【東都大学野球】「圧倒的優勝」を目指す日大の春、スタートは上々。巻き返しはこれからだ
春季東都大学野球リーグ2週目は、5季連続優勝を目ざす青山学院大が日本大に先勝。だが実力伯仲の東都は今季も混戦模様、勝負はここからだ。
だが、中央大にも初戦を落とした青学が勝利への執念を見せる。9回、先頭の1年生・大神浩郎が市川祐から起死回生の同点弾だ。さらにタイブレークの10回、ドラフト候補の小田康一郎が右翼席に高々と3ランをたたき込む。打った瞬間にそれとわかる一発は、青学・安藤寧則監督が「本当にスゴかった。1球で仕留めてくれた」と絶賛する当たり。フルカウントから甘く入った市川の内角ストレートをとらえられた。片岡昭吾監督は悔やむ。
「市川は、小田君までのつもりで続投させました。ただ小田君は、打ち取るのがむずかしく、シングルヒットならOKの打者。フルカウントでしたから、厳しいコースをついて結果的に歩かせてもよかったんですが、その指示があいまいだったかな……しっかりとスイングされた。監督の責任です」
現役最多勝のエース・市川、昨年春秋の連続首位打者で通算6本塁打の谷端将伍(経済4年・星稜)を投打の軸に、昨秋ベストナインの米津ら下級生も充実している日大。2016年秋以来のリーグ戦制覇、チームで掲げた目標「圧倒的優勝」に向け、スタートは上々だった。「投げる試合は全部勝つ」と語る市川が國學院大との開幕戦を5安打無四球、96球の"マダックス"で完封し、「春秋を通じて4割、10本塁打を目ざす」という谷端の2点適時二塁打で、2対0という理想的な内容。だが2回、3回戦は1点差で競り負けて勝ち点を落とし、青学との初戦も終盤でうっちゃられた。國學院との2回戦も8回に決勝点を奪われており、「"勝ちたい"というメンタルで相手が上回っているのか……」と、片岡監督は終盤のツメの甘さを指摘する。
それでも、1試合ごとに順位が入れ替わってもおかしくないのが戦国東都である。谷端はここまで打率.357と好調だし、青学戦では最後に力尽きたものの、市川祐も冷静にピンチをしのいでいる。投打の軸がしっかりしているのは心強い。
「初戦は負けましたが、まだ勝ち点を落としたわけではないのでね」と片岡監督は前向きだ。昨春も青学には、初戦を落としながら連勝して勝ち点を上げているんだった。國學大との2回戦で先発し、4回途中1失点と好投した菅澤宙(生産工2年・中京)、中継ぎで安定した投球を見せる直江新(法2年・九州学院)、打線では米津、村田ら、若い力も伸びてきている。本番は、ここからだ。
■東都大学野球リーグ 1戦目
日本大2—5青山学院大
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