【日本選手権10000m】ハイライト:男子は鈴木芽吹が会心のスパートで初優勝、女子は廣中が2年ぶり4回目のV!
雨が打ちつけるタフなコンディション下でのレースとなった影響もあり、東京2025世界陸上日本代表即時内定の条件(同参加標準記録を突破して3位以内でフィニッシュする)を満たすことは、男女ともに叶いませんでしたが、男子は、鈴木芽吹選手(トヨタ自動車)が27分28秒82で初優勝。女子は、廣中璃梨佳選手(JP日本郵政G)が31分13秒78で制し、2年ぶり4回目のタイトルを獲得しました。
鈴木芽吹、会心のスパートで 初の日本選手権者に
先に行われた男子10000m決勝は、19時35分にスタートしました。今年も電子ペーサー(ウェーブライト)が導入され、最も速いグリーンライトは、フィニッシュタイムを27分20秒に想定し、8000mまでは各1000mを2分45秒で、最後の2000mは2分42秒5、2分37秒5とビルドアップしていくペース。参加標準記録(27分00秒00)ではなく、WAワールドランキングにおいてターゲットナンバー内を目指すためのポイントを、着実に上げていくことにフォーカスしての設定です。
欠場者が1名出たことで、ペースメーカーとしてオープン参加したアンティパス・キベット選手(小森コーポレーション)を含めた全20名で行われたレースで、スタートしてすぐに前に出たのは前々回覇者で日本記録保持者(27分09秒80)の塩尻和也選手(富士通)。すぐに1周(66秒)のペースで刻んでいくキベット選手の後ろにつけ、先頭集団というよりは縦に長く連なる形でレースが進んでいくことになりました。塩尻選手にぴたりとついたのは吉居大和選手(トヨタ自動車)。次いで、本間颯選手(中央大)、齋藤椋選手(旭化成)、荻久保寛也選手(ひらまつ病院)らが前方で続き、上位候補に挙がる葛西潤選手(旭化成)、鈴木芽吹選手(トヨタ自動車)、太田智樹選手(トヨタ自動車)らは、この段階では列の後方に位置しています。
廣中、2年ぶり4回目の優勝!ラスト800mで矢田を突き放す
先頭を行く2選手は、その後は、アキドル選手の見事なレースメイクに乗って、安定したペースで歩を進め、5000mを15分40秒と、想定通りのタイムで後半へと向かっていきます。ここからの3000mは少しペースが落ちる予定でしたが、6000mは18分49秒(3分09秒)、7000mは21分50秒(3分10秒)、そして、8000mはややペースが上がって25分06秒(3分07秒)で通過。ここで、アキドル選手がレースを終え、2人は電子ペーサーのグリーンライトよりも前を行く形で、終盤に突入していきました。
2位の矢田選手は、31分20秒09でフィニッシュ。2020年にマークしている自己記録(31分34秒39)を14秒30も上回る好走でした。3位で続いたのは昨年と同じく兼友選手、32分18秒25でレースを終え、2年続けて表彰台を占める結果を残しています。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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