<国内男子ゴルフ>蟬川泰果が3週遅れの開幕戦。アメリカで骨折、マキロイを励みに
第65回「中日クラウンズ」
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参戦が3週も遅れたのは当初、主戦場に定めていた米二部コーンフェリーツアーで肋骨3本を骨折したため。
「爆風でのラウンドだったり、地面の硬さだったり、飛行機で30時間以上移動したり…」と、原因は様々考えられるが、4戦目の2月、コロンビアでついに限界が来た。
「1600メートル以上の高地で、いつもより振れてしまったのかな」。
1ラウンド目の7番ホールで棄権をした際は、人目もはばからず大泣きしてしまった。
そのまま撤退を余儀なくされ、「あんなに悔しくて泣いたのは初めてくらい」と、傷心の帰国。
すぐに病院にかかったが、痛みの原因はしばらくつきとめられなかった。
病院を何軒もはしごし、神頼みのお祓いも受け、ようやく地元兵庫の名医にあたったのは3月も過ぎていた。
治療につとめて丸1か月。
2週前にやっとクラブが持てるようになったが、「雨の日や、スイング動作の時にまだ痛い」と当初、復帰は来月の地元「関西オープン」をめどにしていたそうだ。
しかし男子ツアーが開幕し、「東建ホームメイトカップ」の同週には、マスターズも開催。
「マキロイのすごいプレーを見ていたら、すごく試合がしたくなった」と、前倒しを決断。
復帰戦となった今週のプロアマ戦が、骨折後の初18ホールといい、「自宅で練習したときの手応えはすごく良かったが、これだけ仕上がっているグリーンやフェアウェイやラフでとなると、まだまだ準備不足だなと感じる」と正直に明かすが、「やっぱり試合でしか吸収できないことも多いので。明日からまたいっぱい勉強できるんじゃない」と期待している。
「アメリカに行ったときは調子悪いな、上手くいかないな、と思っていたけれど。もともとのレベルが足りてなかったことに気がついた。悪いときでもまとめるゲーム作りなども発展途上だった」と、自分を見つめなおすきっかけにもなった。
骨折直後は歩行も困難で、ゲームや読書で紛らわせる日々はつらかったが、昨年結婚した奥様と自身の実家を行き来し、花見をしたり、会食したり「食べ過ぎて。一時は体重84キロいきました」と、幸せ太りもよい慰めに。
家族の存在も支えに、3週遅れで迎えた2025年初戦。
「もちろん優勝や、賞金王という目標はあります。でも、今週は完走を目標に。まずは予選通過がしたいです」。
そろりと踏み出す。
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