無敗の地元馬ミトノドリームに、全日本2歳優駿5着のジュゲムーン(高知)など好メンバー!ポイントは人馬のコンビの長さ!?/佐賀・ネクストスター西日本データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

ネクストスター西日本 【佐賀県競馬組合】

第2回 ネクストスター西日本 (近畿・四国・九州地区交流、3歳、ダート1400m)
3月23日佐賀6レース 18時05分発走予定


昨年、ダート路線の整備により新設された「ネクストスター西日本」。近畿以西の3場(園田・姫路、高知、佐賀)による持ち回り制で、第1回の昨年は園田競馬場で、今年は佐賀競馬場で行われる。
レースの立ち位置としては、ゴールデンウィークに開催される兵庫チャンピオンシップ(JpnII、園田ダート1400m)に繋がる一戦。各所属場同士の力比較がポイントともなるため、過去に似た条件で行われていた西日本ダービーの過去8回(2016年~2023年)のデータや、舞台となる佐賀ダート1400mの2024年データを元に分析する。

第1回の昨年の傾向は?

まずは第1回の昨年のおさらいから。勝ったリケアサブル(高知)は兵庫ユースカップに続き遠征で重賞連勝。地元ではネクストスター高知、金の鞍賞と続けて2着で、重賞タイトルに手が届きかけていたが、立ちはだかったのがのちの高知三冠馬プリフロオールイン。昨年の高知3歳は他にもシンメデージー(のちにダートグレード競走で地方最先着となること4回)など、超豊作だったことを考えると、ネクストスター西日本で高知所属馬が1~3着を独占したことも納得だろう。
なお、上位3頭はいずれも重賞2着以内の実績があった。

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2024年ネクストスター西日本 結果 【表1】

持ち回り重賞は必ずしも地元馬有利ではない

ネクストスター西日本は兵庫、高知、佐賀の3歳交流レースで、持ち回り制のため毎年、実施競馬場が変わる。似た条件として「西日本ダービー」が2016年~2023年にかけて持ち回り制で行われていた。こちらは前述3場だけでなく名古屋、笠松、金沢も加えられていたこと、さらには「各場の生え抜き」という特殊条件もあったが、3歳馬の所属別での力比較をする上で一つの基準となりそうだ。
そこで西日本ダービーが行われていた過去8回での所属別成績が下表。
最も勝利を挙げたのは兵庫で、第1回の地元開催をマイタイザンが制したほか、18年金沢開催でコーナスフロリダ、21年名古屋開催でスマイルサルファーと、他場開催でも勝利。他に優勝馬を輩出した高知や金沢、佐賀も他場開催での勝利経験があり、必ずしも地元馬有利というわけではなかった。
なお、創設年から優勝馬の所属場は順に兵庫、高知、兵庫、高知、佐賀、兵庫、金沢、金沢。後半は金沢所属馬の連覇だった。

西日本ダービーの所属別成績 【表2】

有力馬揃い、上位人気が堅実な走り

西日本ダービーでは単勝3番人気以内が【7、5、4、8】で勝率29.1%、連対率50%、3着内率66.6%。各地から有力馬が揃うとあって、上位人気の信頼が高い一戦だった。最も人気薄での勝利は20年笠松開催のエアーポケット(佐賀)で5番人気。距離適性の高さを追い風につけた。

西日本ダービーの単勝人気別成績 【表3】

リーディングよりもコンビの長さ

下表は西日本ダービーを勝ったことのある騎手一覧。全国各地で活躍をする吉原寛人騎手は地元馬ショウガタップリ(金沢)のほか、2回目の騎乗だったエアーポケット(佐賀)でも勝利を収めている。
全体的な傾向としては、ずっとコンビを組んできた人馬が勝利傾向にあり、騎手を基準に選ぶなら、リーディング順位よりもその馬とのコンビの長さだろう。

西日本ダービーの騎手別成績 【表4】

枠の有利不利は少ない

ここからは舞台となる佐賀ダート1400mについて見てみる。下表はこの舞台での馬番別成績(2024年)。枠による大きな有利不利はないが、3着内率30%を超えるのは2番、4番、7番、8番。大外12番は極端に好走率が低く見えるが、佐賀ではフルゲートになることは多くなく、サンプル数は約5分の1のため、参考外でいいだろう。

馬番別成績 【表5】

馬場傾向によっては差しが届く

同じくこの舞台での脚質別成績は下表の通り。基本的には逃げ・先行有利なコースではあるが、小回りコースながら差しも届くのが佐賀競馬場。
前開催の3月15日の馬場傾向について、スポーツナビの「さがけいばニュース」によると「前半戦はなかなか逃げ馬が馬券に絡まず、逃げ馬苦戦傾向でしたが・・・6R以降から逃げ馬も好走するように。終日、差し馬の台頭もあり、直線は外が伸びている印象でした」とのことで、馬場傾向次第では差しを積極的に取り入れてもいいだろう。

脚質別成績 【表6】

データからの推奨馬は?

①上位人気馬
②長くコンビを組む人馬
③重賞2着以内

※遠征馬の大幅割引は不要

今年の中心はミトノドリーム(佐賀)だろう。佐賀でデビューし、無敗の3連勝中。陣営は早くから九州優駿栄城賞を大目標に掲げており、そこから逆算して11月4日にネクストスター佐賀を勝った後は計画的に休養に出た。滋賀県の坂路のある育成牧場で乗り込まれ、先々週の3月5日に帰厩。「背が高くなっている」と平山宏秀調教師談だ。
遠征組との力関係がどうかだが、石川慎将騎手はデビューからコンビを組んでおり、相棒を熟知。①②③すべてに当てはまる。

遠征馬で最も強力な存在はジュゲムーン(高知)。門別でJRA認定アタックチャレンジを含む3連勝を果たした馬で、高知所属馬として初戦となった全日本2歳優駿JpnIで後方から上がり3ハロン最速で差して5着。ブルーバードカップJpnIIIでも上がり最速で5着とダートグレード戦線で存在感を示す。まだ地元では1戦しか走っていないが、その前走が圧巻だった。元JRAオープン馬のピンシャン相手に3馬身差をつけての勝利で、勝ちタイム1分30秒2(高知ダート1400m、良)は破格のタイム。同日の古馬A1クラス(いわゆるオープン)よりも約1秒速く、古馬重賞で好勝負ができるものだった。赤岡修次騎手とはその前走に続き今回がまだ2回目のコンビだが、走破タイムから力は抜けた1頭。地方馬同士なら先行ポジションにはつけられるだろうから、展開や馬場傾向に左右されることも少ない。①③に該当。

エイシンハリアー(兵庫)は兵庫ユースカップの勝ち馬。同レースは昨年覇者のリケアサブルが勝った一戦で、馬場状態の違いはあるものの勝ちタイムは遜色ない。門別でデビュー勝ちを収めていることからも素質の高さが窺え、兵庫移籍後は一貫して小牧太騎手がコンビを組む点も好材料。①②③すべてに当てはまる。

他に③からは園田ジュニアカップ2着のキングスピカ(兵庫)でこちらは②にも該当。また、フォーマルハウト賞(牝馬限定、地方全国交流)を10番人気ながら2着に食い込んだビービーシャルム(佐賀)も該当する。

第2回ネクストスター西日本 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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