川崎市から神奈川県へ拡大。フロンターレとサーモスが広げる笑顔の輪

川崎フロンターレ
チーム・協会

【©KAWASAKI FRONTALE】

川崎市内の子ども食堂等、地域食堂の中間支援団体であるNPO法人かわさきこども食堂ネットワークの抱える課題解決に向けてフロンターレが支援を開始して4年目。今年は川崎市内に限らず神奈川県内へ──。昨年より本活動に参画しているオフィシャルパートナーのサーモス株式会社の協力を得てサーモス製品のフライパン200枚を神奈川県の子ども食堂等66か所に寄贈することが決まった。

66か所へフライパン200枚を寄贈

神奈川県内で贈呈式を実施。(左から川崎フロンターレ:黒木透さん、サーモス株式会社 西郡光隆さん、神奈川こども食堂・地域食堂ネットワーク 早川仁美さん、佐藤由加里さん) 【© KAWASAKI FRONTALE】

昨年もサーモス株式会社が流通過程で外箱やパッケージが破損するなどし、使用上の支障は無いながらも販売が難しくなった製品を川崎市内の子ども食堂に提供した。当時は調理器具の寄贈は全国的に見ても初めての試みで、現場スタッフも取材時に「新品をいただけるのは初めて。本当に助かりますし、私たちも料理を作るモチベーションが上がります!」と嬉しそうな顔を見せていたのが印象的だった。今年はその笑顔が神奈川県内に広がる。

特にフライパンは消耗品。たとえば揚げ物を調理する場合はどんどんフッ素コーティングが剥がれてしまい2年ほどで買い替えることが多いという。また場所によっては小さいフライパンだと1日に大量の料理を作らなければいけないため調理時間が倍にかかってしまうことも。そういった現状があるなかで高性能かつ長持ちし、大きいサイズで深いタイプのフライパンの寄贈は大きな助けになる。だからこそサーモス株式会社は川崎市のみならず神奈川県内へ笑顔を広げたいという思いでフライパンを寄贈した。

「昨年は川崎市内の多くの子ども食堂でお使いいただき、今年はより多くの子ども食堂でご利用いただけるように神奈川県での寄贈を計画いたしました。サーモスの多くのフライパンは深型が特徴になっており、子ども食堂における大人数向けの調理にも適しております。一度に多くの量を調理することができ、スタッフの方が効率的に活動でき、さらに提供できるメニューの幅が広がることにつながれば幸いです。今回の寄贈を通して、神奈川県内の子ども食堂で笑顔の輪が広がることを願っています」(サーモス株式会社 社長室 経営企画課 マネジャー 西郡光隆さん)

サーモス株式会社から神奈川県内にある子ども食堂へフライパンを贈呈 【© KAWASAKI FRONTALE】

贈呈されたフライパンで作った甘辛チキンスティック 【© KAWASAKI FRONTALE】

そんな思いが乗ったフライパンを受け取った神奈川こども食堂・地域食堂ネットワーク世話人の佐藤由加里さんも感謝の気持ちを言葉に表した。

「子ども食堂の開催にあたって限られた調理環境において短時間で調理する必要があり、調理の段取りやメニューで苦心されておられます。大きなサイズの調理器具は一度にまとまった量の調理をすることができ、お手入れも方法もとても簡単。このような調理器具が増えることにより子ども食堂を支えてくださるボランティアスタッフの負担軽減につながりますし、時間に余裕ができることで、参加している子どもたちと触れ合う機会が増えるのではないかと思います。当ネットワークに参加している子ども食堂・地域食堂等を代表し感謝申し上げます」

「子ども食堂の笑顔を絶やさない」

多くの方が訪れた子ども食堂。この日はテイクアウトも含めて約200食を調理 【© KAWASAKI FRONTALE】

実際に寄贈したフライパンを使用している子ども食堂へ伺うと、元気いっぱいな子どもたちが楽しそうに食事をしていた。ファミレスと違い仕切りがないため、顔見知りでなくても相席になって気軽に交流ができるのだそう。ここで新たな友人ができ、なにか親御さん同士で相談して友達になったり。まさに子ども食堂だからこそ見られる光景にサーモス株式会社の西郡さんも目を細めていた。

「こちらの子ども食堂には、初の訪問ですが皆様が本当に楽しまれているところを見ることができました。色んな思いをもってご家族の方々が来られていると施設の方からお話を聞き、子どもたちの笑顔を絶やさないようにさらに支援を進めていきたいと改めて感じました」

フロンターレとしても川崎市内から神奈川県内に活動の場を広げるのは大きな一歩。今回はホームタウンではない地域の子ども食堂への支援だが、困っていることは全国共通だ。そこでアクションを起こすのがクラブの強み。今後もホームタウンの垣根を越え、各Jリーグクラブと対話を重ねながら神奈川県内の子ども食堂を支援する。

(取材:高澤真輝)
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著者プロフィール

神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。J1での年間2位3回、カップ戦での準優勝5回など、あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたことから「シルバーコレクター」と呼ばれることもあったが、クラブ創設21年目となる2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2023年までに7つのタイトルを獲得。ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れており、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けている。

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