ファン投票重賞は騎手の減量適用を追い風にダイリンウルフか、好走率高い勝率1位馬か/佐賀・吉野ヶ里記念データ分析
7月19日佐賀5レース 17時15分発走予定
今年からファン投票で出走馬が選ばれることとなった吉野ヶ里記念。ファン投票上位馬に加え、記者選抜で出走馬が決まった。重賞連勝中の馬や、重賞初制覇のかかる新人騎手が騎乗する馬、高知からの移籍馬など多士済々。
ここでは2014年~2024年の過去10回のデータを元に分析する。
※2019年は大雨のためレース取りやめ
覚えておきたい「減量適用」の重賞レース
通例では重賞レースでは若手騎手は先輩騎手と同じ斤量で騎乗するが、佐賀競馬ではファン投票の重賞レースでは減量特典が適用される。12月の佐賀版有馬記念ともいえる中島記念がそうで、今年からファン投票で出走馬が選ばれることとなった吉野ヶ里記念も同様に減量が適用。
そうなると、若手騎手が騎乗していたけど重賞で乗り替わり、といった事例は減り、今年のダイリンウルフと▲長谷川蓮騎手のように近走で騎乗したコンビを重賞の舞台でも応援することができる。近走内容からコンビ相性などを見ることもでき、予想する上でもやりやすくなるだろう。
1~2着は人気決着も、3着に穴馬
単勝人気では過去10回すべてで4番人気以内の馬が勝利。4番人気以内は2着も8回と、信頼を置ける。しかしながら、3着になると6番人気以下が過去10回中5回で入着しており、それによって3連単が万馬券となった年もある。昨年の1万1350円(1番人気→3番人気→8番人気)、2022年の2万7530円(1番人気→5番人気→7番人気)などがそうだった。
逃げ・先行有利も、上がり37秒台で差し切り勝ちも
ただ、差しが全く届かないわけではなく、差し・追い込みも3勝、2着2回、3着5回。勝った3頭はいずれも上がり3ハロン37秒台の末脚を使った。また、2着、3着でも上がり3ハロンは39秒未満が求められる。
逃げ先行と好相性の9番枠
勝率が5番枠と同じ30%の9番枠の場合は、勝ち馬3頭はみな1コーナーを4番手以内で回っており、逃げ・先行タイプが入るとより良さが生きそうだ。
4歳~6歳が好走
勢いのある馬が3着内率ほぼ100%
最初に調べたのは「持ちタイム最速」。これは今回と同舞台の佐賀ダート1400mでの持ちタイムで、出走馬中最速だった馬は4勝、3着2回だった。持ちタイムについては地方競馬情報サイトの出馬表が見やすく、前走の左欄の最下部に同舞台での持ちタイム、その右に良馬場での持ちタイムが記載されている。
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3つ目の「1300-1400m(A1・A2混合以上)で2着以内」については、レース格の表記が「オープン」「A1」「A1・A2」が対象。「A2」や「A2・B」は対象外だ。
これら3つの条件のうち複数に該当する馬の成績が4行目。複数該当だと好走率がグッと上がるかと思いきやそうでもなかった。
高知からの移籍馬の重賞実績は?
これは一般戦でも適用できるもので、高知の深い馬場で調教され、緩みないペースでレースをしてきた馬は、佐賀でも好相性の傾向にある。重賞においてもここ数年は高知からの移籍馬の好走が見られる。主な例は下表で、ロードミッドナイトが移籍初戦でいきなり重賞制覇を果たしたほか、格言からは少しズレるがアイメイドイットが移籍5戦目で重賞3着。高知でBクラス以上に在籍し、佐賀移籍後の日が浅い馬は狙えるだろう。
データからの推奨馬は?
②4歳~6歳
③持ちタイム最速
④直近半年の勝率1位
⑤高知Bクラス以上からの移籍馬(移籍後、日が浅い)
⑥差し・追い込みで上がり3ハロン38秒未満を近走で使った馬
⑦9番枠の逃げ・先行
⑧5番枠なら尚良し
ビキニボーイは重賞2連勝中でファン投票1位。連勝中の重賞は1800mと2000mといずれも中距離だが、東眞市調教師は「移籍してきたときは1400mの馬だと感じていました。それがだんだんと変わって長い距離でも対応できるようになってきたんです」と話す。1400mの重賞は4着だった九州クラウン以来、4走ぶりだが、直近半年の勝率は66.6%で1位。この距離では先行しない可能性があるため、⑦には該当しなさそうだが、①②④⑥に該当する。
ダイリンウルフは今年4月デビューの長谷川蓮騎手が3走続けての騎乗。3kg減の特典適用で、重賞馬ながら53kgで出走できる。昨年は門別に移籍していた時期もあったが、「ひと回り力をつけてきて帰ってきました」と真島二也調教師。末脚は目を見張るものがあり、5走続けて上がり3ハロン37秒台の末脚を使っている。「いかに我慢して、どこで脚を使うかがポイントの馬」とのことで、長谷川騎手の継続騎乗がそこに生きるだろう。勝てば長谷川騎手は重賞初制覇。①⑥に当てはまる。
ヴァガボンドは高知から移籍2戦目、高知時代はAB混合で走っていたことから、⑤に当てはまるが、頭を悩ませるのは高知で1走しかしていない点。JRAで長く走ってオープンまで勝ち上がり、園田で3走、高知で1走で、これを「高知からの移籍馬」として扱っていいかどうか。ただ、前走は逃げ粘ってダイリンウルフから半馬身差だった。
好走率の高い③に該当するのはフェブキラナ。昨年1月、不良馬場で2着だった時のタイムだ。今年は未勝利だが、好走枠の5番枠にも入り、③⑧に該当。
④の勝率1位に惜しくも約4%届かなかったマイネルサハラは3番枠から先手を取り切れれば。
なお、佐賀競馬公式YouTubeでは出走馬の調教師インタビューも公開中。
ぜひこちらも馬券検討にお役立てください。
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文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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