メークドラマのカギは伝統と誇り。フォワードの強さを生かし、何が何でも前へ出る
前回の両者の対戦は、前半に6トライを奪われたトヨタVが後半猛追したものの、あと1本のトライが奪えずに40対44で惜敗。トヨタVは伝統的にフォワードの強さを誇りにしているが、それを相模原DBに上回られた形で、チームがショックを受ける敗戦だった。
ただ、これまで歴史を紡いでくれた先輩たちのためにも黙っていられるはずはない。フロントローはシーズン中でも関係なく、厳しいウエイトトレーニングに励んできた。その成果が現れたのは前節の東芝ブレイブルーパス東京戦。後半の20分にトライライン直前の相手のペナルティで、選択したプレーはラインアウトではなくスクラムだった。
日本代表のキャップを持つ三浦昌悟は、「ナギー(アーロン・スミス)が『フォワード、いけるか』って聞いてきたので、フォワード全員で自信をもってスクラムをチョイスしました。先週の練習からフォワードパックとしてすごくいい準備ができていましたし、フォワードバトルにこだわることで、もっとチームにエナジーを与えたかった」と、その場面を振り返る。
チームの指揮を執るスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ/D.O.Rも「スクラムに関してはすごく良かった。次への自信としてつなげていきたい」と手ごたえを感じた様子。勝利は手にできなかったが、メークドラマの種はつかんだ。
三浦はさらに語る。「ここ最近、トヨタVの強みを見失っていた部分があって、どこかできれいにプレーしようと考え過ぎていました。でもやっぱりトヨタVの伝統はフォワードの強さですし、泥臭くそこにこだわって、何が何でも前に出るというところを意識しています」
今節は目指していたものとは真逆の残留争いという大一番ではある。ただ、原点に戻ったトヨタVがリベンジに成功すれば、プレーオフトーナメントに進出ができる“奇跡の6位”が見えてくるかもしれない。
(斎藤孝一)
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