【ノジマチャンピオン杯】春の嵐に負けないタイ出身のマークセン、ウィラチャンそしてタマヌーンが揃って首位発進

チーム・協会

第1ラウンド

【©PGA】

今季シニアツアー第2戦「ノジマチャンピオンカップ箱根」の第1ラウンド。会場の箱根カントリー俱楽部は前日の強風に比べると、陽ざしは暖かく穏やかなスタートを迎えた。スタート前にアップで着ていたセーターを脱ぎ、半袖でプレーをする選手の姿も。ただ、上空を舞う風は時折強弱をつけて吹くため、選手の状況判断を難しくする。さらに午後になると天気予報通りに強風が吹き抜け、グリーンは速くそして硬くなり、コース難易度があがっていく。まるで春の嵐のような一日だった。

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初日4アンダーでトップに立ったのはタイ出身の3選手だ。一人目は日本シニアツアーで4度の賞金王(16,17,18,22)に輝いたプラヤド・マークセン(59)。5番パー5では6メートルのパッティングを沈めて最初のバーディ。8番パー5は2オンに成功し2つ目のバーディを奪取。後半は11番で1メートル、最終18番でも1メートルを決めて4アンダーとし首位発進を切った。

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「嬉しいです。パープレーで良かったと思っていたのですが、初日にスコアを伸ばすことができて良かった」とにっこり。マークセンにとって日本シニアツアーは今年初戦。「月曜と水曜にラウンドをしましたが、強風と寒さでだいぶ手こずりましたね。今日の風はプレー中まだ穏やかでしたが、ドライバー、アイアン、パッティングと調子が良かったので上手くいきました」と18ホールを終えて胸をなでおろした。

「箱根カントリーは風の難しいダイナミックなコースで、バックナインのホールは特に戦略のしがいがあります。今年も日本シニアに戻ってこられて幸せです。明日も頑張ります」とキングオブシニアのマークセン。ちなみに、この日ノーボギーで回ったのはマークセンだけ。シニアツアーでは2021年を除けば毎年1勝以上をあげていることもあり、今年は早くから優勝に王手をかけている。

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二人目は、タワン・ウィラチャン(58)。2019年の日本シニアツアー賞金王で、2006年にアジアンツアー賞金王のタイトルを獲得し、ヨーロッパシニアツアーでも2勝を挙げているベテラン選手である。

インからスタートして12番で5メートル、17番では30センチに着けて2つのバーディ。後半のアウト2番では10メートル、3番は5メートルと連続して長いパッティングが入り一気にトップに駆け上がる。6番パー3では風の読み違いで、ティーショットをグリーンオーバーして唯一のボギー。それでも8番パー5では2オンに成功。堂々のバーディでスコアを戻して、首位の座についた。

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ウィラチャンは日本シニアツアー参戦7年目を迎える。これまでノジマチャンピオンカップには4度出場しているが、初年度に出場したノジマの最終ラウンドで68をマークして以来、2度目の60台をマーク。「今日は風のジャッジも難しかったのですがラッキーもありました。ショットもパットもグッドな一日でした」と笑顔で振り返った。ウィラチャンの奥様も来日しており、今回は帯同キャディを任せていることも好スコアにつながっているようだ。

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トップタイ三人目はタマヌーン・スリロット(55)。2023年に日本プロシニア初出場で大会優勝という快挙を達成した強者である。シード選手として挑んだ2024年は12試合中6試合でトップ10入りして賞金ランキング13位につけている。

スリロットにとってもノジマチャンピオンカップが日本シニアツアーの開幕戦。インからスタートして前半で3つスコアを伸ばすと、3番ではティーショットがバンカーにつかまりボギー。それでも最後まで集中力を切らさず、上り2ホールで連続バーディをしとめて67でまとめ4アンダー首位タイでフィニッシュした。

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実は母国タイでは1月下旬からタイシニアツアーのシーズンがスタート。今季はすでに5試合に参加して3勝をマークし、すべてトップ3入りを果たしているという驚異の強さが光る。タマヌーンの武器は高いショットで距離をつくるが、この日は強風の予報もありドライバーのライ角度を1度立ててローボール作戦を決行。「ボールをフェアウェイに置けば、プリファードライも使えます。そうすると精度が上がるので良い結果につながるから」と一日を振り返った。

「風にぶつけてボールを止まらせることができるのも、タマヌーンのテクニックなんですよ」と通訳の内藤さん。空中戦を得意とするタマヌーンが、勢いのまま今季日本初戦となるノジマチャンピオンカップを制するか。「最終日はボギーを打たないように考えてやるだけです。欲をかかないように、だけですよ」と力強く口にしたのだった。
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著者プロフィール

PGAはゴルフの正しい普及と発展を願い、誰にでも愛される「国民のスポーツ」「生涯スポーツ」となるため、日本ゴルフ界のリーダーとして活動しています。PGAの使命は、トーナメントプレーヤーの育成、ゴルフ大会の開催・運営に加え、ゴルフの正しい普及と発展を具現化するために、ティーチングプロ資格を付与したゴルフ指導者を育成しています。さらにPGAでは幅広い分野で積極的な取り組みを行い、地域に密着した社会貢献活動、ジュニアゴルファーの育成など多方面にわたる取り組みを日々歩み続けています。

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