・文/金沢星稜大学3年・加藤雄大=佐世保北)

北信越大会で優勝し、全日本選手権出場を決めた金沢大学医学部 【全日本大学準硬式野球連盟】

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著者プロフィール

準硬式野球は大学軟式野球競技として昭和20年代にスタートして以降、大学スポーツとして歴史を重ねてきました。2023年現在は約270校、約9400人が加盟。『学業とスポーツの両立』を体現するため、文系・理系・医歯薬系を問わず学生は活動しており、大学の講義・実験・実習を最優先にしてから本気で野球に取組んでおります。また、野球経験を問わず、未経験者、ソフトボール経験者、軟式経験者、女子選手などを積極的に受け入れ、ダイバーシティ・インクルージョンを実現しております。

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