【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!NTTリーグワン2024-25 D2 第8節 対GR東葛戦

チーム・協会
初めましての人もこんにちは。
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。

3月15日(土)、NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン2第8節目、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)との試合が、福岡県にある“東平尾公園 博多の森陸上競技場”で行われました。

試合前に会場入りする選手お出迎えの様子 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

ヴォルテクスは、前節の敗戦をただの悔しさで終わらせることなく、そこから学び、反省し、2週間ひたむきに努力を積み重ねてきました。勝利を掴むために、一人ひとりが自分と向き合い、チームとしての精度を高める日々。
迎えた先週末のLR福岡戦。
この試合を通じて、ヴォルテクスはさらなる成長を遂げ、確かな手応えを掴無事ができたと思います。チームとしての結束はより強固なものとなり、勝利への勢いを増して、今節の戦いに挑みます。
そして、その2週間の努力は、試合の入りから鮮やかに証明されるはずです。前節のGR東葛戦とはまるで違う、研ぎ澄まされた動きと圧倒的な気迫を試合の立ち上がりから存分に示します。


GR東葛戦の試合メンバーはこちら
https://www.kyudenvoltex.com/game/p137

《試合内容・結果》

後半戦の初戦となる第8節。対戦相手は前節と同じGR東葛ですが、舞台は福岡・ヴォルテクスのホストゲームへと移ります。
前日まで徐々に春の陽気が続いていましたが、週末に入ると一転、気温は急降下。さらに雨と強風が追い打ちをかけ、体感温度は一気に下がる。
しかし、観客の熱気と期待が寒さをも吹き飛ばし、迎えたキックオフ。GR東葛の蹴り出したボールとともに、後半戦の戦いが幕を開けます。

試合の幕を開ける先制点を奪ったのはヴォルテクス。試合開始直後から相手に執拗なプレッシャーをかけ続け、幾度となくミスを誘発。さらに強風を追い風に変え、戦略的なキックを駆使してGR東葛のペナルティを引き出します。
後半8分、そのチャンスを逃さず、11番・萩原蓮選手がペナルティゴールを成功させ、スコアを3-0に。続く前半11分、相手のキックしたボールが転がると、素早く反応した3番・上杉太郎選手が猛然と追いかけてキャッチ!相手のタックルを受けながらも絶妙なオフロードパスを通し、受けた選手もまたタックルを受けながらサポートに来た選手へと繋げる。何度もパスが重なりながら前進し、最後は7番・コルビー・ファインガア選手がボールを受け取り、一気にポスト中央へ駆け抜けてトライ!コンバージョンキックも決まり、スコアを10-0とします。

先制トライを決めたコルビー・ファインガア選手【7番 フランカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

その後もヴォルテクスは勢いそのままに、エナジー溢れるアタックで相手陣に攻め込み続け、さらにペナルティゴールで3点を追加。途中、相手にトライを奪われる場面もありましたが、前半31分には幅広い連続アタックから10番・トム・テイラー選手が大外のスペースへ一気に加速。ディフェンスを振り切りトライを奪うと、前半終了間際にもペナルティゴールを成功させ、スコアは21-7。ヴォルテクスがリードを握ったまま前半を終えました。

相手を振り切りトライを決めたトム・テイラー選手【10番 スタンドオフ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

ハーフタイムでは、前半と後半でエリアが変わることで影響を与える、強風の戦い方を再確認。また、前半の課題を整理し、後半に向けた修正点と戦略を共有し、勝負の後半戦に備えます。


後半、ヴォルテクスは風下の不利な状況の中、エリアを意識した多彩なアプローチで挑みます。しかし、先に後半のスコアを動かしたのはGR東葛。
後半6分、ラインアウトから近場を連続アタックされ、わずかに生まれたスペースを突かれてトライを奪われます。さらに後半11分にも追加トライを許し、スコアは21-21。
試合は振り出しに戻ります。

今シーズン初出場を決めたショーン・ロビンソン選手【5番 ロック】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

このまま相手を勢いに乗せるわけにはいかないヴォルテクスは、ここから反撃開始。
相手にプレッシャーをかけ続け、ラインアウトからボールを奪い返し、そのままトライまで繋げたかと思われましたが。。直前の浮いたボールの競り合いでわずかに先に触れてしまい、ノックフォワードの判定。
惜しくもトライは認められず。
しかし、気持ちは切らしません。
何度も何度も相手陣に攻め込み続け、ついにまたもペナルティを獲得!確実にペナルティゴールを決め、スコアは24-21。再びリードを奪います。

強風で難しい状況の中ペナルティゴールを何本も決めた萩原蓮選手【11番 ウイング】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

しかし後半28分、再びトライを奪われ24-28と逆転を許しますが、それでも諦めないヴォルテクスは、後半33分、相手のミスを見逃さずペナルティを獲得。冷静にキックを沈め、27-28の一点差に迫ります。

試合は終盤、残り時間はあとわずか。ヴォルテクスは逆転を目指して猛攻を仕掛けるも、ラインアウトモールからGR東葛にトライを決められ、スコアは27-35。点差は8点、残された時間はあとわずか。
最後まで諦めないヴォルテクスは懸命に攻め続け、試合終了間際にペナルティゴールを成功させるも、ここでタイムアップ。最終スコアは30-35。
あと一歩届かず、試合終了となりました。

《個人的見解と次戦に向けて》

2戦連続で同じ相手と戦った今試合。前節ではGR東葛に大量得点を奪われ、ヴォルテクスはわずか1トライに抑えられ、7-48と大敗を喫しました。あれから2週間。
悔しさを胸に刻み、課題を徹底的に修正して臨んだこの一戦。
試合の入りは前節とはまるで別のチームのように躍動し、エネルギー溢れるプレーで相手を圧倒。主導権を握り、試合を支配する展開に持ち込むことができました。

今シーズン初出場を決めた神田悠作選手【21番 スクラムハーフ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】

しかし、その勢いのまま突き放し切ることができず、相手にじわじわと食い下がられる展開に。一進一退の攻防が続き、逆転に次ぐ逆転の末、惜しくも競り負ける形となってしまいました。
さらに、わずかなミスでトライがキャンセルされる場面が何度かあり、あの瞬間、あと一歩の精度があれば、結果はまた違ったものになっていたかもしれません。
"たられば"を言っても仕方ありませんが、確実に得点チャンスは増やせていたと思います。あと少し。あとわずか。
このギリギリ届かなかった悔しさを次に繋げるために、細部を突き詰め、ミスを修正し、次節こそ確実にトライを積み重ね、勝利という結果を掴み取るための努力を重ねていきます。


《今週の個人的Pick up Player》

今回、私が選ぶPick Up Playerは2人。

1人目は、かつてバックスとしてもプレーした経験を持ち、そのスピード感溢れる鋭いランとアタックは今も健在。さらに、接点では鋭いタックルを連発し、相手のチャンスの芽を次々と摘み取り、攻守両面で存在感を放つ中島 謙選手(以下、中島選手)。
2人目は、時に鋭い目つきで相手をけん制し、時に満面の笑みで場を和ませる、表情まで武器にする策士。強気なプレーでチームを鼓舞し、存在感を示し続ける村川 浩喜選手(以下、村川選手)。今回は、そんな2人の選手にスポットを当てて紹介していきます。


まず最初に紹介するのは中島選手。

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/314

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

福岡県出身、福岡高校から鹿児島大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した中島選手。
ヴォルテクスに加入して4シーズン目になる選手です。

中島選手のポジションはフランカー。鋭い出足から相手に低く突き刺さるタックルで、確実にチャンスの芽を摘み取る。さらに、隙あらばボールに絡みつき、スティールを決めて献身的にチームへとボールを取り返す姿は、まさに“仕事人”そのもの。
そんなハードワークぶりに加え、実は以前バックスを経験していたこともあり、タッチライン際では華麗なステップで相手をかわし、縦横無尽にチャンスを広げるプレーも見せてくれる。攻守にわたる存在感で、チームを勢いづけ続ける頼れる選手です。

そんな中島選手が目標に掲げているのが「デジタルデトックス」。理想の週末は、スマホやPCから離れ、趣味のキャンプなどで自然を満喫すること。「極力デジタルを使わずに過ごしたい」と試行錯誤を続けているらしい。
が、ここで朗報です。
実は最近、スマホのアプリ「ポケポケ」にハマってしまい、デジタルデトックスどころか、スマホを見る時間がむしろ増えてしまっているとのこと。そのおかげ?で、以前よりレスポンスが早くなったとかならないとか。とはいえ、普段から連絡はちゃんと取れるようにしているのでご安心を。

好きな食べ物はお好み焼き。特に福岡市博多区吉塚にある「かわせみ」は、高校時代から通い続ける行きつけの名店。いつも頼むのは「ミックスの大盛り」。これを読んでいる皆さんも、想像するだけでソースの香りが漂ってきてお腹が空いてきたのでは?
メリハリある私生活と熱いプレーに注目。
オフは自然に癒やされつつ、スマホゲームも楽しみ、グラウンドでは魂を燃やす。そんな中島選手の活躍に目が離せません!



次に紹介するのは村川選手。

プロフィールはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/player/301

【©九州電力キューデンヴォルテクス】

福岡県出身、東福岡高校から筑波大学へ進学し、その後豊田自動織機シャトルズ愛知を経て、ヴォルテクスに加入した村川選手。
ヴォルテクスに加入して1シーズン目になる選手です。

村川選手がこなすフッカーというポジションは、スクラムやラインアウトなどセットプレーの要。
だからこそ、器用な選手が多いイメージがありますが、村川選手も例に漏れず“表情のスキル”まで巧みに使いこなします。
試合では鋭い眼光を光らせ、相手を威圧するハンターのような佇まい。
しかし、和気あいあいとした場ではその眼光もクルッと変わり、愛嬌たっぷりの笑顔で周囲を和ませる。
もしかして、表情のスイッチがどこかにあるんでしょうか。
以前は豊田自動織機シャトルズ愛知で大車輪の活躍を見せ、その後ヴォルテクスへ移籍。
昨年の夏に合流したばかり…のはずが、すでに「え、数年前からいましたよね?」というくらいチームに馴染む適応力の高さ。
ラグビーのスキルだけでなく、私生活でもスキルフル!
プレーでもその器用さは健在。
強気なプレーでチームを引っ張りつつ、繊細なコミュニケーションで周囲との連携を絶えず意識。
時には先陣を切って突撃し、時には仲間を活かすプレーで試合に良いアクセントを加えてくれます。

そんな村川選手の週末の過ごし方は、子どもたちと全力でじゃれ合うこと。
試合や練習でどれだけ疲れていても、子どもたちの笑顔を見ると一瞬でリカバリー完了!
心も体も癒されるだけでなく、「よし、また頑張ろう!」というエネルギーが湧いてくるのだとか。
あの素敵な笑顔の源は、実は子どもたちの笑顔にあったのかもしれません。

そして、趣味はゴルフ。
たまのオフの日にはゴルフ仲間とラウンドを回り、リフレッシュしながらも、そこでもやっぱり真剣勝負。
趣味といえど手を抜かないその姿勢。
ゴルフを通して磨かれた集中力やプレッシャーへの耐性が、ラグビーにも活かされているのでは?と思わずにはいられません。
試合では相手を威圧する勝負師の顔を見せ、試合後には癒しのスマイルを炸裂させる。そのギャップ、要注目です!


《最後に》
次のリーグワン第9節は、3月23日(日)に熊本県にある「えがお健康スタジアム」でレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)と対戦予定です。

RH大阪とは今シーズン第5節以来、2度目の対戦となります。前回の対戦では、試合の入りから勢いに乗り、激しい攻防の末に27-20で勝利を収めることができました。
今回の対戦も、前回同様に激しい攻防が繰り広げられることが予想されます。しかし、僕たちは試合を重ねるごとにタフに成長し、チーム力を高めてきました。
その力を存分に発揮し、全力でぶつかり、勝利をつかみ取ります。


【©九州電力キューデンヴォルテクス】

今週末は予報によると気温が20度を超え、まさに春の陽気となりそうです。
そんな暖かな日差しにも負けない、熱い声援をぜひ会場で届けてください!
皆さんの応援が、僕たちの力になります。引き続き、熱いサポートをよろしくお願いします!



『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。
興味のある方はぜひチェック&フォローをお願いします!


  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

国内最高峰のラグビーリーグ「リーグワン」に所属するラグビーチーム。九州全域(全県)をフレンドリーエリアとし活動しています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント