“体を動かさない”入念な準備が奏功。天王山に勝利し「S愛知の歴史を塗り替えていく」
前半20分以降どちらに転がってもおかしくないシーンが多かったことを考えれば、流れをつかんだ序盤にS愛知がトライエリアに迫り確実にスコアできたことは大きかった。そこに大きく貢献した湯本睦が、この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POTM)を獲得している。
試合後の会見で、ジェームズ・ガスケルが冗談混じりで「もしかしたら、しっかり休めばPOTMを獲得できるのかもしれないですね(笑)」と話したように、湯本はこの週のトレーニングを月曜日と火曜日を休んだ。風邪をひいていた湯本をチームは大事をとって休ませたという。水曜日は週の中休みだったため、湯本が練習に参加できたのは試合2日前の木曜日になった。
それでも、休み明けから「ミスもなく」スムーズにチームに合流した。「申し訳ないという気持ちもありましたし、試合に出られないメンバーの思いも背負っている。チームのやるべきことを明確にプレーできなければいけないので、練習に出ていないぶん、ビデオを見て練習を確認」していたことが奏功した。
そこであらためて感じたのは、「準備の大切さ」。体は休めていても、チームに貢献するためにできる限りの努力をし、準備した。湯本のその姿勢への評価もあってか、S愛知がチーム内で試合のMVPを決める際はPOTMに選ばれた選手以外になることが多いというが、湯本はこの試合でチームMVPにも選ばれた。
前のめりになることもなく、誠実な人柄を感じさせる落ち着いた口調で「今までのS愛知の歴史を塗り替えていくためには、一歩一歩だと思っている。『自分たちがD2で一番強い』と見せられる試合ができるよう、一戦一戦を頑張っていきたい」と話した湯本。今季こそD1昇格を勝ち取るため、あらためて大切さを知った準備は今後も怠ることなく、チームに貢献していく。
(前田カオリ)
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