【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!NTTリーグワン2024-25 D2 第11節 対日野RD戦

チーム・協会
初めましての人もこんにちは。
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。

4月11日(金)、NTTジャパンラグビーリーグワン2024-25 ディビジョン2第11節目、日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)との試合が、福岡県にある“東平尾公園博多の森陸上競技場”で行われました。

【©N.TAKAYAMA】

今シーズン、福岡で開催されるホストゲームとしては最後となった本試合は、普段の週末とは異なり、金曜日の夜に開催されるナイトゲームとして実施されました。
イベントにはJAZZ演奏者をゲストに迎え、“FRIDAY RUGBY JAZZ NIGHT”として特別感のある一戦に。
また、試合前には4月に九州電力へ入社し、ヴォルテクスに加入した新入部員の紹介も行われ、会場はキックオフ前から大いに盛り上がりを見せました。

試合前に挨拶をする新加入の3選手。左【西 浩斗選手 ウイング】、中央【吉田 輝雅選手 センター】、右【藤田 幹太選手 フッカー】 【©N.TAKAYAMA】

対戦相手の日野レッドドルフィンズとは、1月の第4節で一度対戦しており、その際は30-25でヴォルテクスが勝利。
とはいえ5点差という接戦だったこともあり、今回も油断ならない相手です。
これまで積み上げてきたチームの力をぶつけ、前回に続く勝利を目指します。


日野RD戦の試合メンバーはこちら
https://www.kyudenvoltex.com/game/p140


《試合内容・結果》

今シーズン初となったナイトゲーム。陽がすっかり落ち、ほぼ満月の月が顔を覗かせる中、平日の夜ということもあり、仕事終わりに足を運んでくださった方々の姿も多く、いつもとは少し違った雰囲気のスタジアムが熱気に包まれます。
そんな特別なシチュエーションでも、試合に向けた準備やメンタルはいつも通り。勝利に向けて積み重ねてきた努力を、あとは全力で相手にぶつけるだけ。空は快晴、風もほとんどない中、試合開始の笛が響き渡りました。

試合は最高の立ち上がりを見せたヴォルテクスが、開始早々に怒涛の得点を重ねます。前半4分、ペナルティゴールで先制点を奪うと、その後も得意のアタックでプレッシャーをかけてくる日野RDに対し、ヴォルテクスは攻めのディフェンスで応戦。その中で光ったのが、15番・加藤誠央選手と10番・トム・テイラー選手によるインターセプト。
見事な読みと鋭い出足から2度のパスカットに成功し、そのまま独走トライ。スコアを一気に17-0とし、スタジアムは大いに沸きました。

相手のパスをインターセプトしてトライに向けて独走する加藤誠央選手【15番 フルバック】 【©N.TAKAYAMA】

そのまま勢いに乗って突き放したいところでしたが、徐々に日野RDのアタックが勢いを増し、ディフェンスに綻びが生じます。前半23分から33分にかけて立て続けに3トライを許し、17-19と逆転を許す展開に。しかし、前半終了間際に相手の反則を誘い、ペナルティゴールで再逆転。
スコアを20-19として前半を折り返します。

キッカーとして6本全てのゴールキックを成功させた萩原蓮選手【11番 ウイング】 【©N.TAKAYAMA】

迎えた後半、先に得点を挙げたのは再びヴォルテクス。後半11分、ラインアウトモールを起点に着実に前進し、最後は13番・シオネ・リクアタ・テアウパ選手がトライ。ゴールキックも成功し、スコアを27-19と再びリードを広げます。
しかし後半17分、日野RDにトライを返されスコアは27-24。それでも、すぐに得たペナルティゴールのチャンスを確実にものにし、30-24と突き放します。ところが、後半30分にはディフェンスのスペースを突かれ再びトライを許し、30-31と逆転されてしまいます。
残り10分、点差はわずか1点。

試合内容はまさにシーソーゲーム。
最後まで気を抜けない展開中、ここで魅せてくれたのが10番・トム・テイラー選手。連続攻撃で相手陣深くまで迫る中、素晴らしい位置取りから意表を突くドロップゴールを決め、会場をどよめかせます。スコアを33-31とし、再逆転に成功。
この試合最大の盛り上がりを見せます。

相手のパスをインターセプトした後、独走してトライを決めたトム・テイラー選手【10番 スタンドオフ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

そして迎えた終盤。点差は2点。ヴォルテクスはペナルティゴールすら許せない状況の中、両チームとも一歩も引かない激しい攻防が続きます。しかし後半39分、日野RDの連続アタックから少しずつ前進を許し、最後は巧みにオフロードパスを繋がれトライを奪われスコアは33-36。
その直後に試合終了のホーンが鳴り、接戦を落とす悔しい逆転負けとなりました。


《個人的見解と次戦に向けて》

試合の入りとしては、先制点を皮切りに連続得点を重ねる最高のスタートを切ることができ、チーム全体が勢いに乗る展開となりました。また、日野RDに対しプレッシャーをかけた場面では相手にペナルティを誘発させ、ヴォルテクスのキッカーを務める萩原蓮選手が難しい角度からのゴールキックをすべて成功させるなど、観る者の心を震わせる素晴らしい得点シーンがいくつも生まれました。

何度も力強いボールキャリーを見せた園中良寛選手【19番 ロック】 【©N.TAKAYAMA】

しかし今回の日野RD戦では、ヴォルテクスの強みであるディフェンスにおいて綻びが目立ち、相手の得意とするアタックを止め切れず、終始受け身の展開が続いてしまったことは大きな反省点です。結果として、前節のS愛知戦に続き2戦連続で試合終盤の接戦をモノにできず、逆転を許して敗れる悔しい結果となりました。
もう、負けは十分です。この敗戦を糧に、さらにタフに、さらにアグレッシブに。そして、自分たちの誇りとプライドを胸に、強みを強みとしてどこまでも貪欲に勝利を追い求め、掴み取るための努力を積み重ねていきます。

《今週の個人的Pick up Player》


今回、私が選ぶPick Up Playerは2人。

1人目は、ヴォルテクスNo.1の体格と筋力を誇る大野和真選手(以下、大野選手)。ヴォルテクス随一の体格と筋力を誇り、セットプレーではその圧倒的なパワーでチームに安定をもたらしてくれる縁の下の力持ち。
さらに、見た目からは想像できない加速力も持ち味で、走り出すとバックス並みのスピードを見せる一面も。

2人目は、チーム随一のユーティリティフォワード・木付丈博選手(以下、木付選手)。No.8、ロック、フッカー、そして現在のプロップと、フォワードのほぼ全ポジションを経験したスーパーユーティリティ。
強さと柔軟さを兼ね備えたプレーで、迫り来る相手をタックルでバタバタと倒し、セットプレーでは相手に圧をかけながら前進の流れをつくってくれます。
今回は、そんな2人の選手にスポットを当てて紹介していきます。


まず最初に紹介するのは大野選手。

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/292

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

山口県出身、豊北高校から福岡大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した大野選手。
ヴォルテクスに加入して9シーズン目になる選手です。

大野選手のポジションは、私と同じプロップ。その中でも背番号3番の「右プロップ」として活躍しています。体重120キロをゆうに超えるその恵まれた体格を武器に、スクラムではまさに圧巻の存在感。
少々押し込まれそうな局面でも、全身のパワーを爆発させて、正面の相手はもちろん、その後ろのロックの位置まで押し返しまくり上げる場面も。割って入るその姿はまるでブルドーザー、いや、「進撃の大野」と言っても過言ではありません。

モールでは核となり、相手の力を逆手に取りながら前へ前へ。ボールを持てば、まるで相撲の立ち合いのような爆発的な加速でトップスピードに到達し、そのままタックルごと吹き飛ばす。
その衝撃はまさに「巨漢ロケット」。生半可な覚悟でタックルに行こうものなら、むしろこっちが吹っ飛ばされてしまう危険すらある破壊力です。
「プロップは目立ちにくいポジション」なんて言わせない。
チームの前線で、存在感を放っています。

そんな大野選手の趣味はなんと「ダイエット」。かつては体重140キロ超えという“全盛期”を誇りましたが、地道な努力を積み重ね、夢と脂肪に別れを告げた結果、現在は123キロまでの減量に成功!しかも、体重は減ってもパワーは落ちるどころか、むしろ向上。
見事な進化を遂げ続けています。
ちなみに特技は「リバウンド」。気を抜けば体重は秒速で元通りになる自信があるそうで、「これまでに散っていった、ありったけの夢をかき集めるのに、時間はかからない」と笑います。でも、それをあえてしないのは、ラグビー選手としての自覚と、チームで勝利を目指す強い意志があるからこそ。
週末にはサウナで汗を流し、香椎周辺を散歩して体を整え、おいしいものを食べて心身ともに超回復。好きな食べ物はお肉と白ごはん。もしチームで大食い大会が開催されたら優勝候補筆頭は間違いなく彼です。

そんな大野選手、実はラグビーを始めたのは大学からで、高校まではサッカー部のキーパーとして活躍しており、今の瞬発力や身のこなしは、当時の経験から来ているのかもしれません。
さらに高校時代には、相撲の国体選手だった1学年上の先輩とふざけて取っ組み合いをしたところ、なんと勢い余って、きれいな上手投げでぶん投げてしまったというエピソードも!この一件がきっかけで、未経験ながら山口県の国体相撲選手候補に声がかかったほど。当時は怪我で出場は叶いませんでしたが、もしかしたら相撲界でも名を馳せていたかもしれません。
何事にもパワフルで、仲間や子どもたちへの面倒見もバツグン。そして、目標に向かって一直線に努力を重ねるその姿勢は、まさに“縁の下の力持ち”を体現するプロップそのもの。
これからの大野選手の活躍に、要注目です!


次に紹介するのは木付選手。


プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/299

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

熊本県出身、荒尾高校(現:岱志高校)から帝京大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した木付選手。
大野選手と同じくヴォルテクスに加入して9シーズン目になる選手です。

木付選手のポジションも、私や大野選手と同じ「プロップ」。その中でも背番号1番を背負う「左プロップ」として活躍しています。
もともと様々なポジションを経験してきたこともあって、そのプレースキルは幅広くてハイレベル。セットプレーでは圧巻のパワーを見せつける一方、相手のスキをつく鋭いランや、スペースを見極めて味方を活かすパス、さらには体格を活かした圧のあるタックルでチームに勢いをもたらしてくれます。「えっ、プロップってこんなに器用だったっけ?」と見る者に思わせるプレーが持ち味です。
練習後には「もうちょいスクラムのスキル練しませんか?」と声をかけてくれ、一緒にあーだこーだと意見を交わしながら細かい部分を詰めていく日々。納得いくスクラムを組むため、ひたむきに努力を重ねる姿には、同じポジションとしても刺激を受けっぱなしです。

実は、木付選手のことは高校時代から知っていました。なんと、高校・大学と偶然にも私と同じ進路。彼が荒尾高校に在学中、私も何度か母校に顔を出していて、そのときはNo.8として活躍していました。当時は今よりもスラッとしていて(本人談では「今もスラッとしてる」らしいですが)、それでも芯の強さと持ち前のパワーで、下級生の頃から存在感を放っていたのをよく覚えています。
社会人では一度別の道に進んだものの、縁あって今こうして同じチームでラグビーができていることは、とても嬉しいです。一方で、同じポジションのチームメイトとして、「負けてられん」と私の努力の原動力にもなってくれています。

そんな木付選手のリラックス法は、録り溜めたドラマやバラエティを一気見して現実逃避トリップ。そして、美味しいものを食べて心も体もフル回復するのが定番スタイル。
ちなみに、嫌いな食べ物は無し。
肉・魚・米・野菜、なんでもござれ。「全部まとめてかかってこい!」という勢いで、美味しく平らげます。
ちなみに先ほど大野選手の紹介の際に「大食い大会があれば優勝候補」と書きましたが、実はこの木付選手も、黙ってはいません。肉を焼き続ければ、制限時間ギリギリまで楽しみ続ける“鉄の胃袋”の持ち主。普段は体調管理のために食事を制限しているそうですが、もしその制限を解き放ったら、食べ放題のお店が震えるレベルかもしれません。。
ちなみに、私もそれなりに食べる方ではありますがどこまで対抗できるのか。。そして木付選手と一緒にご飯を食べに行って、「もうお腹いっぱいです」という言葉を聞いたことは、未だかつて一度もありません。いつかフロントローで集まって大食い大会、やってみたいですね。
優勝は誰でしょうか。
僅差の激戦になりそうです。
自分に必要なことに愚直に向き合い、黙々と努力を積み重ね続ける木付選手の活躍に要注目です!


《最後に》

次のリーグワン第12節は、4月18日(金)に大阪府にある「東大阪市花園ラグビー場」で花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)と対戦予定です。

2月に行われた第6節では、花園Lに12-39で敗戦を喫しました。
同じ相手に二度も負けるわけにはいきません。

今シーズンもいよいよ終盤戦に突入し、次節の花園L戦を含めて残すところあと3試合。
現在、ヴォルテクスはディビジョン2で8チーム中5位につけていますが、下位4チームの勝ち点差はごくわずか。
残り一戦一戦が重要な意味を持つ中、もう一つも落とすことはできません。
今回の日野RD戦での反省を活かし、ヴォルテクスとしてのプライドを胸に、やるべきことをやり切る。
そして花園Lにリベンジを果たし、より上位の順位を目指して最後まで全力で走り抜きます。

切れ味鋭いステップとボールキャリーでチームに勢いを出してくれた古城隼人選手【22番 センター 】 【©N.TAKAYAMA】

ぜひ会場にて引き続き皆様の熱い応援の程、宜しくお願い致します!



『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。
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著者プロフィール

国内最高峰のラグビーリーグ「リーグワン」に所属するラグビーチーム。九州全域(全県)をフレンドリーエリアとし活動しています。

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