ハンドボール関西学生春季リーグ 大阪体育大学男女が偉業V 女子22連覇、男子V85
女子・GK比嘉楓 「15失点以内の目標達成できず悔しい」
前人未到のインカレ連覇記録は昨年、「11」に伸びた。「連覇」の2文字は4年生にとって重圧でもある。昨年も正GKを務めた比嘉は「去年はエースの石川空さん(北國ハニービー石川)がいたが、今年は最上級生として自分たちが積極的に行かないといけない」と気を引き締める。
一方で「連覇はプレッシャーだが、楽しみでもある」と話す。「重圧も含めて連覇に向けた思いや気持ちは体大でしか味わえない感覚。後輩につなげていきたい」
沖縄県沖縄市出身。沖縄はハンドボールが盛んで、姉の影響で小学2年からハンドを始め、小学4年からGK。那覇西高校ではインターハイで準優勝し、U16、U18日本代表に選ばれた。
毎年選手が入れ替わる学生スポーツにあって、なぜ大体大は連覇を継続できるのか。もちろん日本代表監督を兼任してきた楠本監督の手腕は大きいが、比嘉は「勝ちたい気持ちの強さ」だという。「みんなの勝ちたい気持ちが強く、練習から目標が一つになっているのが大きい」。練習では楠本監督がいない時でも、一つミスがあったら、なぜそのミスが生まれたのかを選手全員で突き止める。全国から有力な選手が集まり、しのぎを削る練習に、比嘉は「毎日が怖い。1年生がどんどん伸びてくるので、いつもヒヤヒヤしながら練習している」と苦笑する。
一方で、5月末からの3週間は、母校の沖縄市立美東中学での教育実習のため、練習から離れる。練習と教育実習の両立も、教員を多数輩出してきた大体大の各クラブの伝統だ。
GKの魅力を、比嘉は「チームの雰囲気が下がっている時でも、自分がダイナミックなセーブを1本決めたら、雰囲気を一気に盛り上げられるところ」と話す。
連覇に向けて、「選手が後ろをみたら安心感を持ってもらえるようなキーパーになりたい」と意気込んだ。
男子・東藤大成主将 「インカレV向け、ディフェンス立て直す」
昨年は全日本インカレで準優勝。十分に誇れる結果だが、「悔しい思いの方が強い」と7年ぶり11回目のインカレ優勝を見すえる。昨年は荒瀬廉(豊田合成ブルーファルコン名古屋)が絶対的なエースだったが、今年はいない。「チーム全体でハンドボールをして、小さいけれど守って走るチーム」を目指す。
香川県高松市出身。中学からハンドボールを始め、香川中央高校ではインターハイベスト8。田中潤監督の母校で、先輩の多くが進んだ大体大に進学した。
大学では、コーチ教育コースで、監督の下川真良講師のゼミに所属する。授業では、スポーツ心理学がアスリートとしての成長に役立ったという。JOC科学サポート部門員として長年、オリンピックで日本代表選手の心理サポートにあたった土屋裕睦教授から代表選手の話を聞き、「オリンピックで勝ってきた人の言葉を聞け、とてもプラスになった」と話す。
「キャプテンらしくチームを鼓舞し、今日のような悪い雰囲気でも立て直せる主将になりたい」。インカレに向けて気を引き締める。
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