【第1回】プロスポーツビジネスの神髄に触れる! ――びわこ成蹊スポーツ大学「プロスポーツコアチーム」で特別講義開催

びわこ成蹊スポーツ大学
チーム・協会
びわこ成蹊スポーツ大学には、プロスポーツ業界で即戦力として活躍できる人材の育成を目指す「プロスポーツコアチーム」がある。2023年1月に発足し、今年で3年目を迎えた本プログラムは、書類選考と面接によって選抜された学生で構成されており、プロスポーツクラブや関連企業への新卒での就職を志望する学生にとって貴重な実践の場となっている。

プロスポーツコアチーム1期生は、Jリーグのクラブチームやバレーボールのプロリーグ運営事務局などへの就職実績もあり、スポーツ業界からも注目を集める取り組みだ。プログラムでは、スポーツビジネスを専門とする教員や連携するプロチームの関係者が直接講義を行い、現場に即した“リアル”な知見が共有されている。

6月19日には、同大学の大河特別招聘教授(現SVリーグ チェアマン)による特別講義が実施された。テーマは「プロスポーツリーグのマネジメント」。プロスポーツの現場で培った経験と戦略を惜しみなく伝える100分間となった。

大河特別招聘教授、吉田さん(2024年度卒業生/プロスポーツコアチーム1期生/株式会社まちのミライに就職) 【びわこ成蹊スポーツ大学】

スポーツの産業化に必要な視点とは?

冒頭、大河教授は「スポーツの産業化には3つの要素が必要」と語った。

1.スタジアム・アリーナの改革

2.スポーツ人材の育成・養成

3.他産業との融合

その上で、「クラブが強くなることは当然。大切なのは、ファン、パートナー、自治体、メディア、スタッフ、コーチ、審判といった関係者への感謝を忘れないこと」と、クラブ運営の根幹にある姿勢についても力強く語った。

プロリーグのマネジメント論:Jリーグ、Bリーグ、そしてSVリーグへ

続いて、大河教授はJリーグ・Bリーグ・SVリーグそれぞれの運営に携わった経験をもとに、具体的なマネジメントの手法や理念を解説。

Jリーグでは「地域密着による持続可能な成長」を掲げ、Bリーグでは「エンターテインメント性と組織づくりによる新市場の創出」を目指してゼロからスタートしたBリーグのヒストリーに学生を引き込んだ。

現在チェアマンを務めるSVリーグでは、「競技力だけでなく、ガバナンス・集客・事業面でも世界のバレーボールリーグの中で1番を目指す」と力説。
「ルールを守るクラブこそが、最後に勝つ」という言葉には、ビジネスとしてのプロスポーツへの覚悟がにじんでいた。

「変化を恐れるな」──未来のスポーツ業界人に向けて

講義の終盤、大河教授は、SVリーグ改革の過程で直面した「賛否」の声を振り返りながら、学生に次のようなメッセージを送った。

「変革には必ず反対が伴う。だが、勇気を持って一歩を踏み出せる人こそが未来を変える」そして、「リスクを恐れず挑戦できる人、新しい視点で物事を見られる人が、スポーツ界を前に進めていく」と続けた。

講義終了後、学生からは「もっと話を聞きたかった」との声も多く、熱のこもった100分間であったことがうかがえた。

プロスポーツコアチームで深める「スポーツ×ビジネス」の視点

プロスポーツコアチームでは、これまでにもスポーツビジネス・メディアコースの吉倉准教授による「スポーツ産業の歴史と現状」、同コースの明講師による「野球ビジネスの戦略」など、実務に即した講義を実施してきた。

今回は、リーグのマネジメントを担うキーパーソンから直接話を聞くことで、「スポーツをビジネスとして捉える視点」がさらに深まったようだ。

全国各地で新設アリーナの建設が進む今、プロスポーツは“観戦型レジャー”としても新たな局面を迎えている。
スポーツの価値を高め、ファンを創造し、収益を上げていく。その中核を担う人材が、ここびわこ成蹊スポーツ大学で育っている。

プロスポーツコアチーム3期生が受講している様子 【びわこ成蹊スポーツ大学】

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著者プロフィール

2003年に開学した我が国初で唯一の「スポーツ」を大学名に冠したパイオニアが、その役割を全うすべく、「スポーツに本気の大学」を目指し「新たな日本のスポーツ文化を創造する大学」として進化します。スポーツを「する」「みる」「ささえる」ことを、あらゆる方向から捉え、スポーツで人生を豊かに。そんなワクワクするようなスポーツの未来を創造していきます。

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