ソサイチ日本代表、ブラジル、メキシコに善戦もベスト8で大会を終える

チーム・協会

2度目の世界大会に臨んだソサイチ日本代表 【©️Japan Football 7】

8月21日~24日の4日間、ブラジル・クリチバでソサイチ世界一を決める大会「FOOTBALL 7 WORLD CHAMPIONSHIP 2025」が行われた。

第9回目の開催となった今大会は、全12チームが出場。3グループに分かれ、予選リーグを戦った。日本は開催国のブラジル、アルゼンチン、エルサルバドルと同じグループBに属し、2勝1敗で初のベスト8に進出。前回王者メキシコとの対戦はPK戦までもつれ込む接戦となったが、PKの末に敗れ、大会を終えた。

大会初戦、強豪ブラジルに先制も1-2で敗戦

大会初戦、国歌を斉唱するソサイチ日本代表。左から)阿部正紀、圓乗健介、伊豆川泰生、上田力樹、中村駿介、濱本和希、深谷圭佑 【©️Japan Football 7】

スターティングメンバーは、深谷圭佑(G)、阿部正紀、上田力樹、伊豆川泰生、濱本和希、圓乗健介、中村駿介の7名。

国内でのトレーニングで課題に上がっていた守備面も強度や連係も向上し、強豪に対し引けを取らない戦いを見せる。相手のチャンスには人数をかけ、上田が剥がされると伊豆川がカバーに入る。ペナルティーエリアではシューターに阿部が寄せるなど、攻撃力のあるブラジルにしっかりと対応した。

チャンス数では日本を上回りながらも深谷の好守もありゴールを割ることができないブラジルは、GKを活用したパワープレーを仕掛けてくる。しかし、ここでも集中した守備を見せる日本。21分には、自陣で阿部がボールを奪うと、パスを受けた濱本が後方から走り込んだ田村佳翔にヒールパスを送る。ここで田村がファウルを受け、FKを獲得。横山航河が壁の間を狙ってシュートを放つと、これがゴール右隅に決まり日本が先制に成功した。その後も1点を追うブラジルの攻撃をしのぎ、前半を1-0と日本リードで折り返した。

後半のスタートは、深谷圭佑(G)、阿部正紀、田村佳翔、箱崎裕也、荒井 友斗、濱本和希、横山航河の7名。交代を効果的に使い、守備の強度も保ちながら、伊豆川の角度のないところからのシュートや縣翔平へのピヴォ当てなどでチャンスを作る。攻撃の圧力を増してもなお、得点を奪えないブラジルは、11分を経過しパワープレーを開始。GK深谷が幾度となくピンチを防いでいたが、16分、スローインから底辺でパスを回していたブラジルにミドルシュートを決められ1-1の同点に。その後もパワープレーを続けるブラジルに対し、体を張った守備を見せていた日本だったが、30分、ミドルシュートをGK深谷がはじくと両チームの選手が入り乱れる中、こぼれ球を拾って短くつなぎ押し込まれ、この試合で初めてリードを奪われる。最終盤にFKを得るなど同点のチャンスを作った日本だったが、ゴールを割ることができず1-2で試合終了。前回大会から2年、大きな躍進を印象づけながらも初戦を落とし、黒星スタートとなった。

ボールを持つ相手に果敢に迫る荒井友斗。 【©️Japan Football 7】

先制した横山に抱きつく箱崎裕也 【©️Japan Football 7】

エルサルバドル、アルゼンチンに快勝し、初の決勝トーナメント進出!

左から)第2戦に臨む縣翔平、森保陸、田村佳翔 【©️Japan Football 7】

2戦目のエルサルバドル戦を7-2の快勝で終えた日本は、タイトなスケジュールの中、3戦目のアルゼンチン戦に臨んだ。

この日のスターティングメンバーは深谷圭佑(G)、阿部正紀、佐々木僚太、縣翔平、伊豆川泰生、圓乗健介、横山航河の7名。
序盤からGK深谷のロングスローを効果的に使い、阿部のスローインを受けた圓乗が中央に切り込んでチャンスを作る。意表を突くロングシュートなど先制点を奪う姿勢を見せていた日本は3分、GK深谷からリスタートすると、横山のロングパスを前線で佐々木が収めシュートを放つ。これがこぼれたところに縣が詰め、早い時間帯で先制に成功した。

その後は1点のリードを保ち、1-0で前半を折り返した日本。後半開始早々、相手のスローインをカットした箱崎がドリブルで前線へ。ラストパスを受けた佐々木がシュートを突き刺し、2-0とリードを広げた。13分には、相手GKのロングシュートをGK深谷がキャッチし前線へボールを送る。これを受けた中村が粘ってボールをキープし、佐々木が一旦自陣に戻したボールを上田が右サイドの横山へ。横山のロングパスに合わせ、佐々木が追加点を挙げリードを3点に広げた。アルゼンチンのパワープレーにも集中した守備を見せた日本は24分、相手が守備陣形を整える前に隙を突き、GK深谷のスローから濱本が追加点。その後も日本ペースで試合を進め、4-0で完封勝利。グループリーグ3戦を終え、勝点6の2位で初のベスト8へと駒を進めた。

エルサルバドル戦で先発出場したGK成田力哉はコーチも兼任した 【©️Japan Football 7】

エルサルバドル戦でゴールを喜ぶ氏橋寛(中央)と森保陸 【©️Japan Football 7】

アルゼンチン戦で2得点の活躍を見せた佐々木僚太 【©️Japan Football 7】

準々決勝で前回王者・メキシコと対戦! 接戦の末、準決勝進出はPK戦へと委ねられる

準決勝進出に向け引き締まった表情を見せる阿部正紀、縣翔平、圓乗 健介 【©️Japan Football 7】

準決勝進出が懸かるメキシコ戦は、深谷圭佑(G)、阿部正紀、縣翔平、濱本和希、伊豆川泰生、圓乗健介、横山航河の7名がスターティングメンバーに名を連ねた。

決勝トーナメントでさらにギアの上がる相手に対し、ここまでの疲労の影響もあってか寄せが甘くなるなど、ベンチからも「中途半端!」と声が飛ぶ。しかし、8分、箱崎裕也のアシストから左サイドの田村佳翔がシュートを突き刺し先制に成功。ブラジル戦につづき、世界の強豪から先制点を奪う展開となった。しかし、1点をリードされたことでさらに攻撃の厚みを増すメキシコは、ピッチを広く使いながらビルドアップするとゴール前では限られたスペースで巧みにボールを扱うテクニックを見せるなど、日本ゴールを脅かす。9分に同点に追いつかれると、12分にはスローインでのリスタートからパスをカットされ、ショートカウンターで逆転を喫する。その後はスコアが動かず、1-2とメキシコリードで前半を折り返した。

1点ビハインドで迎えた後半、高い位置でプレスをかけ、チャンスを窺う日本。8分には、メキシコがGKにバックパスを送り攻撃を組み立てようとした隙を突き、圓乗がプレスをかけてボールを奪うと濱本にパス。これを濱本がクイックにゴールに突き刺し、2-2の同点に追いついた。準決勝進出を目指し、次の一点を狙う両者は最後まで激しい攻防を繰り広げたが前後半で決着がつかず、勝敗のゆくえはPK戦に委ねられることとなった。

それぞれが2名ずつPKを蹴った結果、メキシコは2本とも成功、日本はどちらも相手GKに止められる。最終スコア2-2、PK0-2で敗戦した日本は、ベスト8で大会を去ることになった。

今大会でも気迫のこもった守備を見せた上田力樹 【©️Japan Football 7】

最年少ながら副キャプテンとしてチームを支えた伊豆川泰生 【©️Japan Football 7】

激戦の末、PK戦で敗戦した日本代表 【©️Japan Football 7】

ケラー監督「応援してくれる方心を合わせて一緒に戦ってくれた」

ソサイチ日本代表を率いるコスタ・ケラー監督 【©️Japan Football 7】

ーー大会お疲れさまでした。2023年の前回大会と比べて、ソサイチ日本代表の成長や変化は感じましたか?

ケラー:変わりましたね。今回、日本が負けたのはブラジルとメキシコという世界の強豪です。ブラジルには試合終了間際に逆転され、メキシコはPK戦。日本が勝っていた部分もあるし、勝つ可能性もありました。だから、前と比べるとすごく成長したと思うけど、毎回こういったインターナショナルな大会に参加すると「まだまだ、もっと伸びないといけないな」って気づく場面がたくさん出てきます。これからの将来に向けて、たとえばパワープレーのやり方であったり、もちろん守り方であったり。それができたら、ブラジルとでも対等に戦えるんだな、と思いました。

ーー国内合宿の特に初日では、守備の強度が課題となりました。しかし、大きく改善したように見えました。

ケラー:守備は本当に良くなりました。国内でもトレーニングを1回、2回、3回と重ねて良くなっていったし、現地でもそうですね。それは今回選出したメンバーのポテンシャル、クオリティも大きいと思います。例えば「中を絞って守る」という言葉だけで、ピッチにいる選手たちが自然とパスコースを切ったり、スペースを絞ったり、体現してくれます。だから、いろいろな作戦を考えることができた。選手たちに感謝しています。

ーーそれでは、前回よりは手ごたえのあった世界大会を終えて「もっと変えていかないといけない」「日本でこういった活動していかないいけない」と思うことを教えてください。

ケラー:2年前と比べるとすごく良くなったけど、スタッフの役割、選手の人数、まだ改善できるところはあると思っています。今はブラジルにギリギリ勝てるかもしれないレベル。それでも今回、負けてしまいました。ブラジルは30年前からソサイチをやっている国。日本は7、8年前からなので、ブラジルには大きなアドバンテージがあります。どんなにスキルを持っていても、その文化に立ち向かうには、日本もソサイチの文化を増やしていかないといけないと思っています。

ーー現地で応援してくれた方、地球の裏側の日本から応援してくれた方、多くの応援やサポートを受けたと思います。日本のみなさんにメッセージをお願いします。

ケラー:まずは本当にありがとうございました。たくさんのメッセージなどもいただき、みなさんの気持ちが届きました。以前と比べると、どんどんソサイチへの興味が増していると感じます。今回は選ばれなかった選手も、代表を応援してくれたり、褒めてくれたり。それが選手たちの力になるから、心を合わせて一緒に戦ってくれて、日本がひとつになって、すごいな、と思いました。ブラジルの監督にも日本代表は高い評価を受け、これからは日本もブラジルやメキシコ、イタリアといったひとつ上のレベルの国と肩を並べていけると思っています。今後の日本代表が楽しみです。

深谷圭佑「やっぱり世界一になりたい」

初出場の世界大会で好セーブを見せた深谷 【©️Japan Football 7】

ーーソサイチ日本代表として初めての国際大会となりました。振り返っていかがでしたか?

深谷:ソサイチを始めたばかりで、日本の全国的な強度やレベル感も分かっていなかった中で海外の強豪と対戦しましたが、日本の組織力は海外でも通用するというポジティブな評価をしています。一人一人が組織のため、チームのために、と、全員で同じ方向を向いていて、すごくいいチームだな、と思いました。

ーー大会でも素晴らしいセーブでした。南米はフットボール文化が根づいていてどの国も強い中、日本が想定以上に躍進しましたが、手応えを感じた部分、差を感じた部分をそれぞれ教えてください。

深谷:通用する部分で言うと、特に守備においての強度、連係です。おそらく、世界でもトップクラスの守備強度や連係を表現できたんじゃないかと思います。GKとして後ろから見ていて、僕が動くというよりもFPの6人全員がマークを外さないとか、1対1の球際で負けないとか、そこに魂をかけて戦っていたので。

ただ、通用しなかった部分で言うと、やっぱりフットボールの一番おもしろいところ。攻撃の部分ですね。形としてそこまで練習できなかったということもありますが、攻撃を組み立てる部分ではブラジル、メキシコに比べると著しく劣っていたかな、とは思っています。

ーー今回、世界の舞台に立って手応えを感じ、現地や配信でも多くの方の応援やサポートを受けました。今後、ソサイチとどう関わっていきたいか、どのように広げていきたかを教えてください。

深谷:そうですね。個人的にはやっぱり「世界一になりたい」という思いが強いです。キングスリーグに出場した時もそうでしたけど、ソサイチでも世界一を取りたいと思っています。その中でやれることは何かと考えると、結構少ないな、と思っていて。プロではないので、週5回練習ができるわけでもなく、試合数も多くない。そうなると、個人としては、フットボールという文脈においてのコンディションを高めること。 あとは、(現在、所属している)FUKUOKA CITYというチームで、全国大会に出場、そして全国優勝を目指すことで、ソサイチに関わっていきたいと思っています。

今回、日本代表に入らせてもらって、すごく楽しかったんですね。それは、いろいろな方のサポートがあってこそ、成り立っていることなので、やっぱり世界一にならなきゃいけない、と思っています。

山田樹コーチ「選手のクオリティもスタッフの力も上げていかないといけない」

前回大会は主将、今大会はコーチとして帯同した山田樹コーチ(右から2番目) 【©️Japan Football 7】

ーー今回は、コーチとしての帯同となりました。大会全体を振り返っていかがですか。

山田:正直、思っていた以上に互角の戦いをブラジル、メキシコ相手にでき、本当によかったなと思います。選手が本当にハードワークをしてくれた大会でした。 

ーー2年前の前回大会と比べて成長した部分、伸びた部分があると思います。日本のソサイチ全体のレベルが底上げされた要因はありますか。

山田:僕も日本のポテンシャルがすごく上がったと感じています。要因は(所属する)プラムワンの梅谷堅人を始め、リゼムの皆さんや那須大亮さん然り、影響力のある方々、サッカー系インフルエンサーがソサイチに目を向けて、参入してくれて注目度が高まったこと。あとは、前回の日本代表の活動もすごく大きかったと思います。今回の代表選手の中にも、世界と戦う舞台でプレーをしたいとソサイチを始めた選手がいました。ソサイチで日本代表を目指したいという選手が増えてきた印象です。

ーーソサイチの代表チームが、より日本代表らしくなってきたと感じました。

山田:日本代表が日本代表らしくなってきたな、というのは感じています。正直に言うと、この1年、2年、選手のクオリティがどんどん上がっていく中で、連盟という組織や支えるスタッフの力はその成長速度に追いついていないんじゃないかと、ずっと感じていました。選手としての挑戦を諦めて、コーチの話を引き受けた際に、そういったところで少しでもバリューを出せるんじゃないか、という思いがありました。なので、その辺りは自分ができる範囲で意識的に「スタッフ全員で高めていこう」と取り組みました。

ーーSNSで「2年前とはすごく差が縮まったけど、その先のちょっとした差を詰めていくことのほうが大変だ」といった内容を書かれていました。具体的にどのような働きかけが必要だと感じましたか。
 
山田:自分に矢印を向けて考えると、コーチとしてはできる限りのことをやり尽くしたつもりではいるんです。でも、ブラジルのパワープレーのように想定以上の相手のクオリティを出されたとき、試合の中で何も改善していけなかったと感じました。戦術的な落とし込みや、全体的に選手のクオリティを上げることも必要かもしれないですけど、それ以上にスタッフの力をもっと上げていかないと、ブラジルやメキシコを倒して世界一になることは難しいんじゃないか、と感じました。 

阿部正紀「世界一もそこまで遠くない。次は必ず優勝する」

キャプテンとしてピッチ内外でチームをまとめた阿部 【©️Japan Football 7】

ーー大会全体を通しての感想をお願いします。

阿部:優勝できなくて本当に悔しいんですが、試合を重ねるたびに全員が成長していくのが見えて「このままいけば本当に優勝できるんじゃないか」と思えた大会でした。

ーーキャプテンとして、国内合宿の初日からチームをまとめるキャプテンシーを発揮していました。現地で声かけや心がけていたこはありますか。

阿部:常にチームのことしか考えていなかったので、正直本当にしんどかった部分でもあります。でも、自分が言うことに対して全員が受け入れてくれたのが、一番大きいです。誰かが違う方向を向いていたら、こういう結果にならなかっただろうし、世界を相手にメキシコやブラジルと接戦ができたことは、チーム一丸となったからこそなので。僕は、緩さが出てきた部分を強くみんなに言っただけです。それを理解してくれたみんなに支えられたと思います。

ーー2023年の世界大会を見たことが、ソサイチを始めるきっかけになりました。世界大会で強豪国と対戦して、どうでしたか。

阿部:めちゃくちゃ楽しかったですね。久しぶりに自分の全力を出せました。本当に真剣勝負ができたと感じています。

ーー想定より良くできたのか、もうちょっとだったと感じたか、どちらでしょうか。

阿部:優勝できなかったので「まだまだだな」と思っていますが、日本のソサイチが変わるきっかけにはなったんじゃないかな、と思います。それは自分の目的でもありました。2年前に世界大会を見た時に、甘さというか、マイナースポーツだとしても日本代表を背負っているのに魂や気持ちが全然足りていないと思ったので、今回の日本の戦いで未来が見えたのではないか、と。世界一もそこまで遠くないんじゃないかと思いました。まだまだ足りない部分はありますが、そこはどんどんやっていくしかないですね。

ーー最後に、応援してくれた方々へのメッセージをお願いします。

阿部:日本代表として優勝を目標としてがんばっていましたが、優勝できなくて申し訳ない気持ちです。でも、本当に全員が全力を尽くして戦ったと思います。次の大会では必ず優勝を取るので、また応援をよろしくお願いします。

クラウドファンディング実施中!

【©️Japan Football 7】

日本ソサイチ連盟は、ソサイチ普及・発展のため、世界に挑戦するソサイチ日本代表の遠征費用をご支援いただくクラウドファンディングに挑戦しています。世界の舞台で日の丸を背負い戦った選手たちへのご支援、よろしくお願いいたします。
記事構成・取材=しょうこ
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著者プロフィール

南米ブラジル発祥のフットボール、7人制サッカー=ソサイチの普及を進める一般社団法人 日本ソサイチ連盟です。全国各地でソサイチ公式リーグを開催中。ソサイチリーグに関する情報(日程、結果、順位表、試合の速報)はもちろん、ソサイチ日本代表や各種インタビュー記事、各地でのソサイチイベントなど、ソサイチにまつわる様々な情報・コンテンツを発信、掲載していきます。

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