【アミノ杯・3回戦結果】1部首位・国士舘大・2部首位・法政大、2位・早稲田大が初戦敗退の波乱!
『「アミノバイタル®」カップ2025 第14回関東大学サッカートーナメント大会』3回戦結果
関東大学サッカー唯一のトーナメント大会『「アミノバイタル®」カップ2025 第14回関東大学サッカートーナメント大会』は6月20日(金)に3回戦・16試合が行われた。3回戦からはシードの関東1部・2部24チームが参戦。夏の全国大会『第49回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』への出場10枠を懸け、準々決勝までが時之栖で集中開催される。
例年波乱がつきものの『「アミノバイタル®」カップ』だが、今年は関東1部・2部の首位チームが”ジャイアント・キリング”の餌食となった。
現在1部首位を快走し、『「アミノバイタル®」カップ』では一昨年に史上初の二連覇を達成するなど相性もよい国士舘大学。初戦の相手は3部リーグ7位の立教大学。試合は両チーム無得点のまま後半に突入。すると58分、立教大・高松大地がループシュートを決めて先制。立教大は79分にも石川颯が試合を決定づける追加点を挙げ、立教大が0-2で完勝。1部首位で一昨年王者の国士舘大が1点も決められないまま大会を去ることとなった。
2部の上位チームもトーナメント大会の"洗礼"を受けた。首位の法政大学は同じ2部の7位・立正大学と対戦。昨年のリーグ戦での対戦成績は法政大が2戦2勝。今年のリーグ前半戦でも4-1で法政大が勝利し、直近の3戦で負けなしと法政大にとって立正大は相性のよい相手だった。そんな過去3戦をなぞるように法政大は11分、横浜F・マリノス内定・松村晃助のコーナーキックを島田春人が頭で決めて先制。だがここから立正大が"覚醒"。一気に試合の流れを引き寄せる。まずは2分後の13分、相手GKがペナルティーエリアの外に出たのを見た藤浪宏樹がロングシュートを決めて同点に追いつくと、27分には山本倖生のミドルシュートがポストに当たりそのまま内側にゴールイン。立正大はその4分後にも、コーナーキックの流れから渡邊啓佳が放ったシュートが決まり3-1と法政大を引き離した。法政大も37分にペナルティーキックを決めて1点を返すが、その後は追加点を奪えず2-3のままタイムアップ。立正大が3連敗中の法政大に勝利し、4回戦にコマを進めた。一方、2部首位の法政大はまさかの初戦敗退となった。
大会最多となる4度の優勝歴を誇る2部・2位の早稲田大学。初戦の相手は同じ2部の9位・國學院大學となった。今季2部昇格を果たした國學院大にはリーグ戦で4-0と大勝。だが先手を取ったのは國學院大。序盤の9分、U-19日本代表候補の鈴木善が蹴り込んで先制点を挙げる。対する早稲田大も21分、川崎フロンターレ内定・山市秀翔のフリーキックを瀧澤暖が頭で合わせて同点に追いつくと、38分にも伊藤猛志が追加点。早稲田大が逆転に成功する。しかしその2分後、昨年度リーグ新人賞受賞の辻友翔が鮮やかな左足のミドルシュートを決めてスコアは2-2に。國學院大が試合を振り出しに戻して前半を終えた。後半は両チーム拮抗した展開となり、ともに追加点のないまま終盤へ。延長戦に突入かと思われた90分、早稲田大のルーズなパスの隙をついて國學院大がボールを奪取。素早くゴールに迫ると、最後は磯丈成がシュートを突き刺して國學院大が再度勝ち越す。これが決勝点となり試合は2-3で國學院大が勝利。早稲田大は5度目の優勝ならず、大会から姿を消すこととなった。
その他の同カテゴリー対戦では、2部10位の順天堂大学と同4位の産業能率大学が、また2部3位の駒澤大学も同11位の東京農業大学と対戦。産業能率大学は前半に先制するも後半、順天堂大に追いつかれて1-1のままアディショナルタイムに突入。延長戦突入かと思われたが、90+3分に日隠 ナシュ 大士が劇的な決勝点を決めて勝利。駒澤大と東京農業大の試合は拮抗した展開となったが、終盤の88分に小林栞太が挙げたゴールを守りきった駒澤大が勝利。2試合とも、上位チームが勝利する形となり、産業能率大と駒澤大が4回戦に進出した。
都県リーグ所属チームから唯一の勝ち上がりとなった千葉県代表・城西国際大学は、関東1部3位の筑波大学と対戦。前半は筑波大の攻撃を0点に押さえていた城西国際大だったが、後半に入ると筑波大も動き始める。69分、野田愛斗が個人技で相手DFをかわしてゴールを決めると、終盤の87分にも小林俊瑛がヘディングシュートで追加点を挙げてフィニッシュ。筑波大が危なげなく試合を制し0-2で勝利した。この結果、都県チームは3回戦ですべて敗退となった。
その他の対戦は、すべて上位カテゴリーのチームが勝利する"順当勝ち"となった。とはいえ、4試合がPK戦にまでもつれ込むなど下位カテゴリーチームの奮闘も光った。
あと少しで初戦敗退の危機に直面したチームの中には、昨年度王者・明治大学の姿もあった。明治大は3部リーグ10位の亜細亜大学と対戦。試合は前半終盤に動いた。44分、亜細亜大は小池莉玖が左サイドから入れたクロスを安部僚馬が合わせて先制する。だが明治大も前半アディショナルタイムの45+2分、内山開翔がミドルシュートを決めて同点においつき、前半を終了した。後半に入ると試合は膠着状態に。明治大は早めに交代選手を投入するがゴールに至らず、1-1のまま延長戦でもスコアは動かず勝敗はPK戦に委ねられることになった。PK戦ではともに4人目のキッカーまで成功するが、明治大が5人目のキッカーが成功したのに対し、亜細亜大5人目・山下翔輝のキックはゴールを外れる。この結果、PK戦を5-4で制した明治大が、苦しみながらも4回戦進出を決めた。
また2部8位・関東学院大学と1部・11位・桐蔭横浜大学の"神奈川ダービー"はスコアレスのままPK戦へ。こちらも4-5で桐蔭横浜大がPK戦に勝利した。同じく神奈川ダービーとなった1部9位・東海大学と2部6位・神奈川大学の試合は、終盤に大きくスコアが動く内容に。東海大が前半に先制点を挙げるも、神奈川大も80分にコーナーキックから武笠隼季が決めて同点に追いつくと、終了間際に獲得したペナルティーキックを藤田仁朗が沈めて逆転に成功する。だが東海大も最後まで諦めず、90+6分にコーナーキックの流れから松橋啓太が決めて2-2に。延長戦でも決着がつかずPK戦に投入した。PK戦では神奈川大の最初のキッカー、安原太洋のキックを東海大GK・菊池悠斗がストップ。その後は両チーム全員が成功したが、最初のシュートを止めた東海大がPK戦5-3で初戦突破となった。1部10位・中央大学と2部12位・山梨学院大学の試合は、中央大が先行するも山梨学院大が追いつく展開に。中央大の1点リードで迎えた85分には山梨学院大がペナルティーキックを獲得するが、キッカー・金津力輝のシュートは枠の外へ。だが終了間際の90分、山梨学院大は金津が左から入れたクロスを村田智哉が決め、土壇場で追いつき延長戦に突入。その後はともに攻めあぐね、PK戦で決着をつけることになった。PK戦では中央大のひとり目のキッカー・持山匡佑のシュートが大きく枠を外れるも、中央大GK・近野勝大が山梨学院大のふたり目、3人目のシュートを連続でストップ。対する中央大は2人目以降が全員成功したため、PK戦4-3で中央大学が4回戦進出となった。
1部8位の流通経済大学は3部8位の中央学院大学に先制されるが、後半に2得点を挙げて逆転勝利を収めた。直近のリーグ戦で4得点を挙げた松永颯汰がこの試合でも1ゴール1アシストの活躍を見せた。2部5位・拓殖大学と1部12位・慶應義塾大学の対戦は、慶應義塾大が2点を先取。拓殖大も終了間際に1点を返すが慶應義塾大がリードを守りきり1-2で勝利した。1部4位・日本大学は3部6位・作新学院大学と対戦。前半は作新学院大が主導権を握り、作新学院大がミドルシュートを決めて先制するが、後半は一転して日本大ペースに。日本大は50分過ぎに立て続けに2得点を挙げて逆転に成功すると、終了間際にもダメ押しの1点を加えて3-1で勝利。3部5位・専修大学と1部6位・東洋大学の試合は、前半に髙橋輝が挙げたゴールを東洋大が最後まで守りきり0-1で初戦突破を果たした。3部2位・明治学院大学と1部7位・東京国際大学の試合も、後半序盤に東京国際大・齋藤晴が挙げたゴールが決勝点となり、東京国際大がウノゼロ勝利。また1部2位・日本体育大学は3部首位・城西大学から3点を奪い、0-3で解消した。
この結果、3部チームは国士舘大相手に金星を挙げた立教大のみが4回戦に進出。2部チームは4チーム、1部チームは国士舘大以外の11チームが初戦突破を果たした。22日(日)に行われる4回戦では、勝ち残った16チームが激突。勝ってベスト8に残れば、『第49回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』の出場が決定する。夏の全国大会への出場切符を懸けた大一番。結果はいかに――。
*表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
(文・飯嶋玲子)
3回戦・全試合結果と得点者
国士舘大 0(0-0)2 立教大
得点者)【立教大】高松大地、石川颯
関東学院大 0(0-0/0-0/0-0/0-0/4PK5)0 桐蔭横浜大
流通経済大 2(0-1)1 中央学院大
得点者)【流経大】小池将太、松永颯汰【中院大】中山葵
拓殖大 1(0-0)2 慶應義塾大
得点者)【拓大】吉原優輝【慶大】石田航大、三浦大其
日本大 3(0-1)1 作新学院大
得点者)【日大】大久保帆人、平尾勇人、五木田季晋【作新大】蓮沼亜門
立正大 3(3-2)2 法政大
得点者)【立正大】藤浪宏樹、山本倖生、渡邊啓佳【法大】島田春人、菅原太一
明治大 1(1-1/0-0/0-0/0-0/5PK4)1 亜細亜大
得点者)【明大】安部僚馬【亜大】内山開翔
順天堂大 1(0-1)2 産業能率大
得点者)【順大】松本琉雅【産能大】保竹駿斗、日隠 ナシュ 大士
駒澤大 1(0-0)0 東京農業大
得点者)【駒大】小林栞太
専修大 0(0-1)1 東洋大
得点者)【東洋大】髙橋輝
早稲田大 2(2-2)3 國學院大
得点者)【早大】瀧澤暖、伊藤猛志【國學大】鈴木善、辻友翔、磯丈成
城西国際大 0(0-0)2 筑波大
得点者)【筑波大】野田愛斗、小林俊瑛
中央大 2(1-0/1-2/0-0/0-0/4PK3)2 山梨学院大
得点者)【中大】武本射雅、佐藤陽輝【山学大】村田智哉×2
明治学院大 0(0-0)1 東京国際大
得点者)【東国大】齋藤晴
東海大 0(1-0/1-2/0-0/0-05PK3)0 神奈川大
得点者)【東海大】堤陽輝、松橋啓太【神大】武笠隼季、藤田仁朗
城西大 0(0-1)3 日本体育大
得点者)【日体大】篠田大輝、井上斗嵩、志村海里
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