【スキー】アルペンスキーW杯最終戦終了 シーズンの振り返りと来季に向けて ー日本女子チーム編ー
【スキー】アルペンスキーW杯最終戦終了 シーズンの振り返りと来季に向けて ー日本女子チーム編ー
男子はマルコ・オーダマットが総合4連覇に加え、滑降、スーパーG、GSの出場種目総なめの「四冠」、SLはヘンリック・クリストッファーセンが3年ぶり4度目の種目別タイトルを獲得しました。
昨年正月の左足首骨折からの回復が遅れ、11月フィンランド・レビでのW杯スラローム(SL)初戦にはコンディション調整が間に合わなかった安藤麻選手、11月末のキリントンSLからの出場を模索していましたが、W杯で戦うレベルの練習が不足していたため、12月の中国からレースに出
場し、2戦とも優勝。
23.00のFISポイントを獲得するところからのスタートで、W杯参戦は自身1年ぶりの年末オーストリア・センメリング(W杯SL第4戦)からでした。
年が明けての2戦目、オーストリア・フラッハウで60番スタートから今季初の2本目進出を果たすも、2本目前半でポールに入りきれずコースアウト、結果は残念なものでしたが、
「フラッハウで少し自信がついた」と工藤昌巳チーフコーチは「上昇」へのステップを感じていました。
その後1月末のフランス・クーシュベルSL第7戦をスキップして、韓国でのファーイーストカップ(FEC)で3連勝、15.25と15.00 のFISポイントを取り、それが世界選手権後のW杯の成績にもつながりました。(第8戦セストリエール30位、第9戦オーレ26位、共に36番スタート)今季は世界選手権、W杯5戦、ヨーロッパカップ(EC)6戦を含む23レースに出場した安藤麻選手ですが、「FISポイントとW杯の成績がリンクして、いいモチベーション(を保ったまま)でシーズンを終えることができました」と、工藤昌巳チーフコーチは来季への手応えを感じています。
工藤昌巳チーフコーチは、
「グルグルとクラニスカ・ゴラ(のW杯)は良い滑りをしてくれました(1本目37位と32位)。自分の実力を出し切ることができれば、チャンスはあります。 ECではスタート順は良かったものの、上位に行けなかったのが反省点です。1月のECで転倒、脳震盪で帰国するアクシデントもあり、(腰を据えて臨めたとは言えない)不安定なシーズンでしたが、(シーズン終盤に)FISポイント15.00を獲得して来季W杯のスタート順30番台前半を確保したことは評価できると思います。」
工藤昌巳チーフコーチは、「(渡邉選手は)まだヨーロッパで力を発揮するための経験ができていません。彼女のステップアップに必要なヨーロッパカップを中心としたレース転戦を行いながら育成していく態勢を作ることができず、いいパフーマンスを発揮するための活動ができなかったシーズンでした」と反省を語ってくれました。
来季も安藤麻、前田知沙樹、渡邉愛蓮選手を中心に「WCスターティングリスト30番以内に入ることと、ファイナル進出を目標にする日本女子チームですが、目標達成のためにはチームトップ選手のレベル引き上げが必要なのは言うまでもありません。
ボトムアップももちろん重要ですが、それを主眼に置くのではなく「強い人はどんどん上を目指していかないといけない、『平たい強化』だけではトップクラスの選手は生まれない」と、工藤昌巳チーフコーチは力を込めます。
今季、W杯グルグルSL2位、クラニスカ・ゴラGS2位、オーレGS3位と3度の表彰台、総合8位、種目別GS5位、SL10位のララ・クルットーリ(18歳)は、セルデン開幕戦前に90から100日の雪上滑走をこなしてシーズンを迎えるそうで、そのような他国選手との練習量の違いも、日本チームにとっては克服していかなければならない課題の一つです。
「W杯開幕戦前までに、(現実的に)最低でも50日間の雪上滑走が必要と考えています」と話す工藤昌巳チーフコーチ、来季のW杯、オリンピックへの準備はもうすでに始まっています。
2020年12月、安藤麻選手がフランス・クーシュベルで22位を記録して以来、W杯GSで順位のない日本女子チーム、SLだけでなく、GSの強化も急務です。
文:田中慎一郎
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