【柏レイソル】 瀬川・馬場・小見 3人の実力者がもたらす化学変化「2025Reysol Report Vol.11」
冬の移籍ならば、キャンプを通じて監督の意図を理解し、周囲との連携を深める準備期間があるのに対し、その時間がないシーズン途中の移籍は難しい。ただ、彼ら三人は細かな戦術の違いはあっても、前所属クラブでは自分たちが主導権を握る攻撃的なスタイルの中でプレーしてきた選手たちである。
「方向性としては昨年までのアルビレックスと似ているところもあるので、パニックにはならないですね」(小見)
「攻撃のところでの人の入れ替わりやスペースに入っていくところはコンサドーレと似ています」(馬場)
「フロンターレでパスもトラップも相当やってきたから、個人的に基準が上がって帰ってきた」(瀬川)
小見は「運ぶドリブルが個人的に得意なので、個で打開して状況を変えるというのは自分の強み」と自負するとおり、独特なテンポを持つドリブラーである。今季第14節のアルビレックスとの対戦でPKを決められたことが記憶に新しいが、2年前のルヴァンカップのレイソル戦でも、小見のドリブルは強烈なインパクトを放っていた。
馬場はコンサドーレでの経験もさることながら、もともと東京ヴェルディの育成組織出身とあって技術の習得レベルが高い。DFのため、守備力や球際の強さがストロングポイントであるのは当然だが「ワンタッチのプレーが得意なので、攻撃の選手への長短のワンタッチのパスを見せたい」と話す点からも、技術面の自信の高さがうかがえる。
そして瀬川にとっては、2021年以来約3年半ぶりのレイソル復帰だ。湘南ベルマーレとフロンターレで、彼は濃厚な経験を積み上げてきた。特に天皇杯優勝やACLエリート準優勝は、サッカー選手の誰もが経験できるわけではない。そんな稀有な経験値を持つ瀬川は、これからレイソルがタイトルを狙う上で不可欠な存在になるはずだ。
「1週間で溶け込んで良いプレーをするというのは簡単ではありません。にもかかわらず、三人ともチームのプレーに適応しようと努力していた姿が見て取れたことは高く評価しています。チームへの適応は、時間が解決してくれると思います」(リカルド・ロドリゲス監督)
選手層が厚くなり、これからポジション争いはさらに激化。その競争からチーム力の底上げが期待できる。馬場、小見、瀬川、実力ある彼ら三人は、レイソルにどのような化学反応をもたらしてくれるのだろうか。
【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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