【無料公開】「闘いたいのは、ヒロムとデスペラード。『SUPER Jr.』に出場できること自体が、“夢の実現”なんだ」ジュニアの祭典に史上最年少出場!“19歳の超新星”ニック・ウェイン選手に直撃インタビュー!

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【新日本プロレスリング株式会社】

AEWから『BEST OF THE SUPER Jr.32』に若干19歳で初エントリー!
世界のプロレス界から注目を集める“超新星”ニック・ウェイン選手にインタビューを敢行!!

翻訳/濱崎潤之輔

■俺は16歳の時には自分の進むべき道が見えていたんだ。応援してくれた友たちもいたけど、からかってきたヤツもいたよ。でも、イギリス、メキシコ、そして日本と海外に遠征するようになってからは、みんな「コイツ、本気なんだな」って思うようになってきたみたいだね。

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――さて、ニック・ウェイン選手、『BEST OF THE SUPER Jr.』初出場が決まりましたね。19歳という若さでの出場は、ラ・ソンブラ選手(現・アンドラーデ/WWE。2010年、第17回大会に出場)やアレックス・ライト選手(1995年、第2回大会に出場)の記録を抜いて史上最年少出場となります。その実感はありますか?

ウェイン うん、自分でも信じられないよ。最年少かもとは思っていたけど、たしかに20歳の誕生日を迎えるほんの1~2ヵ月前の時点での出場だからね。本当に光栄なことだよ。

――あなたのことをまだよく知らないファンも多いと思いますので、詳しくお話を伺っていきたいと思います。まずはプロレス界に入った経緯を教えてもらえますか?

ウェイン ああ、俺は三世に当たるプロレスラーなんだ。父はバディ・ウェイン、祖父は“ムーンドッグ”エド・モレッティ。小さい頃からプロレスと共に育ったんだ。父は自宅でレスリングスクールを開いていたから、幼い頃からそこでのトレーニング風景をいつも見ていた。俺も早くリングに上がりたくて仕方なかったけど、6歳じゃさすがに早すぎたね(笑)。それで、9歳のときに父がアシックスのレスリングシューズと、ヒジ、ヒザ用のパッドを買ってくれて、「よし、始めるぞ!」って言ってくれたんだ。

――9歳からですか! そこからプロレスラーとしての人生がスタートしたんですね。

ウェイン デビュー戦はカナダでやったんだ。12歳から14歳まではカナダを中心に活動して、その後はアメリカ国内でパシフィック・ノースウェストにも活動範囲が広がっていったよ。それからパンデミックのあと、16歳の頃からインディーで俺の勢いがつき始めたんだ。GCW、DEFY、WCPWにも出場して、高校に通いながら週に何試合もこなしていたんだ。

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――なるほど。

ウェイン それで16歳の時、ダービー・アリンが高校卒業後に発効するAEWの契約を提示してくれたんだ。18歳の誕生日の2日後にAEWでデビューして、それ以来ずっとAEWに所属している。

――若いうちからかなりの経験を積んでいますね。同世代の人たちとはまったく違う人生を歩んでいる実感はありますか?

ウェイン 間違いなくそう言えるよね。高校卒業後の進路が決まってない友たちも多かったけど、俺は16歳の時には自分の進むべき道が見えていたんだ。応援してくれた友たちもいたけど、からかってきたヤツもいたよ。でも、イギリス、メキシコ、そして日本と海外に遠征するようになってからは、みんな「コイツ、本気なんだな」って思うようになってきたみたいだね。

――そんなに若いうちから世界中を飛び回っているなんて、本当に凄いことですね。その中で印象に残る出来事はありましたか?

ウェイン 初めて後楽園ホールで試合をした時のことは忘れられないよ。あそこは本当に歴史のある場所だからね。俺の好きなレスラーたちがたくさん試合をしてきたし、映像で何度も見てきた。そんな場所に自分が立っているなんて、まるで夢みたいだったよ。

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それからイギリス遠征も大きな経験だったな。俺にとって初めての海外ツアーだったんだ。でも、やっぱり日本が一番衝撃的だった。文化的にも、プロレスラーとしても、すべての価値観が変わったよ。もしかしたら、俺は日本をツアーした史上最年少の外国人レスラーかもしれないよね。

――なるほど。初来日した時は何歳くらいでしたか?

ウェイン 16歳か17歳だったと思う。たぶん俺より若くして日本に来たのはTJPぐらいじゃないかな。初来日は2022年にGCWの日本ツアーで、滞在は1週間半くらい。そのあと2023年にDDTに参戦して2週間半滞在して4試合やった。その直後にAEWでデビューしたんだ。

――今回の『SUPER Jr.』では、もっといろんな土地に行くことになりますね。バスでの移動も多く、毎日が新しい街での試合となります。そういう生活を送ることになるのは楽しみですか?

ウェイン うん、すごく楽しみだよ。DDTに参戦した時は東京と大阪だけだったけど、今回はもっとたくさんの場所に行くから、日本各地を見物できるのが本当に楽しみなんだ。

■14歳か15歳くらいで日本のプロレスにハマり始めたんだよ。でも本格的に好きになったのは、GCWのツアーで日本に来た時なんだ。日本の文化やレジェンドたちを間近で見てきて、もっとそれらを深く知りたくなったんだ。

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――これまでに何度か日本と関わる機会はありましたが、ファンとして初めて日本のプロレスに触れたのはいつのことでしたか? 古くからのファンですと、獣神サンダー・ライガー選手やタイガーマスク選手、ハヤブサ選手、ザ・グレート・サスケ選手の名前を挙げることが多いですが、最近の若い世代のファンですとウィル・オスプレイ選手の名前がよく出ます。

ウェイン フフフ、ちょうどいい話があるよ。2016年の『BEST OF THE SUPER Jr.XXIII』で、オスプレイとリコシェが試合したよね?

――ああ、あの非常に話題になった試合ですね。

ウェイン あの試合、当時めちゃくちゃバズったよね。俺は中学の遠足中にスマホで観てたんだよ(笑)。

――2016年が中学生ですか……。それを聞くと、年齢の差を感じてしまいます(笑)。

ウェイン それから『G1 CLIMAX』の試合もちょこちょこ観るようになって、14歳か15歳くらいで日本のプロレスにハマり始めたんだよ。でも本格的に好きになったのは、GCWのツアーで日本に来た時なんだ。日本の文化やレジェンドたちを間近で見てきて、もっとそれらを深く知りたくなったんだ。今ではライガーやハヤブサ、マルフジ、KENTAも大好きだよ。でも、一番はいつだってエディ・ゲレロなんだけどね。

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――なるほど。ちなみに、あなたの中のランキングでエル・デスペラード選手はどのくらいにいますか?

ウェイン ああ、デスペは間違いなく俺のトップ10に入っているよ(笑)。

――そんなデスペラード選手がX(旧Twitter)で「お母さんは来日するのか」と気にしてましたよ。

ウェイン じつは……、母は今回のツアーに来れないんだ。ごめんね、デスペ(笑)。

――ところで、今回の『SUPER Jr.』出場選手の中には、以前から因縁のある相手もいますよね。たとえばケビン・ナイト選手ですとか。

ウェイン ああ、ケビンとは本当に昔からの仲なんだよ。彼がLA DOJOに入る前、そして新日本プロレスに関わる前、うちの父の道場『バディ・ウェイン・アカデミー』に1年か2年、練習に来てたんだ。彼は吸収力がすごくて、どんどん成長していった。向上心がハンパなかったよ。それから、シアトルのルチャの学校でも一緒に練習していたんだ。

――そうだったんですね。

ウェイン 初めて一緒にトレーニングした日から「コイツは運命のパートナーかもしれない」って思ったよ(笑)。一緒に遠征して、州を越えて市営バスで試合に行ったこともある。パシフィック・ノースウェストやカナダ中でともに戦ってきた仲なんだ。

彼がロサンゼルスに移ってからは対戦してないけど、彼の成長ぶりは本当に凄いよ。完全に進化しているし、心から誇りに思っている。AEWと新日本、両団体と契約している今、彼はまだまだ上に行く存在だと思う。将来の名レスラーになるのは間違いないよ。

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――AEWと新日本プロレスの関係というと、『Forbidden Door』や『WRESTLE DYNASTY』みたいなビッグマッチを連想する人が多いのですが、今回のようなリーグ戦に出ることは、ファンがよりあなたのことを深く知るきっかけにもなりますよね。

ウェイン 間違いないよね。日本で試合をすると、誰でも絶対に成長して帰ってくることになるんだよ。日本のプロレスは、リング上の精度や仕事ぶりが本当に高いレベルにあるんだ。だから今回、俺みたいなAEW所属の選手が出場することで、ファンとの距離も縮まると思う。

逆に新日本の選手が『AEW Dynamite』やAEWのPPV大会に出ることで、同じように両団体の架け橋になる。おたがいの成長になるし、ファンもより楽しめる。業界全体にとってすごくいいことだよ。それに、AEWのファンが『SUPER Jr.』を観てくれるきっかけにもなるし、日本で新しいファンもできる。そうすれば、俺がAEWに戻ったときもその人たちが観てくれる。すごくいい関係が築けていると思うよ。

――ちなみに、あなたが以前保持していたDEFY王座は、今はクラーク・コナーズ選手が持っていますよね?

ウェイン リング上で直接対戦したことはないけど、クラークも本当に大きく進化した選手だよ。彼の日本での活動は凄いよね。すでに実力はあったけど、今はもうスターになっている。ビッグマッチに出て、ハードコアマッチもこなして、30分超えの試合もして。ファンの記憶に残るような活躍をしているよね。それに、今彼が持っているDEFYのベルトは、かつては俺が巻いていたものだ。だから、もし同じブロックで当たることになったら……その試合には“特別な意味”が生じるだろうね。

■間違いなく一番闘いたい相手は(高橋)ヒロムだね。彼はこの大会を何度も制してきたし、俺も彼の試合をたくさん研究してきた。

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――新日本のファンにとっては、あなたを初めて目にしたのは2023年8月の『All Star Jr. Festival U.S.A. 2023』ですよね。

ウェイン ああ。フィラデルフィアだったね、そうだよ。

――あの時はジョーダン・オリバー選手とタッグを組んで、エル・デスペラードとMAO選手と対戦しましたよね。今度はそのMAO選手も『SUPER Jr.』に初出場します。

ウェイン MAOとは何度かリングで対戦したことがあるんだ。フィラデルフィアのオールスター戦もそうだったし、DDTのツアーのときも闘ったよ。俺がDDTに来たとき、すごく多くの人が俺のことをファミリーのように迎えてくれたんだけれども、MAOはその中心的存在だったんだ。日本のファンも、俺とMAOがこのトーナメントに出場することを楽しみにしてくれてると思うよ。

――お二人の間で、どちらがより印象的なデビューを飾れるか、ちょっとした競争心はあったりしますか?

ウェイン もちろんあるよ。俺たちはどちらも「俺が一番ここにふさわしい存在なんだ」ってことを証明したくてやって来るのだからね。だから、おたがいに「どっちがより大きなインパクトを残せるか」っていう、ちょっとした火花が生じることがあるのでは……と思うんだ。

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――このインタビューの時点では、ブロック分けは発表されていませんが、出場メンバーの中で「この選手と闘いたい」という選手はいますか? 

ウェイン 間違いなく一番闘いたい相手は(高橋)ヒロムだね。彼はこの大会を何度も制してきたし、俺も彼の試合をたくさん研究してきた。もし彼とリングで向き合って、特別な試合をできたら……あるいは彼に勝つことができたら……それは俺にとってすべてを意味することになる。

それからニンジャ・マックとも闘いたいな。アメリカでは何度か対戦したことがあるし、彼がどんな選手なのかもよく知っている。日本でも名を上げているし、この『SUPER Jr.』の舞台でもう一度対戦できたらうれしい。でもやっぱり、ヒロムとデスペと闘うこと……それが俺の夢なんだ。

――もちろん誰もがこの大会での優勝を目指して出場するのですが、レスラーとして、人間として、この経験から何を得たいと考えていますか?

ウェイン 正直に言うと、『SUPER Jr.』に出場できること自体が、俺にとっては夢の実現なんだ。俺の周囲の人間なら誰でも知っていることなんだけど、これが長年の目標だった。でもそれ以上に、この出場経験を糧に自分自身成長したいと思っているよ。日本に行って、もっと強くなってAEWに戻りたい。トレーニング、試合、ファン、文化、すべてを吸収したいんだ。

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今大会はどの試合にもメインイベントのつもりで臨むつもりさ。ファンのみんなには「この男はこの舞台に立つのがふさわしい選手だ」「ジュニアの中でも、いや、階級を超えてトップに立てる可能性がある選手だ」と思ってもらいたいんだ。俺の憧れてきたレスラーたちもみんな日本での闘いを経てきたし、俺も同じ道を歩んでみたい。

――今回、あなたの試合を初めて観るファンも多いと思いますが、どんな印象を残したいと考えていますか?

ウェイン 俺の名前をずっと覚えていてほしいよ。それが目標なんだ。「こんな若さでここまで成し遂げた。彼こそプロレス界の未来だ」って思ってもらえたら最高だね。いつか俺が世界一になったときに、「19歳で史上最年少出場をはたしたあの『BEST OF THE SUPER Jr.32』が、ニック・ウェインの原点だった」と思い出してもらえるような存在になりたいんだ。(了)

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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