未曾有の盛り上がりを見せるBリーグファイナル第1・2戦をレビュー、そして3戦目をプレビューしてみました【B MY HERO!】

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意地と意地とのぶつかりあい! 今年のファイナルは第3戦までもつれた 【(C) B.LEAGUE】

 連日の横浜アリーナの満員、それぞれのホームコートでのパブリックビューイング、NHKや民放をはじめとするブロードキャストの総量、XなどSNSでの盛り上がりと、未曾有の盛り上がりを見せている今シーズンのBリーグチャンピオンシップファイナルは、ここまでバックトゥバックの2連戦を終えて、なお終わることはありませんでした。

 B MY HERO! 特派員の一員で、バスケットボールコメンテーターの朴航生です!

 セミファイナルという2つの山を登り、僅かに一つのクラブのみが登れるその頂に挑戦するために宇都宮ブレックスと琉球ゴールデンキングスがGAME3を共に掴み取りました。そして、ファイナルでも同様にまだこの両者に結論を付けるには早いと、バスケットボールの、Bリーグの神様もまだこの闘いを見ていたいと、勝負はまさに”WIN THE DAY”、「今日を勝つ」のみとなるGAME3へと進むことになりました。

 バスケットを全く見ないという人が、老若男女問わず、もし今回のGAME1・2をふとした瞬間に目にしたとしたら、思わず目を離せず最後までその行方を見てしまうような、迸る熱量を感じる2連戦でした。

GAME1・GAME2をスタッツで振り返り

 共に、『Xファクター』と言われる部分がピックアップされた中でのそれぞれの勝利となりましたが、まずはGAME1から振り返ってみます。

 スタッツ上で、個人の部分ではまず宇都宮の小川敦也選手が琉球にとって大きな脅威となりました。レギュラーシーズンでは34.6%の3PTが、チャンピオンシップ(以下CS)に入ってからは41.2%となっています。

 しかし、セミファイナル終了時は2/9(22.2%)だったことを考えれば、スピードがありペイントをこじ開ける力のある彼に対して琉球がチームとしてアンダーを選択することは至極当然な話でありました。ただ、その相手の策に対してGAME1の出だしからリズムを掴むことで2日間で5/8(62.5%)と脅威的な確率で3PTを沈め、その結果として彼のリムへのアタック力をより増幅させることに成功しています。

 ただ、それが試合の結果に繋がったGAME1、そうはならなかったGAME2となりました。チームスタッツで見てみると、GAME1では宇都宮がターンオーバー(以下TO)を8本に対してアシストが24本、結果としてチームでの3PTが16本となり、さらに琉球のTO14から15得点を挙げることで、試合を通して琉球の強みのオフェンスリバウンドとセカンドチャンスポイントを許しても、4Qで一度も2桁のリードを崩されることはありませんでした。今季の宇都宮の強さ、コートのどこからでも誰からでもアウトサイドを決めれるという強さを見せつけたGAME1だったように感じました。

Xファクターというよりも主力として活躍する宇都宮の小川敦也 【(C) B.LEAGUE】

 そして迎えた2日目も、2Qに小川選手のキャッチアンドショットの3PTを皮切りに15点のランを作り宇都宮が最大で14点のリードを奪う中ではあるものの、前日とは違って琉球がそのQの内に1桁までリードをカットして後半に進みました。琉球はそのQの残り6分弱あたりで前半最後のタイムアウトのカードを切ります。しかしながら宇都宮のランの流れをその直後は抑えきれなかったものの、オフィシャルタイムアウト、そしてそこからの前半の残った時間をコート上の選手が一つずつ、積み上げていく様はセミファイナルの三遠ネオフェニックス戦のGAME2での戦いっぷりを見ていたファンが思い出すのも容易だったのではないでしょうか。

 やるべきこと、チームの強みは何なのか、そこへのまるで強い信仰のようにも感じる脅威的な集中力と遂行力はリードを保っていた宇都宮にとっても脅威に感じたのではないでしょうか。特に個人的に印象的だったのは、残り2分29秒の琉球がヘッドコーチチャレンジを使った小野寺祥太選手のロングルーズボールへのフロアダイブのシーンでした。負けたら終わりという状況で、プレーヤーとして一つのボール、一つのポゼッションに対してどう向き合うのか、本当に素晴らしい瞬間だったように感じました。

 そして琉球は前日に致命的にも思えたTOをこの日も前半、特に2Qで6つ犯してしまいながらも、後半は僅かに3つに抑えることで、見事な逆転勝利に繋げることに成功しました。その裏には、もちろん冒頭でのXファクターと呼ばれる存在となった荒川颯選手のステップアップは大きかったですし、彼の前半終了時のブザービーターはプレーすることができない岸本隆一選手が乗り移ったような瞬間でした。

琉球のGAME2勝利に貢献した荒川颯 【(C) B.LEAGUE】

 2日間の合計スコアは宇都宮156−155琉球(81‐68、75-87)で僅かに1点のみの違いという中で、琉球がセミファイナルで経験した三遠戦ではGAME2終了時点で二日間の合計が同点、GAME3のオフィシャルタイムアウトの時点で三日間の両チームの合計スコアが僅かに1点差という、史上類を見ない壮絶な斬り合いでしたが、もしかするとこのファイナルはそれを簡単に覆すような展開を最後まで見せてくれるかもしれません。両クラブのファンとしては、もちろん願うは優勝の二文字ですが、このCS、そしてファイナルという特別な試合の中で進化を見せ、お互いの張り巡らせる策略を打ち砕く両チームの様はどこまでも、いつまでも見続けていたいと思わせてくれるものです。

迫力満点のゴール下の攻防 【(C) B.LEAGUE】

『Xファクター』になり得るのは誰か?

 第3戦の展望を私が何かしらの形で語るのも非常に陳腐に感じていますが、いくつかのポイントを整理させていただきます。

 まずはお互いの強みで、ここは打ち消せれば大いに勝利に近づきますが、どちらもプライドをかけて行うべき部分であり、そう簡単には打ち消すことはできない部分です。宇都宮は洗練されたフロアバランス、全てのラインナップでどのポジションからでも打てる3PT、そこが一つでも決まりだせば一気に動き出す流麗なボールムーヴメントが始まりますから、休息日のスカウティングと脚力の回復はGAME1の再現を行うには充分な時間となるでしょう。

 対して、琉球は攻守両面でのリバウンド、特にペイントアタックの際に発生するオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスや、さらに派生するファウルドローは、桶谷大HCも称するようにアンダードッグという立ち位置から、中一日のある今回のGAME3では史上最高のフィジカル強度をもって遂行するでしょう。

 次に決定的な要素になりかねないのはTOです。特に瞬間的に集中力を欠いたような質のものは、ゲームのモメンタムを決めかねませんから、致命的になるでしょう。そこから更に得点に繋げることで得る大きな流れを試合を通して複数回掴むことができれば大きく勝利に前進するのは間違いありません。

比江島慎が宇都宮を頂点に導くか 【(C) B.LEAGUE】

 さらに、個人的に今季のCSで注目していたのは、チームとしてのコーナー3の決定率ですが、GAME1は宇都宮が4/6(66.7%)、琉球が1/6(12.5%)で、GAME2では宇都宮が3/8(37.5%)、琉球が3/4(75.0%)とそれぞれ勝利した方がより高確率で決めており、チームで崩したオープンショット、追い込まれたタフショット、どちらのシチュエーションも試合の中では起こるコーナーショットをより効果的に沈められるかも一つのポイントになるかもしれません。

 最後に、“Xファクター” という冒頭でも挙げた言葉ですが、ある試合において相手の想像を超えて活躍をした選手という形で捉えている方も多いと思います。この言葉には『特別な・未知な才能や性質』という意味もあります。ここまでの展開から、まだ未知な部分が出てくるのか?とも思ってしまいますが、宇都宮の小川選手や琉球の荒川選手はもちろんですが、個人的には琉球の脇真大選手のようにCSを通してその特別な才能をより大きく輝かせている選手をはじめとし、今季Bリーグ最後の試合となるファイナルのGAME3という舞台で大きく輝く選手とその才能こそが、本当の意味での”X ファクター”となりえるのかもしれません。

 今季の全てが決まる、5月27日はまさに”WIN THE DAY”と銘打ったCSのファイナルにふさわしい1日になるでしょう。

さらなる進化を見せてくれそうな琉球の脇真大 【(C) B.LEAGUE】

朴航生(B MY HERO!特派員)

【(C) 朴航生】

岡山学芸館高校を卒業後、アメリカ留学を経て、SHIZUOKA GYMRATSの一員としてABAへ参戦。帰国後bjリーグトライアウトの門を叩き、現B1の島根スサノオマジックへ入団、2シーズン在籍した。その後、Bリーグ開幕に伴いご縁を頂き、現在はバスケットボールコメンテーターとして島根のホームゲームを中心に奮闘中。ホーム、アウェーを同様に解説する姿勢、わかりやすい戦術解説に多くのファンを持つ。

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