パラリンピック2大会連続金メダルから1年。自転車競技の現状は?
「最年少記録って二度とつくれないけど、最年長記録ってまたつくれますよね」という名言を思い起こす活躍。表彰台で見せた笑顔に胸がすく思いがした。
パリ後の主戦場はロード
「障がい者だからって、パラサイクリング(の世界)だけにいなくてもいい。そう考えて、今は実業団レースに出場していてリーダージャージを狙っている。健常者の中で表彰台に立ち、障がい者でも努力と工夫で健常者と同じくらいの力が出るんだと知ってもらえたら面白いかなって」
来年2月には、自身が企画した「杉浦佳子杯・第1回インクルーシブ自転車レース成田下総」を開催。パラリンピック2大会連続金メダリストは、まだまだ見る者を楽しませてくれそうだ。
若手も自己ベストをマーク
そんな中で存在感を示したのが、強豪・日本大学自転車部に所属する19歳の亀田琉斗だ。1km個人タイムトライアル(C5)で1分10秒189の日本新をマーク。4km個人パーシュート(C5)でも4分58秒905の日本新で連日の優勝を飾った。
亀田は生まれたときから左前腕が欠損しており、アメリカンフットボールを経て、2021年にパラサイクリングの世界へ。練習拠点である日本大学の自転車部は、全日本や国体で好成績を収めている仲間が多いといい、「とても刺激になっています」。
C5クラスは世界のレベルが高い。今年はベースアップに努め、来年から本格的に国際大会に参戦したいと話す、伸び盛りの若手に注目が集まる。
育成指定選手では片足で漕ぐ中道穂香が2種目(C2)で自己ベストを更新し、成長をアピール。今大会で公式戦デビューを果たしたタンデムの山路喬哉、今大会はパイロット不足で出場がかなわなかった陸上競技の福永凌太とともに、同会場で開催される愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会に出場できるか。
自転車競技はクロストレーニングとして始めた。
「水泳の専門はスプリント種目(50mバタフライ)だが、障がいの特性上、中長距離の練習も必要になる。水泳と同時に陸でも心肺機能を鍛えたいという思いで始めました」
本職でも4月に自己ベストをマークし、早くも自転車競技参戦の成果を実感しているようだ。
「若い選手や競技未経験者を国際レベルにするには8年以上かかると思っているが、他競技に取り組んできた選手であれば、3~4年で強化することは可能。時間をかけて育てる選手と、一気に強化する選手の両方の強化を並行して進めることが必要だと考えています」
アジアパラや3年後のパラリンピックでは、ひとりでも多くの日本代表の姿が見られることを願っている。
text by Asuka Senaga
photo by X-1
※本記事は2025年9月にパラサポWEBに掲載されたものです。
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