休日の運動部活動の地域連携・地域移行の取り組み状況や担当部署

笹川スポーツ財団
チーム・協会
 笹川スポーツ財団は、2024年8月~9月に実施した「スポーツ振興に関する全自治体調査2024」の調査結果を発表しました。

 スポーツ庁設置から約10年が経過し、社会情勢の変化に伴うスポーツ施策の転換がみられ、スポーツ行政の機能的・効果的な推進が期待されています。本調査は地方自治体のスポーツ施策の実態を把握し、各地域におけるスポーツ推進の一助となるデータの収集を目的に実施し、運動部活動の地域連携・地域移行の進捗状況なども調査しました。

【休日の運動部活動の地域連携・地域移行の取り組み状況】

運動部活動の地域連携・地域移行の担当部署

 地域連携・地域移行の主たる担当部署をたずねたところ、都道府県、市区町村ともに「教育委員会の学校関連部署」が最も高く、それぞれ46.8%、60.4%であった。「教育委員会のスポーツ関連部署」は都道府県、市区町村ともに3割程度であり、合計すると都道府県では78.7%、市区町村では89.4%となり、多くの自治体で地域連携・地域移行は教育委員会が主導している。

 地域連携・地域移行に関わりのある部署数は、都道府県では「1部署」が21.3%、「2部署」が61.7%、「3 部署以上」が17.0%であった。市区町村は「1部署」が33.2%、「2部署」が62.3%、「3部署以上」が4.5%であった。都道府県、市区町村ともに「2部署」が最も高く6 割以上の自治体が複数の部署で地域連携・地域移行に取り組む実態が明らかとなった。「2部署」の主な組み合わせは「教育委員会の学校関連部署」と「教育委員会のスポーツ関連部署」、「教育委員会の学校関連部署」と「首長部局のスポーツ関連部署」の2つが多い。

運動部活動の地域連携・地域移行の担当部署数(都道府県/市区町村・人口規模) 【資料:全自治体調査2024】

休日の運動部活動の地域連携・地域移行の取り組み状況

 休日の運動部活動の地域連携・地域移行の取り組み状況をみると、都道府県では「地域のすべての公立中学校で実施している」8.5%、「地域の一部の公立中学校で実施している」70.2%、「現在検討中である」19.1%、「実施しない」2.1%であった。市区町村全体では「地域のすべての公立中学校で実施している」18.9%、「地域の一部の公立中学校で実施している」14.1%と、両者を合わせる33.0%となり、全国の3割程度の市区町村が地域連携・地域移行に取り組んでいる状況が確認できる。

■研究担当者コメント:笹川スポーツ財団 シニア政策オフィサー 鈴木 貴大
 運動部活動の地域連携・地域移行では、6割を超える市区町村で2つ以上の部署が担当していた。地域連携・地域移行を実施中の市区町村は3割、検討中を含めると8割となり、そのうち半数近くは地域のスポーツクラブが主体となる運営を検討している。現在のスポーツ行政には、限られた人員で効果的な事業の実施が求められている。自治体が地域で実現したいスポーツのあり方を明確にし、行政内外を問わず最大限の効果が期待できる連携先の検討が重要である。


■スポーツ振興に関する全自治体調査 2024 調査概要
【調査対象】全国すべての地方自治体におけるスポーツ担当部署(都道府県47件、市区町村1,741件、合計1,788件)

【調査方法】郵送法による質問紙調査。調査票回収は、インターネットおよび電子メール、FAX、郵送にて実施。

【調査期間】2024年8月16日~2024年9月30日

【調査項目】スポーツ担当部署、スポーツ推進計画、スポーツ指導者バンク、スポーツボランティアバンク、 運動部活動の地域連携・地域移行、小学校体育、公共スポーツ施設など

【回収率】回収数1,187(回収率66.4%)/ 都道府県:回収数47(回収率100.0%)、市区町村:回収数1,140(回収率65.5%)
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著者プロフィール

笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ専門のシンクタンクです。スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信や、国・自治体のスポーツ政策に対する提言策定を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。

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