【Road to 2026】アルペンスキーのアジア杯、来季で第一線を退く意向の森井大輝が3勝
2024-2025シーズンの締めくくりとなる本大会。男子の座位カテゴリーは、パラリンピックに6大会出場中で7個のメダルを獲得している森井大輝(LW11)が3戦全勝。来年のミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会を集大成と位置付けているだけに、「すごく嬉しい部分と、(2位の鈴木)猛史と(次世代を担う強化選手の塚原)心太郎くんに脅かしてほしい部分がある」と複雑な心境を吐露した。
「板にしっかり圧をかけると板がたわみ、板の反発で加速が生まれるが、調子がいいときは無駄な動きがなく、1回でしっかり圧をかけることができる。コルティナのコースでは“攻めたもの勝ち”だと思うので、スタートからゴールまでミスなく攻め切ることができたらもしかしたらという(金メダルの)可能性がある。その可能性にかけて少しギアを上げないといけないと思います」
昨年11月にイタリアで右の肩甲骨を折る大ケガをしたものの、年明けにはトレーニングを再開した。
「ケガした当初はかなり痛かったので、まいったなと思った。でも、雪上に戻ってから、調子自体は悪くない。チェアスキーのセッティングも、いろいろ試しながら自分の技術を対応させていくが、今年はそれがうまくハマった年だったかな。国内のレースですけど、最後に勝つことができたので、来シーズンにつながるかなと思います」
“先輩”の後を継ぐ2人のチェアスキーヤーは
2014年に開催されたソチパラリンピックで回転を制した鈴木は、2022年の北京パラリンピックではゴール直前で転倒し途中棄権。「コルティナでは北京の借りを返したい」と強い気持ちで臨む。
鈴木は、日本チームを盛り上げることができるか。
2月にスロベニアで行われた世界選手権に初出場し、大回転で第1戦18位、第2戦19位だった。
「海外選手とすごい秒数で離されてしまった。スタート後のスピードの乗せ方、急斜面から緩斜面に入るタイミング……トップとの秒差は何なのか、動画を見ながら考えた」と振り返る。
今大会については、「全体的には今シーズンやってきたことを出せていたのかな」と話し、手ごたえを得た様子だった。
もう一度強い日本チームを作るために
引退するわけではないが、「自分の中で1回退くと決めたことで、気持ちの整理もつくと思う」。
森井は、塚原らにどんな滑りを見せるのか。ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会では、悲願の金メダルを目指す。
text by Asuka Senaga
photo by Hiroaki Yoda
※本記事はパラサポWEBに2025年4月に公開されたものです。
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