【浦和レッズ】いざ開幕!FIFAクラブワールドカップ2025 グループステージ対戦チーム情報と勝利のカギは?~CAリーベル・プレート編~

浦和レッドダイヤモンズ
チーム・協会

【©URAWA REDS】

 世界中のトップクラブが一堂に会し、世界一の座を競う、クラブサッカーの最高峰『FIFAクラブワールドカップ』が6月15日にいよいよ開幕する。

 今大会よりナショナルチームのワールドカップと同様、4年に1度開催される新フォーマットへと移行。さらに、参加クラブ数は従来の7クラブから32クラブへと拡大した。賞金総額も大幅に増額され、アメリカの地で過去最大規模の世界一決定戦が繰り広げられる。

 大会方式はグループステージ上位2クラブがラウンド16に進出。

 グループリーグにて、CAリーベル・プレート(アルゼンチン)、インテル・ミラノ(イタリア)、CFモンテレイ(メキシコ)の3クラブと決勝トーナメント進出をかけて戦う浦和レッズは6月6日(現地時間6月5日)には現地に入り、6月18日(午前4時キックオフ)のグループステージ初戦に向けて、入念に準備を進めている。

【©URAWA REDS】

 大会に臨むにあたり、やはり気になるのは対戦クラブの現況。1戦目で顔を合わせるアルゼンチンのCAリーベル・プレートは現在、どのような状況なのか。大会前の雰囲気、チーム事情などをアルゼンチンサッカーに精通するブエノスアイレス在住のライター、藤坂ガルシア千鶴さんにオンラインで直接聞いた。

【.】

 CAリーベル・プレートは言わずとしれたアルゼンチンの名門クラブ。1986年にトヨタカップ(インターコンチネンタルカップ)を制して世界王座に就き、南米クラブ王者を決めるコパ・リベルタドーレスでも4度の優勝を誇る。日本で開催されたFIFAクラブワールドカップ2015では準優勝しており、日本のサッカーファンにも馴染深い。熱狂的なファン・サポーターもつと有名。首都ブエノスアイレスから約1万8000km離れた日本まで応援団が大挙し、当時も大きな話題になった。アメリカ開催の今大会は、どれくらいのファン・サポーターが押し寄せるのだろうか。

 「アメリカに住んでいるアルゼンチン人も多くいますから、かなりの数のリーベル・サポーターがスタジアムに集結すると思います。それに加えて、ブエノスアイレス在住のサポーターも足を運びます。アルゼンチンのサッカーファンは、世界のどこまでも追いかけていきます。ただ、アルゼンチンからアメリカに入国するためにはビザが必要で、取得するまでに時間がかかるんです。クラブワールドカップの出場が確定した時点で、ビザの手続きを始めた人たちもいるみたいですが、どれくらいの人たちが渡米するのかどうか。正確には把握できていません。なかには、来年のFIFAワールドカップ2026(アメリカ・カナダ・メキシコ大会)も見越している人たちもいるみたいですけどね(※アメリカビザの有効期限は、一般的に5年または10年)」

 リーベル側もファン・サポーターのクラブワールドカップ熱は一様に高いようだ。すでにレッズの情報もファンサイトで共有されているという。6月1日の横浜FC戦後、壮行会でファン・サポーターが盛り上がっている姿も話題になっていた。レッズのチーム事情については、リーベルの番記者を通じても、伝えられている。

 「3人のブラジル人選手は、紹介されていました。ひと昔前のように日本のチームだからなめている雰囲気はないですね。近年は日本代表のワールドカップでの活躍もあり、知らない人はほとんどいません。実際、リーベルは2015年大会でサンフレッチェ広島に苦戦していますし、メディアを含めて、レッズにはかなり用心している感じがあります」

【©URAWA REDS】

 リーベルのチーム自体が今季、盤石の強さを発揮しているわけではない。6月1日に閉幕したアルゼンチンの前期シーズンはプレーオフトーナメントの準々決勝でプラテンセに敗れ、タイトルに手が届かなかった。昨年途中、約2年ぶりに復帰したマルセロ・ガジャルド監督が率いているものの、思うようにチームづくりは進んでいない。

 「本来、ガジャルド監督のチームは堅守がベースにあるのですが、(2度コパ・リベルタドーレスを制した)第1期目のときと比べると、守備が不安定です。そして、得点力不足も課題。大一番で点が取れずに前期シーズンも負けましたので。リーベルの番記者は、『(攻守両面で)まだ完全に機能していない』と指摘しています。その原因の一つは、右サイドバックを務めるアルゼンチン代表ゴンサロ・モンティエルの負傷離脱です。クラブワールドカップの開幕までには間に合うと言われていますが、回復具合は気になるところ。あと、前線の選手に好不調の波があります。典型的な9番タイプのセバスティアン・ドリウッシは点を取り始めたかと思えば、パタリと止まってしまいました。前体制ではコロンビア代表のミゲル・ボルハが得点源だったのですが、ガジャルド監督になってからはジョーカー的な存在になっています」

 リーベルの基本フォーメーションは4-3-1-2。対戦相手に応じて、4-3-3で戦うこともある。A代表に初選出されたばかりのフランコ・マスタントゥオーノがトップ下に入り、攻撃の中心を担う。2トップはドリウッシ、ファクンド・コリーディオ。3トップを採用するときはコリーディオが左ウイング、マスタントゥオーノが右ウイングへ。中盤は35歳のナチョ・フェルナンデス、39歳のエンソ・ペレスがどっしり構え、ケビン・カスターニョ、ジュニアーノ・ガロッポらがサポートしている。

 「リーベルの生命線は守備です。モンティエルと左サイドバックのマルコス・アクーニャがしっかり機能すれば、リーベルは強いと思います。2人ともアルゼンチン代表で、カタールワールドカップの優勝メンバーです。心配の種はセンターバック。チリ代表のパウロ・ディアスは怪我から戻ったばかりで、まだ本調子ではありません。万全で臨めるかどうかは、一つのカギになるでしょう」
 初戦でぶつかるレッズにとって、最終ラインに不安を抱えているのはチャンスかもしれない。代表クラスの名前が並ぶものの、モンティエルとディアスは怪我明け。仮にフィットネスが万全でなければ、運動量とスピードあふれるアタッカー陣の腕の見せどころ。松尾佑介、金子拓郎、マテウス サヴィオの切れ味鋭いドリブル、渡邊凌磨のダイナミックなフリーランニングで局面を打開していきたい。戦略がはまれば、浦和にも十分に勝機は見えてくる。リーベルの弱みを知る藤坂さんは言う。

 「試合開始から浦和がプレッシングを掛け続ければ、勝つ可能性は高まると思います。かつてのガジャルド監督のチームはたとえ先制されても、後半に巻き返して勝つこともあったのですが、今季はリズムを崩すと、そのままずるずるいくこともあります」

 狙い目はビルドアップの乱れ。リーベルは自陣から組み立て、ポゼッションを重視して戦っているものの、安定感に乏しいのだ。思わぬミスが出ることもある。

【©URAWA REDS】

 「中盤に入る新加入のジュリアーノ・ガロッポは、期待されているほどの活躍は見せられていません。結局、ベテランのペレス頼みになっています。浦和としては、まずここを抑えないといけないと思います」

 ペレスからマスタントゥオーノへのホットラインを断ち切りたい。レッズのトップ下に入る選手のハイプレスは肝になりそうだ。ただ、警戒すべきポイントは不要なファウル。

 「セットプレーは、リーベルの大きな武器です。マスタントゥオーノのキックからは多くのゴールが生まれています。ゴール中央付近は特に危険。まだ17歳ですが、元フランス代表のティエリ・アンリがメディアの取材で、バルセロナのスペイン代表ラミン・ヤマルと並び称していたくらい逸材です。パリ・サンジェルマンが獲得に動くという報道も出ていましたが、それくらい世界的に注目されている一人なのは間違いないでしょう」

 そして、最も怖いのはリーベルのモチベーションの高さ。FIFAクラブワールドカップに懸ける思いは相当なものがある。1989年からブエノスアイレス在住している藤坂さんは言葉に力を込める。

 「アルゼンチン人は、どんな大会であっても必ず本気で臨みます。タイトルの数には大きなこだわりを持っていますから。一つでも増やしたいと思っているんです。当然、ファン・サポーターの期待も大きいですし、メディアも厳しい目で見ています。今回、成績を残せなければ、かなり叩かれると思います。選手、監督には大きなプレッシャーがかかっているはずです。リーベルは優勝して当たり前のクラブ。前期シーズンで結果を残せず、物足りなさを指摘されているなか、クラブワールドカップの初戦を落とすわけにはいきません」

 レッズからすれば、2戦目のインテル・ミラノ以上に手強い相手かもしれない。無論、それだけ勝利にも価値が出てくる。世界を驚かせる格好の舞台になるはずだ。

【©URAWA REDS】


(取材・文/杉園昌之)


【藤坂ガルシア千鶴】
1989年よりブエノスアイレス在住。サッカー専門誌、スポーツ誌等にアルゼンチンと南米の情報を執筆。著書に「マラドーナ新たなる闘い」(河出書房新社)、「キャプテンメッシの挑戦」(朝日新聞出版)などがあり、2022年には「ディエゴを探して」(イーストプレス)でサッカー本大賞を受賞。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1950年に中日本重工サッカー部として創部。1964年に三菱重工業サッカー部、1990年に三菱自動車工業サッカー部と名称を変え、1991年にJリーグ正会員に。浦和レッドダイヤモンズの名前で、1993年に開幕したJリーグに参戦した。チーム名はダイヤモンドが持つ最高の輝き、固い結束力をイメージし、クラブカラーのレッドと組み合わせたもの。2001年5月にホームタウンが「さいたま市」となったが、それまでの「浦和市」の名称をそのまま使用している。エンブレムには県花のサクラソウ、県サッカー発祥の象徴である鳳翔閣、菱形があしらわれている。

当サイトには一部アフィリエイトリンクが含まれています。

リンクから商品・サービスをご購入いただいた場合、スポーツナビに収益が発生することがあります。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント