大半の選手が主力に。去年3月の侍ジャパンに選出されたパ・リーグ戦士の成績を振り返る
当時大学生だった選手たちと、多くの若手が抜擢されたことが話題を呼んだ
今回は、2024年3月に日本代表に選ばれた選手のうち、パ・リーグ球団に在籍した選手たちの同年シーズンにおける成績を紹介。若くして選出された面々の多さも特徴的だった前回の代表戦士たちが、開幕後に見せた活躍についてあらためて振り返っていきたい。
宮城投手と隅田投手をはじめ、多くの投手が各球団の主戦投手として活躍した
隅田知一郎投手はプロ3年目で初めて規定投球回に到達し、リーグ2位となる179.1投球回を記録。防御率も2.76と初の2点台に到達するなど、多くのイニングを消化しながら質の高い投球を見せた。2年連続で9勝と惜しくも2桁勝利には手が届いていないものの、着実な成長を見せて主戦投手としての座を確固たるものにしている。
種市篤暉投手もケガによって1カ月近い戦線離脱を経験したが、プロ8年目でキャリア初となる規定投球回に到達。防御率は3.05と2桁勝利を挙げた2023年よりも優秀な数字を残し、奪三振率9.04と2年続けて投球回を上回る奪三振数を記録。2年連続の2桁勝利こそ逃したものの、先発陣の中心の一人としてチームのAクラス入りにも貢献した。
平良海馬投手は先発として開幕ローテーション入りを果たし、5試合に登板した時点で防御率1.42と好投。故障による長期離脱後はリリーフに回り、セットアッパーとして17試合で9ホールドをマーク。年間防御率も1.66と、持ち場を問わないマルチな才能を発揮した。
2023年の新人王・山下舜平大投手は前半戦こそ苦しんだが、8月以降は2カ月連続で月間防御率1点台と出色の投球を見せ、新シーズンの完全復活に大きな期待を持たせた。渡辺翔太投手も防御率こそ前年に比べて悪化したものの、49試合に登板して7勝12ホールドを記録し、ブルペンの主力として2年続けてフル回転の活躍を見せた。
根本悠楓投手は2022年から2年連続で防御率2点台を記録していたものの、2024年は2試合の先発登板で防御率14.54と極度の不振に陥った。高卒5年目の21歳とまだ若いだけに、2025年は復調を果たして再び一軍で存在感を発揮したいところだ。
代表に選出された5名の野手は、全員が主力に
万波中正選手は2023年の25本塁打、打率.265と比較するとやや成績を落としたものの、打率.252、18本塁打、OPS.735と一定の数字を記録。負ければシーズンが終了する「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」のファーストステージ第2戦では9回裏に起死回生の同点弾を放つなど、主力としてチームの躍進に大きく貢献した。
源田壮亮選手は近年に入ってからは故障に悩まされるシーズンが続いていたが、2024年は4年ぶりに全試合出場を達成。チームトップの打率.264を記録し、7年連続となるゴールデングラブ賞に輝くなど、チーム全体が苦戦する中で攻守にわたって奮闘を示した。
紅林弘太郎選手は故障者が相次ぐチームにあって、自己最多タイとなる136試合に出場した。投高打低の傾向が強まる中で、シーズン打率も.247とキャリア平均の打率(.244)と同程度の数字を記録。例年通りに不動の遊撃手を務め、安定した働きを見せてチームを支えている。
古賀悠斗選手は2年連続で100試合以上に出場し、チームの主力捕手としての地位を固めた。打率.228と確実性には課題を残したものの、守備面ではリーグ3位の盗塁阻止率.323を記録し、リーグトップの盗塁阻止率.412を記録した前年に続いて、持ち前の強肩を発揮して存在感を示した。
2025年に代表選出された選手たちも、チームの屋台骨を支える存在となれるか
野手では近藤選手がそれぞれキャリア初となる首位打者とリーグMVPのタイトルを獲得し、2冠王に輝いた前年に匹敵する圧巻のシーズンを送った。源田選手、紅林選手、万波選手の3名もチームの中心的存在として奮闘し、古賀選手も主戦捕手としての足場を固めるなど、いずれも主力としてチームを支える働きを見せていた。
今年3月の侍ジャパンに選出された選手たちも、前年に選ばれた面々と同様に、シーズンに入ってからも各球団の主軸として活躍を続けられるか。前年の代表入りを経て、いよいよルーキーとしてプロの世界に足を踏み入れる宗山選手と西川選手の活躍も含め、各選手のプレーぶりに対してこれまで以上に注目する価値は大いにあるはずだ。
文・望月遼太
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