「敗者にも復活できる瞬間はあって、その先には何かつかめるものがあるっていうことを、俺は見せたいね」“敗者復活ドリーム”を誓うタイチ選手に直撃インタビュー!『G1』後半戦についても言及!!

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一度は逃した『G1 CLIMAX 35』出場から、後藤洋央紀選手の欠場で急遽決定した「G1 CLIMAX 35」Aブロック出場者決定ガントレットマッチを制して、『G1』出場を決めたタイチ選手に直撃インタビュー(後編)!

テキスト/鈴木佑
撮影/中原義史

■お互いに別々の道に進んでどっちが正しいのかはわかんないけど、身体で思い知らせてやろうかなって思ってる。自分は関脇だけど横綱を育て上げるみたいな。でもまあ、ここらで俺も結果を出さないとって思ってる

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――Aブロック公式戦の折り返し地点となる7月27日 (日)ポートメッセなごや 第1展示館では、因縁深いSANADA選手と対峙します。SANADA選手は昨年の11.4大阪でJust 5 Guysを裏切りBC WAR DOGSに加入。そして今年の4.5両国で、HOUSE OF TORTURE(以下、H.O.T)へと寝返っています。

タイチ やっぱり俺の中で「SANADAにだけは負けられねえ」っていうのはあるよ。アイツには裏切ったからやり返したいっていうよりは、「あれだけのことをやっておいて、いまのオマエは何やってんだ?」って言いたいね。「ヘンなファッションで着飾って満足してるだけか?」って。

――SANADA選手は奇抜なコスチュームが話題になっていますね。

タイチ まあ、お互いに別々の道に進んでどっちが正しいのかはわかんないけど、身体で思い知らせてやろうかなって思ってる。

――正統派テクニシャンだったSANADA選手ですが、H.O.Tに入って以降はコスチューム含め、伸び伸びと個性を発揮しているようにも見えます。

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タイチ たしかに楽しそうにやってるけど、結局のところはEVILの手下にしか見えない。そんなオマエと俺の違いを、リングで見せつけてやるよって感じかな。

――SANADA選手がJust 5 Guysだった頃はタイチ選手のバックアップもあり、IWGP世界ヘビー戴冠までこぎつけたイメージというか。

タイチ そこはこっちもやりたくてやったことで、「俺だったらオマエをチャンピオンまで押し上げられるぞ」って声をかけて有言実行したわけだけど、そこに見返りを求めるつもりはまったくなかった。それはDOUKIに関してもそうだし。

――タイチ選手と共闘した選手たちは出世するイメージがありますね。

タイチ じつはそうなんだよ、ほかにも(エル・)デスペラードとかザック(・セイバーJr.)とか。いまだと(上村)優也もパーッと上がってきてる。そうやって人を上げるけど、俺自身が上がらないんだよ。自分は関脇だけど横綱を育て上げるみたいな。でもまあ、ここらで俺も結果を出さないとって思ってる。

■結果を残せてないのに“NOAH育ち”って言ってたら、「向こうに対してカッコつかないんじゃないの?」とも思うし。まあでも、彼は若いんでね。試行錯誤して自分の道を見つければいいし、この『G1』が何かのきっかけになればって思う

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――続く8月1日 (金)サンメッセ香川は辻陽太戦で、シングルで戦うのは辻選手がまだヤングライオンだった2021年の6.15後楽園以来となります。

タイチ 単純に楽しみだね。辻は去年の『G1』でも準優勝してるし、新世代と言われる連中の中では一つ抜けてるなって思ってる。アイツがヤングライオン時代に戦ったときから「あ、コイツは伸びるな」っていうのは、すぐ肌で感じたし。

――どのあたりで感じましたか?

タイチ これはファンには伝わりにくいことで、本当にやってみた感覚だね。間の取りかたをはじめ、「若手なのにこんな感じでやるんだ」って感心する部分はあったよ。辻の世代はメンツ的にもよかったな、優也もゲイブ(・キッド)もいて。コロナ禍の苦しい時代に、ヤングライオンとして踏ん張ってたし。あれからどれだけ成長したのか、この身体で感じてみたいね。

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――次の8月3日 (日)福岡国際センターは大岩陵平選手との初シングルです。大岩選手は7.4東京武道館での『G1』出場者決定戦で小島聡選手を破り、初エントリーを果たすことになりました。

タイチ 大岩はタッグでもほとんど当たったことがないから、(長州力口調で)「やってみてからじゃないですか、まあ、やってみてからだろうな」の一言かなと。

――NOAHで国内武者修行をした大岩選手は昨年9月の新日本凱旋以降、NEVER無差別級王座やSTRONG無差別級王座、NJPW WORLD認定TV王座と挑戦のチャンスはつかんだものの、まだ結果に恵まれていないというか。

タイチ そういう印象はあるね、なんか他団体ではなんかうまくやってたっぽいけど。本人は否定するかもしれないけど、他団体の上のほうで活躍できてたから、ちょっと自惚れた部分もあったのかもしれない。それでいざ新日本に戻ってきたら思うようにはいかなかったというか、今年の『G1』も最初はエントリーされなかったわけだし。まあ、壁にブチ当たってるんじゃないの。

――逆にいうと、この『G1』は現状打破するには打ってつけというか。

タイチ だからここで気持ち入れ替えて、過去のことは忘れて新日本のいちレスラーとして戦っていくっていう、きっかけにすればすればいいんじゃないかな

――大岩選手は新日本凱旋以降、“新日本生まれ、NOAH育ち”を旗印にしてきました。

タイチ それは非常にいらない肩書だと思うね、俺は。「新日本のレスラーなんだろ? NOAHで育ってる? じゃあ、そっち行けばいいじゃん」って話で。そもそも結果を残せてないのに“NOAH育ち”って言ってたら、「向こうに対してカッコつかないんじゃないの?」とも思うし。まあでも、彼は若いんでね。試行錯誤して自分の道を見つければいいし、この『G1』が何かのきっかけになればって思うね。

■メチャクチャいいものを持ってる。身体もデカくなってきたし、まだまだ伸びシロもあって楽しみな選手だと思うよ。なんかウィル・オスプレイの弟分みたいな雰囲気があるけど、そこは本人も気にすることなく、自分のスタイルを貫いていってほしい

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――8月7日 (木)後楽園ホールではカラム・ニューマン選手と激突します。これはタイチ選手にとっては6.23後楽園の『G1』進出者決定戦のリベンジマッチとなりますね。

タイチ これも楽しみだよ、しかも舞台は同じ後楽園。カラムとはこの前のシングルでわかりあえる部分があったというか、彼が俺をリスペクトしてくれているのも、あのときの試合後に初めて知ったし。

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――試合後にカラム選手はマイクで「タイチが新日本プロレスで一番のプロレスラーで、世界一のプロレスラーだと思ってる。タイチは毎年『G1』に出るべきだ、彼は戦える」と、最大限の敬意を示していましたね。

タイチ 前回は出場権を懸けてギスギスした戦いになったけど、今回はお互いに楽しみながら試合ができるんじゃないかなって。いい試合になりそうな気がしてるよ。40代半ばにして、自分の子どもでもおかしくないような若さで勢いのあるヤツと、対等に戦えるっていうところを見せますよ。

――カラム・ニューマンというプロレスラーの才能はどうご覧になっていますか?

タイチ メチャクチャいいものを持ってる。若いけどデビューが早いから、意外とキャリアもあるんだよな。身体もデカくなってきたし、まだまだ伸びシロもあって楽しみな選手だと思うよ。なんかウィル・オスプレイの弟分みたいな雰囲気があるけど、そこは本人も気にすることなく、自分のスタイルを貫いていってほしいね。

――そして8月10日 (日)Gメッセ群馬の最終公式戦ではボルチン・オレッグ選手と対峙します。タイチ選手にとってボルチン選手は、昨年の『G1』出場者決定トーナメント決勝戦(7.5東京武道館)で激闘を繰り広げ、惜敗を喫した相手になりますね。

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タイチ ここでボルチンと当たるっていうのも、いろいろと考えさせられるというか。たとえばこの最終公式戦までに俺が「最後に勝てば決勝トーナメントにいけるかも」っていうくらい得点を稼いでいたとして、その試合後に実況アナが「タイチ、ボルチンの前に2年連続で涙を呑んだ~!」って叫ぶシーンとかね。

――自虐的ですね(苦笑)。

タイチ やっぱり去年の悔しい負けがフラッシュバックしちゃうくらい、ボルチンは半端じゃないし怪物ですよ。ただ、ボルチンも去年、「タイチさんとの試合があったから『G1』で戦えた」ってリスペクトを示してくれたから、今回もやりがいを感じてる。

――くしくもタイチ選手は『G1』出場を懸けた試合で去年はボルチン選手、そして今年はカラム選手と、有望な外国人選手の後押しをするような立場になってますね。どちらも試合後に相手の勝利を称え、激励をして。

タイチ べつに「俺という壁を乗り越えていけ」みたいな役回りをしてるつもりはないんだけど、結果的にそう見えちゃうっていうね。

――でも、今回は出場のラストチャンスをつかみ、“敗者復活ドリーム”を目指すということで、かなりファンの感情移入を誘うのではないかなと。

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タイチ まあ、(6.15)大阪城ホールのIWGPタッグ王座戦(タイチ&石井智宏vsグレート-O-カーン&カラム)も、『G1』出場者決定戦でカラムやトモさんと戦ったときも、あれだけファンの歓声をもらえたってことは、こっちのがんばりというかふんばりが伝わってるのかなとは思うね。ただ、俺も応援されるだけで終わるつもりはないんで。

――ちなみにボルチン選手とは新旧NEVER無差別級王者対決となりますね。

タイチ でも正直、ボルチンの最近の試合はすごいんだけど、じつは冷静に観てると……、勝てそうにねえなって。

――「穴を見つけた」とかプラスのことを言うかと思いきや、自虐で落としますね(苦笑)。

タイチ いやもう、勝てる気が起きねえなって。でも、これはみんなが感じてるだろうし、ボルチンを恐れてると思うよ。なんかイメージがわかないんだよな、大の字で伸びてるボルチンとか。でもボルチンに1年前の雪辱を果たして決勝トーナメントに進むことが理想であり、俺はそれを狙ってるから。自分を信じて、自分らしい戦いを貫けば、きっと“『G1 CLIMAX』さん”が導いてくれるんじゃないかなって思ってるよ。

■今回のメンバーの中で俺にしか言えないこととして、世の中っていうのは俺も含めて挫折して敗者になる人が大半だと思うけど、。世の負けた人たちに勇気と希望を与えられる、そんな『G1 CLIMAX』にしたい

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――これまで『G1』の最年長優勝は1996年の長州力選手(44歳8カ月)でしたが、タイチ選手が優勝すれば45歳5カ月でそれを更新することになります。

タイチ あの頃に観ていた長州力よりも自分が年上なのが信じられないけど、そこは更新を目指すしかない。本当は今回の最年長出場も狙ってたけど、そこは社長(棚橋弘至)に邪魔されたから。

――そちらは叶わずと(笑)。では、対抗のBブロックで気になる選手を伺えれば。

タイチ やっぱりゲイブはいま、一番勢いがあるんじゃないかな。アイツも俺のファイトスタイルが好きらしいし、今年の『NEW JAPAN CUP』で当たったときは(3.12宇和島の2回戦)、こっちがリングアウトで勝ったけど、あれは成田(蓮)のクソみたいな乱入で不本意な結末だったから、またやってみたいなと思うし。

――現IWGP世界ヘビー級王者のザック選手はいかがですか? 今年の『NJC』準々決勝(3.15名古屋)でタイチ選手はザック選手に敗れていますが、好勝負となりました。

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タイチ まあ一番の理想は俺が『G1』で優勝して、ザックに「そのベルトに挑戦させてくれ」ってアピールすることだと思ってる。今年の『NJC』のザックとの戦いが俺の自信にもなってるし、試合後にはザックから「オマエのことを疑っている唯一の人間はオマエ自身だ。自分を信じろ」って熱いことも言ってもらったし。

――ザック選手は「次に試合するときはIWGP世界ヘビー級王座戦だぞ」ともコメントしてましたね。

タイチ まあ、こうして『G1』出場にこぎ着けたからにはザックの思いに応えたいと思うし、なんとしてでも“敗者復活ドリーム”を成し遂げるしかない。敗者復活ドリーム……、興奮してきたな。

――その「興奮してきたな」は、『G1』ならぬ『M1』で敗者復活から優勝したサンドウィッチマンのコントのセリフですね(笑)。それでは最後に活躍を期待するファンに向けてメッセージをいただければ。

タイチ 今回のメンバーの中で俺にしか言えないこととして、世の中っていうのは俺も含めて挫折して敗者になる人が大半だと思うけど、敗者にも復活できる瞬間はあって、その先には何かつかめるものがあるっていうことを、俺は見せたいね。世の負けた人たちに勇気と希望を与えられる、そんな『G1 CLIMAX』にしたいと思います。

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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