シリーズ 選手権大会出場チーム紹介~「インサイドストーリー夏草の賦2025」 第1回 江戸崎ボーイズ(茨城県支部)
このシリーズは開幕に先立ち、各地の予選を勝ち抜き選手権大会への出場を決めたチームのインサイドストーリーを紹介する。
題して夏草の賦(はなし)。シリーズ第1回は、2年連続4度目の出場を果たし、初優勝を狙う茨城県支部代表の江戸崎ボーイズ。
好敵手・日立ボーイズとの接戦を制し 全国優勝を狙う常陸の雄・江戸崎ボーイズ
江戸崎は、春季全国大会で2度の4強入り誇る東日本ブロック屈指の強豪であるが、対する日立も負けてはいない。とくにこの世代、江戸崎は、昨秋に行われた茨城大会決勝、つづく春季全国大会茨城県支部予選の決勝でも日立に敗れ、春季全国5期連続出場の夢は砕かれた。新チームになってからの戦績は日立に軍配があがる。
この日、江戸崎ベンチは並々ならぬ決意で決勝に臨んでいた。監督をつとめる渋谷泰弘(しぶややすひろ)は、試合終盤にリードされている場面を想定、逆転のシナリオを何パターンも描き繰り返し練習させたと聞く。
「得点しても安心するな」
「逆転されても浮足立つな」
「勝ちたい気持ちの勝るものが最後に勝利する」
ゲームは常に動くもの、という経験に裏打ちされた無常の野球哲学を選手に説き、
「楽に勝てる決勝などない」
これを、合言葉に精神面を徹底的に鍛えあげてきたのだった。
試合は終盤、6回裏一死、2-3と1点ビハインドで迎えた江戸崎の攻撃、セーフティーバントを得意とする3番・浜野凌匠(はまのりょうた)が選んだのは強打。
小柄な体格から放たれた打球はライト線を痛烈に破る2塁打。
続く4番・菊地史穏(きくちしおん)が左中間2塁打で続き同点とする。
5番・小室真斗(こむろまなと)は四球。すかさずダブルスチールを決め一死2・3塁とする。
6番・長井大季(ながいだいき)の右犠飛で4点目が入り逆転に成功。
7番・清水 和(しみずにき)の中前打で一気に日立を突き放した。
打者二人を打ち取り、ツーアウトとなったその時、渋谷はタイムをかけ内野陣を集めた。
選手たちの中には早くも感情を抑えきれず涙するものもいた。
「この瞬間をわすれるな」
渋谷の短いひと言が選手を落ち着かせ鼓舞した。
坂元が最後の打者をショートゴロに打ち取とると、ベンチからは選手がマウンドに駆け寄り、球場は歓喜の渦に包まれた。
2年連続4度目の選手権大会出場を決めた瞬間である。
7年余りの活動を経て、2015年1月に『江戸崎ボーイズ』としての活動を開始する。
創部3年目を迎える2017年3月、3年生となった1期生が春季全国大会出場を果し、この10年で春夏通算10回の全国大会に出場し東日本ブロック屈指の強豪チームへと成長した。
2019年と2023年に春季全国大会で4強入り、2019年に関東大会優勝、2022年には好投手・田山 纏(たやままとい)を擁し東日本選抜大会でも優勝している。
監督をつとめる渋谷は1978年生まれの47歳。
常総学院高のOB。
高校時代は主将を務め、かの歴史的名将・故木内幸男に師事した。
チームスローガンに「楽しく強く」を掲げ、毎年、変幻自在なチームづくりを行っている。
今年のチームは、選手個人のポテンシャルに頼らない戦術野球。選手育成としては、野球IQを高める指導と選手のメンタルづくりを大切にしている。
ヘッドコーチをつとめるのは篠田優也(しのだ ゆうや)。
動作解析を得意とし選手の個人スキルとパフォーマンスの向上を担当する。渋谷監督とのコンビネーションは抜群だ。
俊足好打のスピードスター 浜野主将が多彩なタレント軍団をまとめる
鶴岡一人記念大会の東日本ブロック選抜メンバーにも選出されている。センターを守り好守を連発する外野の要。
4番に座るのは捕手の菊地。走攻守に優れバランスの取れた選手。選手権大会茨城予選では最優秀選手に輝き、優勝に大きく貢献した。
投手の柱はやはり坂元。昨夏もメンバー入りし2年連続で全国の檜舞台に立つ。今夏はエースナンバーを背負う。選手権予選、準決勝では完封勝利を達成。決勝では最終回のマウンドを託されチームを優勝へと導いた。
内野の要は林田眞之介(はやしだ しんのすけ)。ホットコーナーを守り、長打の打てる2番打者。チャンスメーカーとしての役割も果たしてきた。強肩が売りで歴代ナンバーワン三塁手との呼び声も高い。
試合終盤、劣勢であってもひるまず食らいつく戦術と精神を磨きあげ全国出場をつかんだ江戸崎ボーイズ。
チームの目標はずばり全国制覇。
坂東太郎(利根川)と地味豊かな常陸の自然に抱かれ、強く大きく成長した健児たちの夏の挑戦に注目したい。
(原稿:広報委員会 文中継承略)
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