ハラトア・ヴァイレア初キャップで逆転トライ!日本代表 スピアーズ所属3選手がプレーしウェールズに勝利

チーム・協会

紙森のスクラム、藤原のパス、そしてハラトアのトライ!

この試合にしてはやや不自然なほどフラットなスクラムだった。左サイドからの相手の重みをがっしりと受け止めて制圧したのはプロップの紙森陽太。そのスクラムから出てきたボールに手を伸ばすのはスクラムハーフの藤原忍。ボールを持つと右サイドに準備するバックスラインにパスをすると見せかけて、逆サイドのタッチラインに目掛けてロングパスを放った。これもまたフラットに、そして矢のように鋭く。そして、そのパスの先に待つのはハラトア・ヴァイレア。ボールを持つとタッチライン際を一直線に駆け抜けた。

藤原選手からパスをもらい相手タックルを外すハラトア・ヴァイレア選手。「チームメイト、ファミリー、神様に感謝してこの試合に臨みました。スピアーズの選手と共にプレーできることも嬉しいです」とコメントした 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

これは7月5日に行われたリポビタンDチャレンジカップ2025 日本代表vsウェールズ代表戦、後半25分過ぎのプレーだ。

日本代表はこの時間帯、相手を追い詰めていた。得点では相手にリードを許しているものの、暑さと消耗で鈍るウェールズに対し、セットプレーと徐々にリズムがでてきた「超速」アタックで前に出る日本代表に勢いがあった。そんなタイミングで途中出場したのがクボタスピアーズ船橋・東京ベイ所属のハラトア選手だった。
「国歌を歌っているときから、早く試合に出たくてワクワクしていました」と試合後に本人が振り返る通り、「ボールを持ちたくて仕方がない」そんな感情がプレーからにじみ出ていた。
ライン際でボールをもらったハラトア選手は、「(相手ディフェンスの)後ろのスペースを見てキックのオプションもチェックした上で」と前置きしつつも、まるで心に決めていたかのように前へ走り出していた。このプレーはトライにこそはならなかったが、大きく前進して後の逆転へのきっかけに繋がった。

プロップの紙森選手が安定したスクラムでボールを出せば、スクラムハーフの藤原選手が活きたボールをバックスへ提供する。そしてショートサイドだろうがオープンサイドだろうがどこでもいつでもライン際を疾走するハラトア選手。そのプレーで沸き立ち、選手の背中を押すスタンドの歓声。
昨シーズンの「えどりく」でよく見た光景が、この北九州の地で再現される。それも紙森選手とハラトア選手が代表初出場という記念すべき日に。

この試合、紙森選手は80分出場しスクラムを圧倒、藤原選手は後半39分まで運動量が落ちることなく速く的確なパスを味方に送り続け、ハラトア選手は後半11分から途中出場し逆転トライを奪う活躍を見せた。その結果、世界ランキング13位の日本代表が、今年最初のテストマッチで同12位のウェールズ代表に逆転勝利し、白星スタートといううれしいニュースをラグビーファンに届けた。

なおリザーブには江良選手と為房選手が控えていたが、その活躍は次戦に持ち越しとなった。

ウェールズ代表との試合は残り1試合。次戦は7月12日にノエビアスタジアム神戸で行われる。

テンポのいいパスワークで攻撃に勢いを作った藤原選手。エディヘッドコーチは「藤原選手はリーグワンで見ていてベストなスクラムハーフだと思っている。なぜベスト15に入らなかったのか不思議なくらいだ。この合宿でもパフォーマンスを上げているので今回先発させました」と評価する」 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

文:クボタスピアーズ船橋・東京ベイ広報担当 岩爪航
写真:チームフォトグラファー 福島宏治


  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

クボタスピアーズ船橋・東京ベイは、日本ラグビーの最高峰「ジャパンラグビーリーグワン」に所属するラグビーチームです。。1978年創部し1990年にクボタ創業100周年を機にカンパニースポーツと定め、千葉県船橋市の(株)クボタ京葉工場内にグランドとクラブハウスを整備しました。「Proud Billboard」のビジョンの元、ステークホルダーの「誇りの広告塔」となるべくチーム強化を図っています。またSDGsの推進や普及・育成活動などといった社会貢献活動を積極的に推進しています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント