「アイツが確立したいであろうメキシコと日本のプロレスを融合した“メヒポンスタル”のヒント、俺は試合を通していくらでもくれてやるけど、ベルトは持って帰らせない」4.29佐賀のテンプラリオ戦目前!“IWGPジュニア王者”デスペラードにインタビュー!

チーム・協会

【新日本プロレスリング株式会社】

4月29日 (火・祝)『レスリング肥前の国』佐賀大会にて、テンプラリオ選手の挑戦を受ける“IWGPジュニアヘビー級王者”エル・デスペラード選手に直撃インタビュー!

■『レスリング肥前の国』
4月29日 (火・祝) 16:00開場17:00開始
佐賀・SAGAアリーナ
※「ロイヤルシート」「2階指定席A」は残りわずかとなりました

※リンク先は外部サイトの場合があります

■コナーズとの試合を観てあれだけお客さんが熱くなってくれたっていうのは、俺はプロレスが持ってるパワーだと思ってる。

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――4.29佐賀『レスリング肥前の国』のメインで、テンプラリオ選手を相手にIWGPジュニアヘビー5度目の防衛戦について伺います。

デスペラード ハイ。お願いします。

――きっかけとなったのは4.4後楽園ホールでのテンプラリオ選手からのVTRメッセージですが、デスペラード選手はクラーク・コナーズ選手との死闘を制した直後だったこともあり、「あんないい男とさ、30分、いや40分近く、ボッコボコに殴り合ってたんだからよ、頭入るわけねえだろ、いま!」と返されていましたね。

デスペラード あれはテンプラリオには本当に申しわけなかったけど、すべてはタイミングの問題(笑)。でも、うれしかったのが、テンプラリオのVTRが流れはじめた瞬間の後楽園の反応で、「いまかよ!」じゃなくて、「オオッ!」ってなったことで。それをこっちとしてもうれしく思いつつ、身体中は痛いし頭は回らないし、それどころじゃなかったっていう。

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――そんな満身創痍となったコナーズ戦もあらためて振り返っていただきたいのですが、衝撃シーンの続出で超満員札止めの会場もどよめいたり、声を失ったりと、壮絶な戦いでした。

デスペラード やってるコッチもハードコアが持つエネルギーっていうのが、客席から伝わってきた。新日本のリングじゃ目新しい光景だったかもしれないけど、そもそも俺は試合前の会見でも言ったように、ハードコアっていうのはプロレスに内包されているものだと思ってる。ジェフ・ジャレットっていうレジェンドレスラーが「俺たちはハードコアがハードコアと呼ばれる前からこういうレスリングをやっていた」って言葉を残してるけど、まさにそのとおりだなって。

――今回の試合の中でとくに印象的なシーンは?

デスペラード あとで映像を見返してみて、コナーズが鉄柱で瓶を割ったところだな。あれがまた絵になって、悔しいけどカッコよかったもん。アイツにとって、この試合の“一枚”が決まったなって。

――たしかにバイオレンス映画のワンシーンみたいでした。

デスペラード バイオレンス=暴力だけど、俺は暴力っていうのはプロレスにとって大事なファクターだと考えていて、“ハードコア”って謳ってるなら、なおさらそこを避けて通っちゃいけないし、「そういうものが観られるの?」っていう期待感に会場が包まれてたなって思う。「あんなものは邪道だ」っていう人には「タイトルマッチでやってごめんね」とは思うけど、人の好みはそれぞれだから。あの試合を観てあれだけお客さんが熱くなってくれたっていうのは、俺はプロレスが持ってるパワーだと思ってる。

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――IWGPジュニアヘビーの歴史のみならず、新日本全体の歴史でも前代未聞のタイトルマッチだったというか。

デスペラード そもそもハードコアでやりたいって言ったのはコナーズなんだけどな(苦笑)。俺は新日本のリングで、ああいう試合をやりたいとは自分からは言わない。ただ、「やるんだったらやるし、やられたらやり返してやる」っていう気持ちと覚悟はある。

――あの試合形式を持ちかけたコナーズ選手の覚悟も、攻防の中で存分に感じられました。

デスペラード ハンパじゃなかったし、アイツも自信があったんだろうな。自分の中で殻を破りたいというのもあったかもしれないし。ヘンな話、アイツがハードコアを突きつけてきたときは「オマエだったらできるだろ?」って言ってもらってる気がして、コッチとしてはうれしかった。アイツなりのオファーというか。

【新日本プロレスリング株式会社】

――決闘のオファー、果たし状みたいなものですね。BC WAR DOGSの選手たちがそれぞれ活躍を見せる中、コナーズ選手も意地を見せたというか。

デスペラード まあ、オレも戦前は嫌味でアイツに「このままだと置いてかれるぞ?」って挑発したけど、実際はカケラもそんなこと思ってないし。パワーもスピードもケタ違いで、カッコよくてしゃべれて、(ドリラ・)モロニーとの連携もすばらしい。今回の試合を観て誰も置いてかれてるなんて思ってないはずだし、クラーク・コナーズはすごいプロレスラー、それは間違いない。

■テンプラリオもルチャの枠に収まらない戦いを身につけたいんだろうな。

【新日本プロレスリング株式会社】

――ここからはテンプラリオ選手について伺わせてください。先ほどVTRメッセージで観客が沸いたというお話がありましたが、これまでテンプラリオ選手が新日本に参戦したのは『CMLL FANTASTICA MANIA』と新日本の海外大会のみで、通常シリーズには上がっていないにも関わらず、期待値の大きさが感じられました。

デスペラード ハードコアを観にくるゴリゴリのファンの人たちだったからこそ、あの反応だったような気もするけど、いずれにしろテンプラリオにあらためて注目が集まったとは思う。

――そもそもテンプラリオ選手にはどのような印象をお持ちでしたか? 新日本初参戦は2019年の『FANTASTICA MANIA』で、そのときはルチャファンにとっては待望の来日でした。

デスペラード 最初は「『FANTASTICA MANIA』によく来てるな、身体がゴツいな」って感じだな。見た目どおりパワーもヤバいのに加え、ウルティモ・ゲレーロさんのゲレーロジム出身だから基礎もきっちりできてて。

――ゲレーロジム出身の折り紙つきと。

デスペラード あとは礼儀正しくてハートがいいから、『FANTASTICA MANIA』に来るたび、こっちもヘルプした部分はあった。でもUNITED EMPIREに入ったから「このヤロー」と思ったけど、それは個人の選択だから。EMPIREもいい素材だと思ったんだろうな、それだけの選手だし。

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――テンプラリオは昨年12月、TJP選手に“戦士”として選ばれるかたちで、UNITED EMPIREに加入しました。でも、今年の『FANTASTICA MANIA』でデスペラード選手は、テクニコとルードの混合タッグマッチでテンプラリオ選手と組んで試合をしてましたよね。

デスペラード ミスティコ含めたトリオとか、何回か組んでる。個人的に最近忙しくてCMLLを追い切れてないから、テンプラリオがテクニコなのかルードなのか、よくわかんなかったけど(笑)。アイツはマスクとか雰囲気的にはルードだけど、鍛えた身体にタトゥーが映えていてカッコいい。で、こっちの身体は傷だらけ(笑)。

――でも、その傷が勲章なのでは?

デスペラード もちろん。だから俺はこの傷を隠して試合する気はないし、これがエル・デスペラードの身体って自信を持っていえる。

――今回、テンプラリオ選手とは「どんたくシリーズ」の4.29佐賀までのあいだに前哨戦が組まれていますが、そもそもこれまで対戦したことは?

デスペラード もしかしたらないかもな、全然記憶にない。俺がメキシコにいた頃はまだテンプラリオはいなかったし、そのあとメキシコ遠征に行ったときも当たってない。

【新日本プロレスリング株式会社】

――テンプラリオ選手のデビューは2016年なので、わりと新しい世代のルチャドールというか。

デスペラード 個人的には近年のルチャドールの戦いかたの分岐点として、まずミスティコがブレイクした2005年あたりから、みんながより飛ぶようになって。そのあと、レイ・フェニックスやバンディードたちがまたルチャを変えたというか、もう一段階上の戦いをはじめて。そういう系譜の中にテンプラリオもいて。

――テンプラリオ選手は日本のプロレスについても、かなり研究熱心だそうですね。

デスペラード ちょっと前に新日本に上がってた選手だとドラゴン・リー、あとはティタンもそうだけど、テンプラリオもルチャの枠に収まらない戦いを身につけたいんだろうな。

――テンプラリオ選手は最近ではボラドール・ジュニア選手と抗争を繰り広げ、今年の『FANTASTICA MANIA』でも一騎討ちを行いました。

デスペラード そう、俺の“お師匠さん”であるボラドールとやりあってるっていう部分でも、不思議な縁を感じてる。

■テンプラリオは、パワーも警戒してるけど、テクニックだって持ってるし、一筋縄ではいかない相手だと思ってる。

【新日本プロレスリング株式会社】

――UNITED EMPIREはジェフ・コブ選手が抜け、HENARE選手も欠場中という中で、今シリーズは正念場というか。5.4福岡ではカラム・ニューマン選手が後藤洋央紀選手のIWGP世界ヘビーに挑戦、4.29佐賀では大一番に臨むテンプラリオのほか、グレート-O-カーン選手がエル・ファンタズモ選手を相手にNJPW WORLD認定TV王座の防衛戦を行います。

デスペラード コブ以外にも内藤哲也やBUSHIの退団が決まって、新日本自体がいま変革期に入ってる中、落ちてるように見えるEMPIREがここでブチかますのかどうか。今年になって史上最年少で藤田(晃生)がIWGPジュニアタッグ、ニューマンがIWGPタッグを巻いたり、新日本に変革の波が押し寄せてるのは確実だから。

――IWGPジュニアヘビー初挑戦のテンプラリオ選手は、目新しさという部分でも変革期にふさわしいチャレンジャーかもしれませんね。

デスペラード そもそも俺は藤田にしろ(フランシスコ・)アキラにしろ、初挑戦を迎え撃つことが多いけど(笑)。まあ、相手がどんな相手だろうと、俺は負ける気はサラサラない。

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――これまでデスペラード選手はIWGPジュニアヘビーに5度君臨していますが、タイトルマッチでメキシカンと対峙するのは今回が初になります。ルチャドールの特徴として心肺能力の高さがありますが、そのあたりについては?

デスペラード アイツらは“人生高地トレーニング”だから。一昨年、メキシコ遠征に行ったときも、ボラドールに呼び出されて彼のクラスに参加したんだけど、途中で正直吐きそうになった(苦笑)。ルチャドールは試合でも運動量が落ちないのが厄介なのはたしかだな。

――試合終盤の苦しい場面で、テンプラリオのパワーは脅威となりそうですね。

デスペラード もちろんパワーも警戒してるけど、テクニックだって持ってるし、一筋縄ではいかない相手だと思ってる。ただ、アイツが確立したいであろうメキシコと日本のプロレスを融合した“メヒポンスタル”のヒントを、俺は試合を通していくらでもくれてやるけど、ベルトは持って帰れないとは先に言っておく。

――4.29佐賀は『Jr. GENESIS』と冠された4.4後楽園に続き、IWGPジュニアの2大タイトルマッチがメインとセミを飾りますが、王者として思うことは?

デスペラード ジュニアのブランドを落とすような試合はできないし、そこだけは絶対条件。だからこそ、テンプラリオにも「覚悟して来いよ」とは伝えたい。
(了)

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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