波乱含みの夏の3歳重賞、牝馬の差し馬が狙い!?/佐賀ユースカップデータ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2024年優勝ムーンオブザサマー 【撮影:佐賀県競馬組合】

第5回 佐賀ユースカップ(3歳、ダート1400m)
6月29日佐賀3レース 17時25分発走予定


2021に創設された比較的歴史の浅いレースだが、2023年優勝のブレイブアモーレはその後に続くロータスクラウン賞を勝つなど活躍した。今年は3歳頂上決戦である九州優駿栄城賞で1番人気に支持されたツモや、ネクストスター佐賀優勝のミトノドリームなど有力馬が揃った。
レースができた2021年から2024年までの過去4回のデータを元に分析する。

施行時期が波乱を巻き起こす

単勝1番人気は3着内率75%。唯一、4着以下となったのは2021年テイエムサツマオーで、3着とは半馬身差の4着だった。この年は当レースが創設された年で、重賞で安定した実績を残している馬がほぼいないメンバー構成。混戦模様で、勝ったアルティマソウルは9番人気、3連単は73万4340円(9番人気→6番人気→7番人気)と大波乱だった。
2年目以降は上位人気馬の勝利だが、2~3着には人気薄が入ることもあり、以降の3回中2回で3連単万馬券。九州優駿栄城賞の1カ月後の3歳重賞とあって、それなりの実績馬と、ここで爪痕を残したい馬とが混在したメンバー構成となりやすいことが万馬券輩出の一因だろう。

単勝人気別成績 【表1】

逃げ不振の小回りコース

舞台となるダート1400mは佐賀競馬場で最もレースが実施されるメジャー距離。直線の引き込み線からコースを1周する。小回りコースということもあり、この舞台は逃げ有利なのだが、当レースでは逃げが不振。3着内率0%というのはこの距離に限らず重賞レースでもなかなか見かけないデータだ。
好走率が高いのは先行。差しも1勝、3着2回で、末脚をしっかり使えれれば、上位入着を果たしている。小回りコースながら差しが届くのは佐賀の特徴とも言えるだろう。

脚質別成績 【表2】

競馬格言はデータに当てはまる?

「夏は牝馬」という格言がある。6月下旬~7月の暑い時期に行われる当レースでも牝馬が2勝を挙げる活躍。JRAや各地方競馬場で取材をしていても「気温が上がってきて、動きや状態が良くなってきた」と調教師から聞く馬は牝馬が多い印象だ。連対率や3着内率などは牡馬の方が優勢だが、牝馬の2勝、3着3回という成績から、性別による割引は不要だろう。

性別別成績 【表3】

「夏は牝馬」の差しを狙いたい

前述のデータに関連して、牝馬の好走パターンを深堀したい。気温の上昇と共に状態良化というコメントがよく聞かれると前項で記したが、これは裏を返せば、寒い季節は毛ヅヤが冴えなかったり、動きに硬さが見られるということでもある。
硬さのある馬であれば、レース前半は中団以降に控える馬も多いのでは?と仮説を立てた上で、牝馬の脚質別成績を調べてみた。
すると、差しが1勝、3着2回。当レース全体の差しの上位入着回数と全く一緒、つまり当レースで差して上位入着を果たした馬はみな牝馬だった。「牝馬×差し」がいれば狙ってみるのもアリだろう。

牝馬の脚質別成績 【表4】

暑くなると小柄な馬の好走UP!?

もう一つ、暑い時期に関連してデータを調べた。
下記円グラフは佐賀競馬での勝ち馬の馬体重分布を表している。
通年(上の円グラフ)で見ると、勝ち馬は400kg台前半と500kg台の馬が占める割合はほぼ互角。一方で、夏(6~8月)に限定すると、400kg台前半の馬が勝つ割合が約6%増え、500kg台の馬が勝つ割合は約5%減った。
人間でも大柄な人や筋肉質な人の方が汗をかき、夏は辛そうなイメージがなんとなくある。もちろん個体差はあるが、やや小柄な400kg台前半の馬の方が暑さの影響を受けにくいのかもしれない。

佐賀競馬における勝ち馬の馬体重分布 【表5】

データからの推奨馬は?

①上位人気
②先行馬
③牝馬の差し馬
④400kg台前半

ツモは5連勝で九州優駿栄城賞に挑んだ馬。1番人気に支持され、結果は3着だったが、この馬の武器である末脚はしっかり発揮した。向正面から捲っていくその末脚は素晴らしく、ペースが流れやすい1400mの方が差し切りやすい可能性も。今年4月にデビューした鞍上の長谷川蓮騎手は重賞初制覇がかかる。①に該当。

ミトノドリームは昨秋のネクストスター佐賀を勝った馬。その後は休養に出され英気を養い、3歳でも活躍が期待されていたが、帰厩後はレース前のテンションの高さが課題となっている。まずはそこの克服が前提にはなるが、前走・九州優駿栄城賞は「2000mは少し長かった」と平山宏秀調教師。距離短縮はプラスに働くだろう。①②、位置取り次第では③にも当てはまる。

③からはアオイノユメ。ル・プランタ賞、佐賀皐月賞、九州優駿栄城賞と3走続けて重賞で上がり最速で差してきて、前2レースは3着、九州優駿栄城賞も4着だった。

④からは牝馬のニシノリンダ。JRAで未勝利戦を勝ち、佐賀に移籍してここまで3戦。佐賀ではまだ1勝しかしていないように見えるのだが、JRA時代に賞金を稼いでいたため、普段は古馬に混じってB級レースを走っている。そこで勝っているのだから、3歳馬同士であれば力上位。

第5回 佐賀ユースカップ 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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