【柏レイソル】 瀬川・馬場・小見 3人の実力者がもたらす化学変化「2025Reysol Report Vol.11」

柏レイソル
チーム・協会
 今年はFIFAクラブワールドカップ2025開催により、出場クラブのサッカー協会には6月1日〜10日までの特別移籍期間が設けられた。そしてこの期間にレイソルには、北海道コンサドーレ札幌から馬場晴也、アルビレックス新潟から小見洋太、川崎フロンターレから瀬川祐輔、三人の新戦力が加わった。

 冬の移籍ならば、キャンプを通じて監督の意図を理解し、周囲との連携を深める準備期間があるのに対し、その時間がないシーズン途中の移籍は難しい。ただ、彼ら三人は細かな戦術の違いはあっても、前所属クラブでは自分たちが主導権を握る攻撃的なスタイルの中でプレーしてきた選手たちである。

「方向性としては昨年までのアルビレックスと似ているところもあるので、パニックにはならないですね」(小見)
「攻撃のところでの人の入れ替わりやスペースに入っていくところはコンサドーレと似ています」(馬場)
「フロンターレでパスもトラップも相当やってきたから、個人的に基準が上がって帰ってきた」(瀬川)

川崎から加入のMF瀬川祐輔は3年半ぶりのレイソル復帰 【©︎KASHIWA REYSOL】

 加入して間もないが、古賀太陽に三人と一緒にプレーした感覚を聞いてみても「(前所属クラブと)共通する部分はあると思うので、ちょっとした違いでも順応してくれるだろうし、心配はしていない」と前向きなコメントを残している。

 小見は「運ぶドリブルが個人的に得意なので、個で打開して状況を変えるというのは自分の強み」と自負するとおり、独特なテンポを持つドリブラーである。今季第14節のアルビレックスとの対戦でPKを決められたことが記憶に新しいが、2年前のルヴァンカップのレイソル戦でも、小見のドリブルは強烈なインパクトを放っていた。

 馬場はコンサドーレでの経験もさることながら、もともと東京ヴェルディの育成組織出身とあって技術の習得レベルが高い。DFのため、守備力や球際の強さがストロングポイントであるのは当然だが「ワンタッチのプレーが得意なので、攻撃の選手への長短のワンタッチのパスを見せたい」と話す点からも、技術面の自信の高さがうかがえる。

 そして瀬川にとっては、2021年以来約3年半ぶりのレイソル復帰だ。湘南ベルマーレとフロンターレで、彼は濃厚な経験を積み上げてきた。特に天皇杯優勝やACLエリート準優勝は、サッカー選手の誰もが経験できるわけではない。そんな稀有な経験値を持つ瀬川は、これからレイソルがタイトルを狙う上で不可欠な存在になるはずだ。

新潟から加入したFW小見洋太 【©︎KASHIWA REYSOL】

 前節のヴェルディ戦では、三人は途中出場でレイソルデビューを飾った。それぞれ出場時間に違いはあっても、瀬川は試合終了間際にビッグチャンスがあり、その瀬川のチャンスにつながるインターセプトは、トランジションの瞬間、中盤での馬場のボールカットから生まれた。小見も細谷との連携から背後へ抜け出し、シュートに行くシーンを作っている。加入直後のプレーにしては、三人とも上場の出来だと言っていいだろう。

「1週間で溶け込んで良いプレーをするというのは簡単ではありません。にもかかわらず、三人ともチームのプレーに適応しようと努力していた姿が見て取れたことは高く評価しています。チームへの適応は、時間が解決してくれると思います」(リカルド・ロドリゲス監督)

 選手層が厚くなり、これからポジション争いはさらに激化。その競争からチーム力の底上げが期待できる。馬場、小見、瀬川、実力ある彼ら三人は、レイソルにどのような化学反応をもたらしてくれるのだろうか。

【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤

札幌から加入したDF馬場晴也 【©︎KASHIWA REYSOL】

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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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