激動の乱気流シーズンを乗り越え、千葉ジェッツ8大会連続8回目のCSへ【B MY HERO!】

B MY HERO! 特派員
チーム・協会

いろんなことがあった2024−25シーズンを振り返ります 【(C) B.LEAGUE】

 皆さま、こんにちは! B MY HERO!特派員、千葉ジェッツブースターのJIROです。今シーズン4回目のB MY HERO!コラムを書かせていただきます。え?もう僕のコラムは飽きました? 毎回似たような内容で申し訳なさがありつつも、今回はここまでの道のりとチャンピオンシップまでたどり着いた千葉ジェッツの“今”を書かせていただきますので、ちょっと長くなるかもしれませんが、しばしお付き合いください。

 2024-25シーズンも気がつけばもう最終節の2試合を残すのみ。千葉ジェッツは東地区で2位に位置しチャンピオンシップ進出を決めています。思えば開幕前は渡邊雄太選手の加入などもあり “ぶっちぎり優勝候補”なんて言われ方もしました。開幕節の宇都宮ブレックス戦に連勝、ホームゲームでも強さを見せていました。しかしシーズン通してケガ人が続出。思うようにメンバーが揃わない状況でシーズンが進み、一時はチャンピオンシップ出場も危ういのでは?と思われた時期もありました。そんな激動の乱気流シーズンを振り返りながら、チャンピオンシップに向けて思いを綴ってみます。

Influence

ジェッツを選択して、初めてCSでプレーする渡邊雄太 【(C) B.LEAGUE】

 今シーズンを振り返る上で、渡邊雄太選手の存在はとてつもない影響を与えてきました。シーズン前にはNBAからBリーグ参入を表明したことで争奪戦に注目が集まり、多数のチームが手を上げる中、結果的に千葉ジェッツを選んでくれました。千葉ジェッツの名は全国メディアで流れ、一気にナショナルチームに。もちろん人気だけではなくチームにもたらすものがたくさんあり、得点やリバウンド、トランジションの速度やディフェンスの部分も強化されたと思います。しかしながら本人は序盤に足首を、さらに肩の脱臼、そしてふくらはぎとケガに苦しみ、思うようなプレーができていない部分もあり、期待値が高い分フラストレーションも溜まったと思います。それでも会場に帯同すれば笑顔でファンに手を振り、チームを鼓舞している姿を何度も見ました。

 そんな姿を見てふと、渡邊雄太の存在ってなんだろう? と考えたこともありました。

 そこで、これはあくまでも僕の持論(強調)ですが、彼はBリーグ史上最高のロールプレーヤーなんじゃないかなって思いました。思えば6シーズンで4チームを渡り歩き、一番輝いていたブルックリン・ネッツ時代、ケビン・デュラントやカイリー・アービングというNBAのスーパースターと共闘した中で自らの仕事を見つけ、結果を残したのは、その順応性の高さがあったからこそだと思います。

 きっと彼は、たとえ自分が0得点に終わって良いプレーができなくても、チームの勝利が一番の喜びだと感じているように見えます。勝利のためなら汚れ役でも専念する渡邊くんは、その気になればエースにもなれる変幻自在のロールプレーヤーなんじゃないか、というのが僕の個人的な見解です。

 オールスター明けくらいから、千葉ジェッツの環境にも千葉ジェッツブースターにも慣れリラックスした姿が垣間見える渡邊くん。正直言って最初は、どこか他の選手と違う雰囲気がありましたが、ここ最近はブースターも親しみをこめて「雄太」と呼ぶ人も増えてきたと思います。チャンピオンシップでの活躍に期待していましたが、4月27日の秋田ノーザンハピネッツ戦でまたもや負傷退場…これを書いている現在、症状はわかりませんが無事を祈るばかりです。責任感強い選手なのですが、このチームには優れた選手はたくさんいるので、リラックスしてバスケットボールを“楽しんで”ほしいです。

SUN RISE

マーカス海舟が残したのはエナジーと“ジェッツ締め” 【(C) B.LEAGUE】

 今シーズンのジェッツは思うほどうまくいかない時間が続き、何度か選手の入れ替えもありました。インサイドの最重要選手であるジョン・ムーニーが12月にインジュアリーリスト登録となり、ジョナサン・ウィリアムスが緊急加入。徐々にチームにフィットし、献身的にインサイドで戦ってくれました。また、関谷間選手はスラムダンク奨学金で渡米が決まっており、3月をもってジェッツでの選手活動を終了。最後の試合で見せた6得点はポテンシャルの高さを証明しました。いつか大きくなって帰って来てほしいです。

 そして、このチームのムードメーカーとして欠かせない選手だった、トビンマーカス海舟選手が期限付移籍でB3の東京ユナイテッドへ。西村文男が「マーカスはチームの太陽」と言うように、チームにとってもブースターにとってもエネルギーをもらえる存在でした。ジェッツでのプレータイムは少なかったものの、フロアに立てばハッスルしエナジー全開でプレー。マーカスが移籍することが決まっていた広島ドラゴンフライズ戦、走り続けてきたマーカスが躍動する姿はブースターの胸を熱くさせました。

 マーカスが残したエナジーと、選手たちが困惑しながらもマーカス流を実践する“ジェッツ締め”は彼がいかに仲間から愛され、今でもチームとともにあるかの証拠だと思います。B1のバイウィーク期間中には千葉ジェッツの面々がマーカスの応援に行き、その期待に応えるように約13分の出場で20得点の大活躍を見せ勝利に貢献。非凡でないことも証明しました。どんな形でも人の心を引き付けられる事は才能だと思います。彼が残してくれたムードとエナジーはこれからも千葉ジェッツで生きていきます。たくさんのブースターが帰りを待っています。いつでも帰ってこい!頑張れマーカス!

希望と苦悩

東山高校からBの世界に飛び込んだ瀬川琉久 【(C) B.LEAGUE】

 今の千葉ジェッツを語るうえで欠かせない存在は、2025年に入りチームに加入を発表した瀬川琉久選手でしょうか。高校バスケットボールで大活躍し、スーパースターだった彼のその後の進路に注目が集まる中で、千葉ジェッツへの入団が発表されました。期待が高まる中「またジェッツか~」「なぜジェッツ?」「出場機会ないでしょう!」などネガティブな反応があったのも事実です。若干18歳、高校卒業もしていない段階で、「日本代表クラスも揃うタレントリーなチームでチャンスがあるのか」「ハイクラス環境での練習参加が目的なのか」などの憶測が飛び交う中、琉久はそんな声を一蹴します。

 アウェーの地で迎えたファイティングイーグルス名古屋とのデビュー戦、フリースローで初得点を記録し緊張がとけたか、翌日のGAME2で能力を解放します。マッチアップしたベテランの並里成人選手のディフェンスをものともせず得点するなど、周囲を驚かせました。その後もフロアに立てば、水を得た魚のように躍動。多彩なスキルセットでBリーグの舞台でも実力を発揮しています。彼はこのチャンスをモノするためにマインドセットし途中加入でも臆することなくチャレンジを続けています。

 NBAではスパーズファンの僕が言うと、バイアスがかかっているように思われてしまいますが、琉久と同じ18歳でNBAデビューし活躍した、スパーズレジェンドのトニー・パーカーと琉久を重ねてしまいます。今でも渡米を視野に入れていると思うので、いつか世界最高峰の舞台で活躍する姿を見て「琉久は千葉ジェッツにいたんだぜ!」と自慢できる日を楽しみにしています。

シーズン終盤に存在感を示した小川麻斗(右)と金近廉 【(C) B.LEAGUE】

 一方で、成長に悩む選手もいます。金近廉選手は代名詞とされる“恋する放物線”の3ポイントを武器に昨シーズンの新人王に輝きました。しかし今シーズンは、大きな期待をされながらも、ルーキーイヤーよりも平均得点が1点近く落ちています。波がありシーズン序盤はディフェンスで苦しみ、思うほどプレータイムを得られない試合もありました。それでも今シーズンはここまで全58試合に出場し、3ポイントは4割近くの成功率を残しており、このシーズン終盤でチームを救う活躍も見せています。思い切りよく考えすぎずにどこからでもリムを狙い、スコアリングハンターとして爆発する姿をチャンピオンシップでも期待しています。

 小川麻斗選手も苦悩を抱えるひとり。昨シーズン見せた強気なオフェンスはシステムが変わったことで迷いが見え、嚙み合わない部分からミスに繋がり、シュートも思い切りが悪く、得意のディフェンスにも影響が出る悪循環が見えました。ブースターも心配しながら信じて応援していましたが、同じポジションの琉久の加入と活躍で比べられ、さらに自信を失った部分もあったかもしれません。ロスター外も経験した麻斗のその悩みは外側に漏れ伝わりました。ただ、麻斗にできることはたくさんあります。鋭いドライブもそう、アシストもそう、アグレッシブなディフェンスもそう、器用じゃなくていい、少ないプレータイムだからこそ出来る事、ただがむしゃらにアタックする姿を我々千葉ジェッツブースターは待っています。ピンポイント出場でも必ずそれが良い流れをもたらします。それはポジションが違えど、ベテランの荒尾岳選手が見せてくれているそれです。麻斗自身が語った「チャンピオンシップでは自分の力が必要だと思う」という言葉が間違いではないことを、僕らの目に見せ、心に響かせてほしいと思います。ジェッツブースターはいつでもどこでも“麻斗コール”の準備はできています。

 ケガから待望の復帰を果たすも再びケガで離脱してしまった二上耀選手、プレータイムを得られるようになったが怪我をしてしまった菅野ブルース選手、彼らも悔しい気持ちを抱えていますが、最後まで千葉ジェッツの一員としてともに戦い続けてくれるでしょう。

 アクティブな若手である瀬川琉久、金近廉、小川麻斗の力はチャンピオンシップでも必要です。失敗しても助けてくれる先輩はたくさんいるので、それぞれの持ち味を思う存分発揮してほしいと思います。彼らが見せる若さゆえの期待と苦悩のカフェオレを、僕らは楽しみながら応援を続けます。

Max Thrust

(左上から時計回りに)ジョン・ムーニー、ディー・ジェイ・ホグ、マイケル・オウ、クリストファー・スミス 【(C) B.LEAGUE】

 今シーズンの乱気流の大きな要因はやはり、ジョン・ムーニー選手のインジュアリーリスト登録が大きく影響したでしょう。献身的スーパースターとも言われるムーンは、恐らく今でも痛みを抱えながらインサイドを守ってくれています。約2カ月のIL登録期間中はジョナサンも頑張ってくれましたが、平均でダブルダブルを記録しているムーンの代わりはいないと断言できるほど、千葉ジェッツに必要不可欠な存在です。もう少し頑張ってもらって、オフは体を休めながら奥様と素敵なバケーションを楽しんでほしいと思います。

 ディー・ジェイ・ホグもケガで離脱した選手のひとり。約1カ月、ムーンとホグがいない期間は「厳しい!」の一言でした。復帰後数試合は本来の調子が出ない試合もありましたが、このシーズン終盤では本来のシュートタッチを取り戻し活躍。彼がスターターに戻ってからの14試合は、平均20.9得点でチームをけん引し11勝13敗を記録。理不尽な活躍で勝利に導いてくれています。

 クリストファー・スミス選手はいつでも理不尽(笑)。外を警戒すればドライブ、ちょっとでも引けば打ってくるという、相手にしたら一番厄介な選手です。ムーンとホグがいない期間は体を張り、ディフェンスやリバウンドでも貢献してくれました。現にレギュラーシーズンではキャリアハイの平均4.7リバウンドをたたき出しています。そしてクラッチタイムでのパフォーマンスは言わずもがな。幾度となくチームを救ってくれています。4月19日のレバンガ北海道戦ではキャリアハイの41得点を挙げ、ほぼベンチスタートながら平均17.1得点はチームのリーディングスコアラーです。直近5試合は平均27.6得点を記録し7連勝の立役者です。

 千葉ジェッツ初のアジア枠、マイケル・オウ選手もこの終盤で徐々に持ち味を発揮。スクリナーとして体を張り積極的にリバウンドにからみ、随所でブロックも炸裂。ムーンを休ませることができる貴重なインサイドのバックアップです。ここ数試合は貢献度の±やEFEも上がってきており、得点だけではない部分でもゲームを安定させています。

 この4人の調子が上がってきた状態でチャンピオンシップに進めることは、ジェッツにとって好材料です。それぞれの個性が生きてチームとかみ合った時、勝利が見えてくるはずです。

梁と柱

千葉ジェッツを支える存在、荒尾岳(左)と西村文男 【(C) B.LEAGUE】

 この2人の存在はスタッツ以上に大きい。そう思わせてくれるのは、自らを超ミスタージェッツと称する西村文男選手と、チームの父的存在である荒尾岳選手です。ふたりはBリーグが始まる前のNBL時代から千葉ジェッツに在籍。岳は一度チームを離れましたが戻って来てくれました。文男はポイントガードとしてフロアビジョンに優れセンスあふれるアシストで仲間を生かし、自ら得意の3ポイントを射抜きます。岳は短いプレータイムでも体を張りディフェンスとリバウンド、スクリナーとしての優れた技術でインパクトを残し安定をもたらします。お互いに出場機会は減ってきましたが、文男は冷静に、岳は穏やかにコートで戦うチームメートを見守ります。

 そんなふたりはジェッツの骨格作りに貢献したと言っても過言ではないと、僕は思っています。文男は独特なリズムで得点とアシストを量産し、IQの高さと豊富な経験で見せるディフェンスは一級品です。岳は日本人ビッグマンとして体を張り続け、ディフェンスとリバウンドで貢献。その足腰の強さは外国籍選手とも渡り歩くほどです。文男が織りなす梁のようなプレーを柱のようにどっしりと岳が支える。それぞれの個性を組み合わせ、強固な物にする。そんなふたりの匠が作り出した支え合う骨組みは、伝統技術のように今も変わらず千葉ジェッツのカルチャーとして受け継がれています。チャンピオンシップでもふたりの経験が輝く瞬間があると信じています。

Funabashi

地元船橋生まれの同級生、原修太(左)と田代直希 【(C) B.LEAGUE】

 今シーズンの終盤で輝きを増したのは地元船橋で生まれ育った同級生のふたり、プロキャリア10年目を迎えた原修太選手と、今シーズン沖縄から地元に舞い戻った田代直希選手です。仲がいいのかそうでもないのか、わからないふたりですが、つかず離れずの距離感でそれぞれが良いキャラクターを発揮しています。

 原ちゃんは西村文男と富樫勇樹に並ぶフランチャイズプレーヤーです。決して華やかなキャリアのスタートではありませんでしたが、Bリーグが始まると徐々に頭角を現し、鍛錬で育てた体を武器に鋭いパワードライブと強固なディフェンスで貢献。難病を抱えながらも強度高くプレーする姿は見ているファンに勇気を与えます。富樫勇樹の長年の相棒で誰が相手でも“守ってやる”という気持ちの強い、Bリーグを代表するディフェンスマスターです。

 後輩のチームメートにも“たっしー”と呼ばせる田代は、シーズンを通しコミュニケーションを大切にして、チームの粋な兄貴的存在になりました。長年一つのチームで過ごし、むしろ琉球のフランチャイズプレーヤーなイメージすらあった彼は、“船橋のために頑張りたい”という気持ちで地元に帰ってきてくれました。中堅からベテランに差し掛かる世代でも、フロアに立てば攻めるようなディフェンスを見せ、ここぞという場面でコーナーから3ポイントをヒットさせます。

 現在、原ちゃんは58試合全てに出場、たっしーはシーズン序盤にコンディションの問題で不出場があったものの47試合に出場しています。特にこのシーズン終盤戦では、ふたりが出ている時間帯のディフェンス強度が上がり、ともに平均得点は一ケタなものの、それぞれが出場していた時間帯のチーム全体の得失点差を示す±の指数が高く、ディフェンスでバランスをもたらしていることがわかります。

 いつかどこかで聞いた「男は30歳超えると地元への思いが強くなるもんだ」なんて言葉を、ふたりを見ていると思い出します。地元船橋が生んだふたりのオールスタープレーヤーがディフェンスで相手を苦しめ守りきった時、チャンピオントロフィーのシルエットが見えてきます。

喜怒哀楽

思いのままに感情を隠さない富樫勇樹 【(C) B.LEAGUE】

 富樫勇樹、この名前を聞くと皆さんはどんなことを思い出しますか? クラッチタイムで決めた3ポイントの数々でしょうか? 時折苛立ちを隠さずプレーをする姿でしょうか? それとも、ファイナルで負けて悔しがる姿でしょうか…。これを書きながら少し思い出そうとしただけで、たくさんの姿が思い浮かびます。健康なかぎりシーズンをフル出場、ワールドカップやオリンピックでは日本代表のキャプテンも務め、ここ数シーズン休むことなく働き続けてきました。試合に出場した分だけブースターに“思い出”をくれるスーパースターは、Bリーグの顔であり続けるGOATです。そんな富樫くんはアルバルク東京戦で負傷退場。リプレーを見るかぎり相当な捻挫です。ケガの少ない富樫くんでも流石に痛かったと思います。

 富樫くんは、自分の姿がたくさんの子どもたちに勇気を与えていること理解してフロアに立っていると思います。その時も心配させないために担架や車椅子に乗らず、支えられながらも自らの足でロッカールームにさがった誇り高きスーパースター、富樫勇樹がそこにありました。

 診断結果は全治4~6週間。チャンピオンシップ目前でここ何年も無かった富樫不在の状況で不安が先行し心配されました。ただ、この緊急事態がチームをより強固なものにしているようにも見えます。

 当の富樫くんはきっと楽観的で、チームに帯同した試合では笑顔を見せ楽しそうに休みを満喫? ららアリーナで試合観戦を楽しんでいるようにも見えます(笑)。ただ、いつまでも休んでもらっちゃ困るんです!いつ戻ってくるか僕らにはわかりません。が、きっと何事もなかったかのように、チャンピオンシップで僕らを奮い立たせてくれる“富樫勇樹”を見せつけてくれると信じたいです。もちろん無理はせず。

 先日、ひょんなことから富樫くんと、僕の友人、そして僕の3人で少しだけNBAの話をする機会がありました。その会話の内容でも本当に富樫くんはバスケットボールが好きなんだと再認識しました。忙しいであろうにNBAまでよく見て、情報もしっかりキャッチしているな~と感心しました。そして僕らオッサンにも神対応してくれるこの気さくさ。

 おそらく日本で一番バスケットボールが好きなスーパースターです。

 早く戻って来てください。バスケできなくて暇でしょ?コートサイドに座っている姿は似合いません。だって試合終了後、ひとりだけ座っていた椅子を片付けないほど休み慣れてないのだから(笑)。

PRIDE

難しいシーズンを見事な手腕で乗り切ったトレヴァー・グリーソンHC 【(C) B.LEAGUE】

 今シーズン開幕前、ヘッドコーチ契約騒動で急遽千葉ジェッツの指揮を執ることを引き受けてくれたトレヴァー・グリーソン氏。おそらく全メンバーが出場できる状態で揃ったゲームは1試合もなかったくらい苦しい状況のチームを率いて、1年目にしっかりとチャンピオンシップ進出を決めたその手腕は、これまでの様々な経験があったからこそだと思います。徐々に選手たちに浸透したオフェンスシステムも、勝負どころで仕掛けるディフェンスも、この形が今の千葉ジェッツなんだと思わせてくれます。ファンにも優しく、選手を守り労いの言葉も忘れないグリーソン氏。単年ではなく数シーズンでチームを作り上げていく姿を、僕は見ていたいです。

 レギュラーシーズンもあと2試合。現状40勝18敗で東地区2位。8大会連続8回目のチャンピオンシップ進出を決めており、これはBリーグがスタートしてから琉球ゴールデンキングスと千葉ジェッツだけが続けている記録です。毎シーズン必ず8位以上に入り続けるというのは、“素晴らしい“の一言です。千葉ジェッツはこれまで地区優勝4回、天皇杯5回、昨シーズンはEASL(東アジアスーパーリーグ)を制覇。それでもBリーグのチャンピオンに輝いたのは一度きり…。このリーグを勝ち抜くことの難しさがわかります。

 4月27日の結果を受け、千葉ジェッツは今シーズン全体5位のスポットが確定。アウェーの地でアルバルク東京との決戦に臨みます。アルバルク東京とは今シーズン、天皇杯とレギュラーシーズンで3回対戦し全敗。しかしどれも接戦でした。苦しい時や押されている時、そんな時ほどブースターの声が選手の活力になると僕らは信じています。僕はほとんど行けませんがアウェーの地に声を響かせるジェッツブースターは、今やリーグ屈指のブースターだと思います。

 千葉ジェッツブースターはアウェーだろうと、大人しく黙り込むほど行儀よくできていません。ホームでもアウェーの地でも声で引っ張ってきた全てのジェッツブースターを、僕は尊敬し、いつも感動しています。

 ケガ人続出で思うように勝てず色々なことに耐えた今シーズン。ネガティブなテキストを何度も見ました。それでも諦めず、この波乱万丈なシーズンを、チームもブースターも全員が喜怒哀楽で過ごしてきたんだ。最後ぐらい最高の思い出を作ったっていいじゃないか。今は、そんな気持ちでいっぱいです。

 さぁ行けるところまで行こうぜ! 全ての出来事が、この瞬間のためだったんだと思える場所を目指して。

Let‘s Go CHIBA JETS!
Come fly with me.
Go JETS!

Kenichi JIRO Yoshii(B MY HERO!特派員)

【(C) JIRO】

1981年1月28日生
千葉ジェッツブースター、ジェッツブースターで結成されたバスケットボールチーム『ROCKS』の代表も務める。 いつかバスケットボールの新しい大会を開催し、街にバスケットゴールを増やすことを夢見ている小太りおじさん。
・趣味:ドライブ、飲み会、チェアリング
・お気に入りの選手:ショーン・エリオット(元サンアントニオ・スパーズ他)、デビン・ヴァセル(スパーズ)、荒尾岳(千葉ジェッツ)、小川麻斗(千葉ジェッツ)


Bリーグ公認応援番組「B MY HERO!」
毎週火曜日19時~スポーツナビとバスケットボールキングYouTubeで配信中!
詳細は関連リンクをチェック!
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

B MY HERO!は「あなたのヒーローを見つける1時間」をコンセプトにしたBリーグ公認の応援番組(毎週火曜18時~)です。番組特派員が推しクラブの模様やゲームの演出など、Bリーグの楽しみ方をレポートしていきます。

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント