PONOS NAKAJIMA RACING予選/決勝レースレポート【全日本スーパーフォーミュラ選手権 第3戦、第4戦】
チーム・協会
第3戦でイゴール・オオムラ・フラガが3位で初表彰台を獲得
初表彰台を獲得した#65 イゴール・オオムラ・フラガ
【PONOS NAKAJIMA RACING】
鈴鹿での開幕2連戦から1ヵ月のインターバルを経て第3戦、第4戦がモビリティリゾートもてぎで開催される。PONOS NAKAJIMA RACINGとしては、第1戦では佐藤 蓮が3位表彰台、第2戦では2台揃ってポイント獲得といい流れでこの大会に臨み、中盤戦に向けてさらに弾みをつけたいところ。
フラガは初表彰台獲得。佐藤蓮はアクシデントで無念のリタイアに
第3戦予選結果#64 佐藤蓮:9位 #65 フラガ:3位 第3戦決勝結果#64 佐藤蓮:リタイヤ #65 フラガ:3位
#64 佐藤蓮
【PONOS NAKAJIMA RACING】
第3戦の公式予選は9時20分にスタート、Q1のAグループでまずは佐藤が出走し4番手でQ2へ、続くBグループではイゴール・オオムラ・フラガがトップ通過を決める。2台揃って出走したQ2では、佐藤が9番手、フラガが3番手となった。気温30℃と汗ばむ気候となった決勝レースは、14時50分に33周回で争われる。
#65 イゴール・オオムラ・フラガ
【PONOS NAKAJIMA RACING】
9番グリッドからスタートした佐藤は直後の1コーナーで後ろから来るマシンに突っ込まれてコースアウトを喫し、早々にレースを終えることに。一方の3番グリッドからスタートしたフラガはスタートで1台をパスし2番手に浮上。佐藤のアクシデントでセーフティカーが導入されたが、すぐにマシンが回収され4周目にはリスタートとなる。フラガは2番手をキープし速いペースで周回し、タイヤ交換が可能となる10周を迎えてもステイアウトを選択し、走行を続ける。フラガは17周目にピットインを行ない、タイヤ交換を終えてコースに復帰する。ポジションは、トップを走っていたマシンがその翌周にピットインを行ない、フラガの前で戻ってきて3番手に。2番手にプレッシャーをかけながら懸命に追随するもパスするには及ばずそのまま 3 位でチェッカーを受け、参戦3戦目での表彰台獲得となった。
【PONOS NAKAJIMA RACING】
「フラガはいいスタートを決めて最後までいいバトルをしていましたが、タイヤ交換のタイミングは我々の作戦に課題があったかもしれません。それでも初めての表彰台となり、嬉しいです。一方の佐藤は最悪な結果となってしまいました。明日は2台揃って上位に食い込んでいけるよう準備をしますので、引き続き応援をよろしくお願いします」
「フラガ選手はスタートもうまくいって1つポジションを上げることができましたが、ピット作業を終えたところで1台にかわされてしまい、3番手に戻ってしまいました。彼にとっては初めての表彰台獲得ですし、予選も含めて素晴らしい1日になったと思いますが、一時2番手を走っていたことを考えると、ピット戦略だけが悔やまれます。メカニックは完ぺきに作業してくれたし、自分の判断ミスだったのでそこだけが反省点です。明日はドライバーに迷惑をかけない作戦をしっかり採りたいと思っています。佐藤選手に関しては、非常に僅差の戦いの中で彼としては不本意な予選結果だったと思います。鈴鹿で表彰台に乗っていましたから、もっと上を目指したかったというのはみんな同じ気持ちです。決勝は、彼がどうすることもできない状況で当てられてしまったので、本当に残念としか言いようがありません。レースペースはいつもいいですし、フラガ選手の結果を考えるとチームのベースのポテンシャルは高いと思うので、明日は何としても2台揃って上の方でゴールしたいと思っています」
「予選のポテンシャル的には悪くないところにいたと思います。 Q1のポテンシャルからもう少し引き出すことができれば、Q2でトップを争えると自信を持っていたのですが、そのQ2に向けたアジャストで失敗してしまった部分があり、実際には伸び悩んでしまいました。決勝はスタートがうまく決まって6番手ぐらいまでポジションを上げられたのですが、不慮のアクシデントでした。チームとしてはイゴール選手がいいペースで走ってくれていたので、明日に向けてある程度参考にできる部分はあります。とはいえ、セットアップの方向性は少し違うので、自分自身のクルマの状況を見られなかったのは残念です。いい部分はあったので、明日のレースではいいところは見せられるかなと思っています」
「ピットに入るまではずっと2位を走っていたので、悔しいというか少し残念ではありますが、まずは表彰台に上がれたことと、トップの付近で戦えたことはとても意味のあることです。得られたものは非常に大きいですし、初表彰台はとてもうれしいです。鈴鹿は1戦目が残念な形だったので早く次の日が来てほしい、挽回したいという気持ちでしたが、今日は逆に、もうこれでもてぎラウンドは終わってくれてもいいよなんて思ったりもします。それは冗談ですが、明日は少し天候が変わりそうで、気温や路面温度なども今日とは違う状況になると思うので、明日に向けた戦いに頭を切り替えて、また頑張ります」
ピット戦略が明暗を分けた第4戦。フラガは2戦連続のポイント獲得するも、佐藤は逃す
【PONOS NAKAJIMA RACING】
第4戦予選結果 #64 佐藤蓮:14位 #65 フラガ:6位 第4戦決勝結果 #64 佐藤蓮:12位 #65 フラガ:9位
第4戦が行なわれる日曜日は、前日と比べると気温の上昇が少ない曇りの1日となった。公式予選は9時10分にスタート、まずはQ1のAグループでフラガがアタックをする。フラガは2番手となり、順調にQ2進出を決める。しかし、Bグループの佐藤のアタックは惜しくも7番手タイムとなりノックアウトとなる。Q2ではフラガが上位グリッド獲得を目指してアタックをし、6番手となった。
【PONOS NAKAJIMA RACING】
14時55分にフォーメーションラップがスタートし、37周回のレースがスタートを切る。PONOS NAKAJIMA RACING の2台はそれぞれうまくスタートを決めたが、すぐに後方でアクシデントが発生してセーフティカーが入る。このレースはタイヤ交換をするタイミングの制限がないため、ピットインを行なうマシンが多発し7台を除いたほとんどのマシンがタイヤ交換を済ます。フラガもこのタイミングでタイヤ交換を行なって、このタイヤをマネージメントしながらチェッカーを目指していく。一方の佐藤はここではステイアウトして、タイヤ交換のタイミングを計りながら周回していく。その佐藤は4番手から3番手にポジションアップし、さらにはトップがピットに入ると2番手を走行、そしていよいよ26周目にピットインをしてタイヤ交換をするが作業に手間取り大きくポジションを落とす。佐藤は残り周回を少しでも挽回したいと懸命 に走り切り 12 位でフィニッシュ。オープニングラップでタイヤ交換を行なったフラガは、プッシュしながら周回を重ねていき、ペースが上がらない苦しい場面もあったが少しずつポジションを上げ、9位でチェッカーを受けて2戦連続ポイント獲得となった。
「ピットミスで順位を落としてしまいドライバーには申し訳ないことをしてしまいました。レースのプランは両方ともまずまず…というところだっただけに非常に悔やまれます。これを引きずらず、ここでしっかりと改善したうえでオートポリス戦を迎えられるよう、準備をしていきたいと思います。今大会もたくさんのご声援をありがとうございました」
【PONOS NAKAJIMA RACING】
「フラガ選手は昨日に引き続き非常にいい予選ができました。ただレースは昨日と比べるとペースが悪かったです。そのあたりは、このクルマとレースの難しさが出たと感じています。日が変わる、距離が変わる、いろいろな部分で、良かれと思ってセットアップを変える。そういう中で、何かがほんの少しずれるだけで、前日は表彰台に乗ったとは思えないようなレベルになってしまうところにこのレースの難しさがあると思います。イゴール選手はいい経験も悪い経験もできたと思うので、そういった意味では非常に満足できる週末で終えることができました。佐藤選手に関しては、予選は振るわなかったのですが、前回のレースを含めていろいろと考えた結果として採った作戦がうまくはまりました。彼自身のペースも良く、ポジション的には4位を狙える状態だったのですが、ピットストップのミスで足を引っ張ってしまい、非常に申し訳なかったです。昨日から佐藤選手に流れがなかった中で、彼自身の力でいい走りを見せていたということに関しては良かったのですが、ドライバーに迷惑をかけてしまうようなことがチームとして続いているので、何とか立て直す必要があると思っています」
「予選は、思っていたところにクルマの状態が来なかったというところで、ポテンシャルが引き出せませんでした。Q2に行けていればもっと上位に行けた自信はあったので、非常に悔しいです。決勝は、戦略としては最初にセーフティカーが入ったときにはステイアウトすると決めていました。今日はチーム2台揃ってペースに苦しんだ部分があり、そんな中でも何とか維持して走っていて、チームからのインフォメーションで5~6番手争いをしているぞという認識で、ここから勝負というところだったのですが、ピット作業でロスがありポジションを逃しました。ミスは仕方のないことですが、昨年から続いていることなので、改善しないといけないと強く感じています。オートポリスに向けて、持っているポテンシャルは高いものがあると思うので、それを引き出せるようにチームと話し合っていきたいです」
「昨日に比べて気温や路面温度が低くなることで、もう少しグリップが出るんじゃないかと見越して、それを想定して攻めたセットアップにしたのですが、それが裏目に出てしまいました。Q1では結構いいところにいたので、Q2 に向けて路面状況を想像しながら、その想像に合わせたドライビングで行ってみたら、グリップせずにアタックラップがまとまらなかったという印象です。そこで0.1~0.2秒ぐらいロスしてしまったのはもったいなかったです。ただ、6位スタートは決して悪いポジションじゃないとも考えました。決勝は、序盤のペースが上がらず、ポジションを落としてしまったのが痛かったです。週末を通して考えると、全体的にはポジティブな内容だったと思います。クルマに対しても様々な経験を積むことができましたし、僕にとって初めての表彰台も獲得しました。2レース目は苦戦していた中でポイント圏内に留まれたことは悪くないと思っています。ここで得られた経験を次に生かして、オートポリスでももっとパフォーマンスを上げられるように、引き続き努力していきます」
※次戦は5月17日・18日にオートポリスで開催されます。