<重賞レース分析>3歳ダート三冠競走初戦の羽田盃は、枠順や臨戦過程がポイントに!

東京シティ競馬
チーム・協会
4月29日(火祝)に東京シティ競馬(大井競馬場)で第70回羽田盃(JpnI) が実施される。
全国各地の若きスターが一堂に会する、3歳ダート三冠競走の第一関門。ダートグレード競走のJpnⅠに昇格となったのは昨年の第69回(令和6年)からだが、全日本的なダート競走の体系整備が行われる前から南関東地区の3歳クラシック競走として親しまれてきた、伝統あるレースだ。
ここでは羽田盃10年の結果から、レースの傾向を分析する。

レース情報
で第70回 羽田盃(JpnI)
発走日程:2025年4月29日(火)20:05発走
発走距離:1,800m

第69回優勝馬:アマンテビアンコ号  【東京シティ競馬】

■上位人気馬はそれなりに信頼できる

【単勝人気順別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

単勝人気順別成績を見ると、2番人気以内の馬は[6-6-2-6](3着内率70.0%)、3~4番人気の馬は[2-2-3-13](3着内率35.0%)、5~13番人気の馬は[2-2-5-74](3着内率10.8%)、14番人気以下の馬は[0-0-0-16](3着内率0.0%)となっている。人気薄の馬が波乱を演出した例もあるとはいえ、まずは上位人気グループの馬に注目するべきだろう。

■昨年は「JRA」所属馬が1~2着を占める結果に

【所属別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

所属別成績を見ると、「地方」の馬は[9-9-10-107](3着内率20.7%)、「JRA」の馬は[1-1-0-2](3着内率50.0%)となっている。なお、初めてダートグレード競走として施行された第69回(令和6年)は、「JRA」所属馬のアマンテビアンコが1着、「JRA」所属馬のアンモシエラが2着、「地方」所属馬のフロインフォッサルが3着となった。今後は「JRA」所属馬の好走例が増えてくるかもしれない。

■近年は内外極端な枠に入った馬が不振

【馬番別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

馬番別成績を見ると、1~13番の馬は[9-10-10-94](3着内率23.6%)、14~16番の馬は[1-0-0-15](3着内率6.3%)となっている。
なお、第66回(令和3年)以降の過去4年に限ると、1~3番の馬は[0-1-0-11](3着内率8.3%)、4~10番の馬は[3-3-4-16](3着内率38.5%)、11~16番の馬は[1-0-0-15](3着内率6.3%)である。近年の傾向を重く見るならば、外寄りの枠に入った馬だけでなく、内寄りの枠に入った馬も割り引きが必要だ。

■前走で1,600m超のレースを使っていた馬が中心

【前走の距離別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

 前走の距離別成績を見ると、1,600m以下の馬は[1-2-3-33](3着内率15.4%)、1,600m超の馬は[9-8-7-76](3着内率24.0%)となっている。
なお、第63回(平成30年)以降の過去7年に限ると、1,600m以下の馬は[0-1-1-23](3着内率8.0%)、1,600m超の馬は[7-6-6-51](3着内率27.1%)である。前走が1,600m以下のレースだった馬は、過信禁物と見るべきだろう。

■前走の出走頭数も重要

【前走の出走頭数別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

前走の出走頭数別成績を見ると、9頭以下の馬は[0-1-0-18](3着内率5.3%)、10頭以上の馬は[10-9-10-91](3着内率24.2%)となっている。
なお、第64回(平成31年)以降の過去6年に限ると、9頭以下の馬は[0-1-0-12](3着内率7.7%)、10~13頭の馬は[2-2-2-28](3着内率17.6%)、14頭以上の馬は[4-3-4-23](3着内率32.4%)である。臨戦過程を比較する際は、前走が多頭数のレースだった馬を高く評価したい。

■前走で人気を集めていた馬の成績が良い

【前走の単勝人気順別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

前走の単勝人気順別成績を見ると、5番人気以内の馬は[10-8-6-60](3着内率28.6%)、6番人気以下の馬は[0-2-4-49](3着内率10.9%)となっている。
なお、第66回(令和3年)以降の過去4年に限ると、5番人気以内の馬は[4-4-3-26](3着内率29.7%)、6番人気以下の馬は[0-0-1-16](3着内率5.9%)である。前走で人気の中心だった馬は、引き続きマークしておいた方が良さそうだ。

■“全日本2歳優駿”で善戦した馬は堅実

【“全日本2歳優駿”における着順別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

“全日本2歳優駿”における着順別成績を見ると、6着以内の馬は[2-6-2-5](3着内率66.7%)、7着以下の馬は[0-1-2-9](3着内率25.0%)、「不出走」の馬は[8-3-6-95](3着内率15.2%)となっている。同じダートグレード競走のJpnⅠである “全日本2歳優駿”の上位馬がエントリーしてきたら、有力と見るべきだろう。

■“雲取賞”連対馬の成績が上向いてきた

【“雲取賞”における着順別成績】(過去10年) 【東京シティ競馬】

“雲取賞”における着順別成績を見ると、2着以内の馬は[4-1-3-6](3着内率57.1%)、3着以下の馬は[0-1-1-16](3着内率11.1%)、不出走の馬は[6-8-6-87](3着内率18.7%)となっている。
なお、“雲取賞”が重賞として施行されるようになった第64回(平成31年)以降の過去6年に限ると、2着以内の馬は[4-1-3-2](3着内率80.0%)、3着以下の馬は[0-1-1-7](3着内率22.2%)、「不出走」の馬は[2-4-2-54](3着内率12.9%)である。今回と同じコースの“雲取賞”で連対を果たした馬は、上位に食い込む可能性が高いと見ておきたい。
TCKホームページではより詳しいデータも公開している。

<伊吹雅也>
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著者プロフィール

東京都心部(品川区)にある大井競馬場は「東京シティ競馬(TCK)」の愛称で1950年の開場以来、都心のレジャースポットとして長年にわたり親しまれています。1986年に日本で初めて実施したナイター競馬「トゥインクルレース」は、東京のみならず、インターネット投票や無料のライブ中継などにより日本全国のナイトライフのレジャーとして受け入れられています。2011年に東京大賞典の国際GⅠ格付けを取得、2021年に世界唯一となる左右両回りコースを導入するなど強い馬づくりのために様々な先進的取組みを展開しております。

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