「今回の件をラッキーとはまったく思ってなくて、 “『G1 CLIMAX』さん”が俺を必要としてくれたんじゃないかなと」『G1』最後の一枠を獲得!タイチ選手に直撃インタビュー!棚橋弘至との開幕戦に懸ける想いとは?上村優也と一騎打ちへ胸中を激語り!!(前編)

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一度は逃した『G1 CLIMAX 35』出場から、後藤洋央紀選手の欠場で急遽決定した「G1 CLIMAX 35」Aブロック出場者決定ガントレットマッチを制して、『G1』出場を決めたタイチ選手に直撃インタビュー!

テキスト/鈴木佑
撮影/中原義史

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■ファンの応援と、義理の兄の死、その二つが俺を奮い立たせてくれた。回も『G1』には出られなかったけど、「まだまだ俺はいろんなチャンスを自分の力で切り開けるな。よし、気持ちを切り替えて前に行こう」って思えた

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――タイチ選手にとって今年の『G1 CLIMAX』進出決定戦は、まさに怒濤の展開となりました。まず6.23後楽園ではカラム・ニューマン選手と対戦し、惜敗を喫して……。

タイチ 最初にカラムに負けたときは、去年も味わったくやしさというか。まあ、そんなもん、2回も味わっちゃいけないんだけど。

――去年の『G1』進出決定トーナメントでシード選手だったタイチ選手は、準決勝(7.3後楽園)でTJP選手を破るも、決勝でボルチン・オレッグ選手の前に涙を飲みましたね。

タイチ でも、去年の負けを通して、俺は立ち直る精神力の強さを手に入れたから。

――去年、『G1』出場が叶わなかったときは、本当にプロレスを辞めようとまで思ったそうですが、そこを乗り越えたのはファンの声だったのでしょうか?

タイチ やっぱり、それは大きかったね。俺のYouTubeチャンネルのメンバーシップの連中も「離れていっちゃうかな」と思ったら、逆に「まだまだあきらめないで」っていう声をもらって。その矢先の8月末には義理の兄が病気で亡くなったんだけど、その彼が死ぬ間際まであきらめず病気に立ち向かう姿を見せてくれたのも、俺にとっては大きなことだった。

――義理のお兄さまは昨年の6.15札幌『ALL TOGETHER in SAPPORO』に、ベットに寝たままで来場されていましたね。タイチ選手は試合後、上村優也選手や棚橋弘至選手たちと激励されて。

タイチ あのときは本人もプロレスを観たがっていて、こっちもプロレスを通して元気づけたくて。その彼が最後まで病気と戦う姿を見て、「俺、なんでこんなことでクヨクヨしてんのかな。身体も動くのに情けねえな」って思ってさ。ファンの応援と、義理の兄の死、その二つが俺を奮い立たせてくれた。

――それが精神力の強さになったと。

タイチ それに手元にはIWGPタッグのベルトもあるし、今回も『G1』には出られなかったけど、「まだまだ俺はいろんなチャンスを自分の力で切り開けるな。よし、気持ちを切り替えて前に行こう」って思えた。それと同時に、この夏休みをどうすごそうかなと(笑)。

――長い夏の予定を考えていたと(笑)。

タイチ そう、「今年の夏も長くなるぞ」ってね。去年はもう、本当にしょぼくれて北海道に帰ったけど、今年はタッグベルト片手に帰れば、少しは地元にも格好つくかなって思ったし。それでキャンピングカーでも借りて北海道を一人旅でもしようかなって思ってる矢先に、こういうことになって……。

■泣いちゃいないですけど、グッと来るものはありますよ。この1年はホント苦しかったから、なんか報われたじゃないけど、そんな気持ちが出ちゃったのかもな。「あきらめなくてよかったな」って思った

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――7月5日に後藤洋央紀選手が右腕の負傷により『G1』を欠場すること、そして『G1』進出者決定戦で敗れた4選手で、最後の出場枠を巡るガントレットマッチが、7.6後楽園にて急遽行うことが発表されました。

タイチ でも、これに関してはラッキーとはまったく思ってなくて、『G1 CLIMAX』の神様がいるとして、その“『G1 CLIMAX』さん”が俺を必要としてくれたんじゃないかなと。去年は必要とされなかったけど、「いまのタイチだったら」って思ってくれた気がするんだよね。去年の俺はJust 5 Guysでサポートに回りすぎたけど、今年は自分を押し出していこうと思ってたし、だからこそ引き寄せたチャンスなのかなって。

――ガントレットマッチではまずチェーズ・オーエンズ選手が小島聡選手に勝利。続いてタイチ選手が登場しましたが、因縁深いSANADA選手の乱入がありました。

タイチ それもあったけど、まずその前日も大変だったんだよ。(7.4)東京武道館の時点で、会社から「もしかしたら後藤選手が間に合わないかもしれない。その場合はもう一回、チャンスがあるかも」っていう話を聞いてたんだけど、「とか言って、どうせないんだろ?」って思ってたら、5日の午前中にガントレットマッチが発表されて。

――それを目にした瞬間の気持ちというのは?

タイチ 最初は複雑な気持ちだね。こんなの『G1』の歴史で誰も経験したことないだろうし、下手したら出場のチャンスを2年で3回逃すことにもなるし(苦笑)。いろんなことを考えて、まず気持ちを整理するのが大変だった。最終的にはさっき言ったように、「“『G1 CLIMAX』さん”が俺を必要としてる」っていうところに落ち着いたけど。

――オーエンズ戦はいかがでしたか?

タイチ 一番手で出てきたチェーズが3試合勝ち抜くのは大変だし、きっと乱入はあるだろうなとは想定してたけど、まさか入場で襲われるとは思ってなかった。で、相手を見たらSANADAだったから、「コイツは何がしたいんだろうな、俺を妬んでるのかな?」って思って。

――妬んでいるというのは?

タイチ SANADAは俺を裏切ってああいう行動を起こしたけど、俺からしたらとくにうまくいってるようにも見えないし、ヘンなブーツ履いたり、ヘンな格好したり、そんなことが話題になるくらいで。だから「タイチを目立たせたくない」という思いで、邪魔立てしたんじゃねえかなって。

――しかし、そのSANADA選手を、IWGPタッグを共に巻く石井選手が排除しました。

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■開幕戦のメインっていうので、いろんな感情はあるね。地元・北海道をしっかりマイクで締めて、ここを皮切りに“敗者復活ドリーム”を見せてやりたい

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――ここからはタイチ選のAブロック公式戦について伺わせてください。まず開幕戦は地元凱旋となる7月19日(土)札幌で開催され、そのメインでは棚橋弘至選手と激突します。現在、棚橋選手はファイナルロードを歩まれていますが、対戦したい思いはありましたか?

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タイチ 正直、「まあ、やれたらいいかな」って思ってたくらいかな。むしろ、みんなに先にやってもらって、逆に12月の最後のほうでやるのがおいしいかなって。

――たしかに最後のほうが記憶に残りやすいというか(笑)。

タイチ そうそう。なんか中途半端なところでやっても、「アレ? タイチ、いつやったっけ?」ってなっちゃうから、なんなら年内最後を狙っちゃおうかなと。

――でも今回は『G1』開幕戦のメイン、しかも地元凱旋なので印象に残りますし、お膳立てが整ったというか。

タイチ 開幕戦のメインっていうので、いろんな感情はあるね。じゃあ、なんで出場ワクから外したんだよっていうのと、トモさんとの試合があって再評価されたのかなとか。もちろん、地元っていうのも大きいと思うけど、素直にうれしいよ。前回出場した2年前の『G1』でメインは一個もなかったけど、巡り巡って今回、トリを飾らせてもらえて。

――タイチ選手は棚橋選手には2020年の『NEW JAPAN CUP』1回戦(6.22後楽園)や、2021年の『G1』公式戦(10.20日本武道館)で勝利を収めています。

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タイチ だいぶ前だけど、最後のシングルは俺が勝ってんだよね。今回も負けるつもりはないというか、俺はハッキリ言って、辞めてく人に1勝もさせちゃいけないと思ってるから。今回は0勝9敗で送り出してあげないと、棚橋弘至は引退できないよ。全選手、絶対負けちゃいけないし、「安心して引退してください、新日本プロレスは大丈夫です」って思わせないと。

――その一発目として、この棚橋戦は重要ですね。

タイチ とか言って、いの一番で俺が負ける可能性もあるけど(苦笑)。まあ、地元北海道をしっかりマイクで締めて、ここを皮切りに“敗者復活ドリーム”を見せてやりたいね。

――続く7月20日(日)札幌では、上村優也選手と対戦します。元Just 5 Guysの盟友であり、今年の6.15大阪城で共に本隊に加入した身近な後輩との一戦になりますね。

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タイチ 優也との試合は今回、一番楽しみだね。優也とはこうでもないとやれる機会もないし、俺が去年の『G1』に出てたら実現してたけど、それを逃してたから。そもそもアイツがヤングライオンだった頃もシングルでやった覚えはないし。

――昨年の2023年10月に凱旋帰国してからの上村選手の成長というのは、どうご覧になっていますか?

タイチ すばらしいですよ、もうこれは本当に。いまの自分のファイトスタイルを貫き通してほしいね。人間としても気持ちいいヤツで、「新日本の太陽になる」って言ってるのも、そうなる素質を間違いなく持ってると思うし。優也はけっこう、「タイチさんの試合、好きなんですよ」って言ってくれてるから、彼のこれからのキャリアに実があるように、俺とのシングルマッチで何かを感じてもらえればいいなって思ってる。

――次は7月22日(火)仙台でのデビッド・フィンレー戦です。こちらはタイチ選手にとって、昨年の11.4大阪でのIWGP GLOBAL王座戦の雪辱勝利が懸かった一戦となります。

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タイチ あのときは最後、SANADAの裏切りもあって負けちゃったけど。でも、最近のフィンレーは乱入に頼ってないというか、ファイトスタイルが変わってきてるから。今回のAブロックの出場者で総合的な戦闘力でいうと、フィンレーが抜けてるかなって気はするね。

――それだけ強豪だと。

タイチ アイツは春の『NEW JAPAN CUP』で優勝してるし、春夏連覇を狙ってるだろうけど、そういうギラついた外国人レスラーと戦えるのは楽しみだね。

――そして7月25日(金)大田ではEVIL選手と対峙します。EVIL選手率いるH.O.Tには、元Just 5 Guysのメンバーも所属していますし、因縁深い相手というか。

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ろうな。東京ってことは、金丸(義信)やDOUKIも交通費がかからないし。

――鈴木軍の流れを受け、自身が中心となり結成したユニットを裏切った選手たちというのは、どのように捉えていますか?

タイチ それはべつに「好きなようにやれよ」って感じかな。人それぞれに進みたい道もあるだろうし、ああいうことをして出ていったんだったら、それなりのものを見せてくれよっていうだけのことで。 こっちとしては「リングで向かいあったら覚悟しとけよ」ってくらいだな。

――EVIL選手とは過去に一度、2021年の『G1』公式戦(9.30後楽園)で対戦しています。あのときはディック東郷選手がタイチ選手の“専属ディーバ”あべみほさんを人質に捕らえ、最後はEVIL選手がタイチ選手にSCORPION DEATHLOCKでレフェリーストップ勝ちを収めました。

タイチ 勝利のためなら手段を選ばない相手だけど、いざとなったらこっちには安田(優虎)がいるから。安田とは今回の『G1』中、組む機会も多いんでね。まあ、こっちも修羅場をくぐってきてるし、乱入だろうがなんだろうが、なんでもやってこいって感じだな。

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※タイチ選手の『G1』インタビュー後編は後日掲載!
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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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