「国立(ここ)は静岡 2025 オレンジユニシャツ」デザインへの想い

清水エスパルス
チーム・協会

【©S-PULSE 】

清水エスパルスは5月3日(土祝)に国立競技場で行われる2025明治安田J1リーグ第14 節名古屋グランパス戦で、エスパルスサポーター先着35,000 名に「国立(ここ)は静岡 2025 オレンジユニシャツ」をプレゼントする。

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近年エスパルスでは年に1回国立競技場でホームゲームを実施しており、今年が4回目の開催となる。これまでのプレゼントシャツは社内でデザインを決めてきたが、今回新たなチャレンジとして、静岡市の伝統工芸体験施設『駿府の工房 匠宿』とのコラボでデザインを作成した。

プロスポーツ界ではいわゆるスポンサーと呼ぶ企業との関係を、エスパルスではパートナー企業と呼び、関係性をより密に、そして深いものとなるよう、積極的にコラボや共同イベントなどを実施しているのがエスパルスの特徴。匠宿とは昨年国立競技場での試合開催に合わせて、施設内で販売する静岡の伝統工芸技術を活かしたコラボグッズを開発販売し話題となった。同施設がエスパルスにとってパートナー企業である株式会社創造舎が指定管理者であるという縁もあり「スポーツ」×「伝統工芸」という異色のコラボが生まれ、昨年に続き今回がその第二弾となる。

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創造舎を担当する営業の佐藤成之さんは「打合せを重ねながら、同じ言葉でも捉え方が違うことも感じましたし、私共だけではなしえなかった素晴らしいデザインに仕上がったと思います。何よりデザインをお披露目したSNSにサポーターさんから『こういうデザインを待っていました』というリプライがついていたことが嬉しかった。当日が楽しみです」と試合前からの反響の大きさからも当日の成果に期待をのぞかせる。
企画発案者である同チームの興行担当石川智美さんは「来場者プレゼントのアイデアを持ち寄る中で、今回の試合は国立でプレゼントするユニシャツをデザインするにたり静岡や清水を表現するものであること。そして静岡をイメージすると富士山、海、松があがり、どうしても和テイストに寄りがちで、法被などが連想されてしまうことがネックになりました。しかし、昨年も国立のタイミングでグッズをコラボデザインした匠宿さんであれば、洗練された和モダンなデザインで表現してくださるのではと考え、お名前をあげさせていただきました」とコラボ相手として匠宿を上げた理由を教えてくれた。
匠宿サイドとデザインを最終調整したチケット・集客担当倉田颯さんは「匠宿さんからは清水、三保を強く打ち出したいと言っていただきました。今回の試合のテーマである『国立(ここ)は静岡』ということもご考慮いただき、匠宿らしい伝統和柄やデザイン性を上手に組み合わせ、細部にこだわり、遊び心も入れて作り上げてくださいました」と仕上がりに大満足。

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一方でオファーを受けた匠宿側 は「正直、お話をいただいた時、プロサッカークラブのユニシャツデザインなど経験がないので、即答せずに、できるのかとデザインチームへ確認しました。最初に10案程出て来た時、何の不安もなくなりました」と元エスパルスの選手でもある杉山浩太館長は明かす。

杉山館長から話を受けたデザインチームの大原志乃さんは「館長の杉山から話が来た時、匠宿は伝統工芸施設で、これまではご来館いただく方へ向けてしかデザインをしたことがありませんでした。しかし、エスパルスに関わることができることは静岡県民としても嬉しいこと。しかも35000人に配布されるシャツのデザインができるという経験は、デザインチームとして何のマイナスにもならないことだから1回やってみようよと若手デザイナーへ社内コンペを持ちかけました。エスパルスさんからは匠宿らしいデザインをと言っていただきましたが、誰のために?何のために?と考えた時、我々のテイストを優先するよりも、サポーターのみなさんに喜んでいただけて、熱くなれるデザインにすることが仕事への誠実さなのではという結論に至りました。その結果デザイナーたちが持ち寄ったデザインパーツを組み合わせたものが仕上がりました」と制作秘話を聞かせてくれた。互いが互いを想い合い、そして地域を盛り上げるという同じ志をもつ者同士が協力し、静岡とチームへの愛が詰まったユニシャツが完成した。

■ユニシャツデザインの細部にわたる5つのこだわりポイント

1、 選手からスタンドを見た時に、全体がオレンジ色に染まるように、オレンジ色が大半を占めるよう意識。

2、 右肩に富士山があしらわれ、静岡側から見た富士山だとわかるよう宝永山もデザイン。

3、 三保半島が左胸の心臓の位置に来るよう静岡市の地図をドットで表現。三保のクラブハウスがある位置にサッカーボール。右胸側に今回デザインした創造舎と匠宿のロゴが地図上の所在地と同じ位置へこっそり配置。デザインに影響しない左脇のつなぎ目近くに匠宿や創造舎のデザインであることを示すクレジットが刻まれている。

4、 背中には今シーズンのスローガン「ONE FAMILY」とエスパルスロゴと2025を表記。長く着てもらえるように、試合の日時や場所をあえて入れなかった。

5、 腰付近にはウィンドサーフィンをしているパルちゃんとともに、伝統工芸施設のデザインらしく駿河竹千筋細工をイメージする模様や和柄を採用。三保の松原をイメージした老松。駿河湾の波をイメージした青海波。そして雲の示すエ霞を配置。伝統和柄には古来より願いが込められており、老松には「運を開き、福を招く」、青海波には「平穏な暮らしが続きますように」、エ霞には「永遠」という願いを込めた。

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 試合へ向けて、杉山浩太館長よりメッセージ

 「伝統工芸を広めるためには、違う要素を持ったところとのコラボが大切だと常々感じています。エスパルスとのコラボは2回目ですが、国立競技場は隈研吾さんのデザインで、匠宿でもスツールづくり体験でコラボしているご縁もあり、今回のオファーはとてもありがたいものでした。実は次のオファーももらえるように、とっておきのデザインも用意してあります。次のコラボも是非お願いします。35,000人の人々が自分たちのデザインしたシャツを着てくださる光景を見たら若いデザイナーたちは感動すると思います。クラブの許可を得て、デザイナーたちは当日静岡からユニシャツを着用して新幹線で国立へ向かってもらいます。もし気づいたら声をかけてねぎらってあげてください。エスパルスの勝利を心より願っています」

 ゴールデンウィークの5月3日、清水エスパルスVS名古屋グランパルキックオフは14時。試合終了後と同時に国立競技場からエスパルスと静岡への想いを込めたオレンジのユニシャツを着用した35,000人が一気に各地へと移動する。

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■静岡市の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」について

静岡市の伝統工芸体験施設「駿府匠宿」は、2021 年より建築設計業の株式会社創造舎による運営となり「駿府の工房 匠宿」として「歴史と未来を結ぶ場所」をコンセプトに22 年ぶりにリニューアル。駿河竹千筋細工・陶芸・藍染・お茶染め・木工指物・漆などが体験できる各工房に、一線で活躍する職人を工房長として招聘し、かけがえのないものづくり体験の提供と、工芸職人の後継者候補輩出を目指しています。また、地元で長年愛された和菓子屋の味を引き継いだ店舗や地元養蜂場の蜂蜜を使用したカフェを匠宿内に開店。そして、昨年、古民家をリノベーションし客室内に静岡の工芸品を設えた「泉ヶ谷 工芸ノ宿 和楽」や、愛犬と一緒に宿泊や工芸体験ができる「1HOTEL(ワンホテル)」として宿泊業をスタートさせるなど、周辺地域とも連携・協力することで、地元文化継承の拠点としての役割も担っています。
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著者プロフィール

チーム名の「S-PULSE」は、「サッカー・清水・静岡」の頭文字Sと、サッカーを愛する県民、市民の胸の高鳴りとスピリットを表現するため、英語で「心臓の鼓動」を意味するPULSEを組み合わせて名付けられました。 1993年に「オリジナル10」の一つとしてJリーグ開幕を迎え、クラブの歴史がスタートしました。 こちらのサイトではチームや試合、イベントなど様々な情報をお届けいたします

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