【物語りVol.138】リーグワン10節レビュー 3位S東京ベイに激勝!! 鹿児島のファンに勝利を届ける 

東芝ブレイブルーパス東京
チーム・協会

【東芝ブレイブルーパス東京】

■「フォワード陣がすごく頑張ってくれた」

スリリングな攻防をモノにしました。
 NTTジャパンラグビーリーグワン2024-25 第10節が、3月1日に鹿児島・白波スタジアムで行われました。ここまで2位の東芝ブレイブルーパス東京は、3位のS東京ベイを31対27で退けました。
レギュラーシーズンの通算成績は、8勝1分1敗の勝点38で2位をキープしています。首位の埼玉WKとは勝点6差、3位のS東京ベイとは勝点4差となっています。
白波スタジアムに6千人強の観衆を集めた上位対決は、激しいシーソーゲームとなりました。
SOリッチー・モウンガ選手とHO原田衛選手のトライ、FB松永拓朗選手のコンバージョンで、30分までに12対0とリードします。そこから12対10まで詰め寄られて前半を終え、後半開始早々にPR木村星南選手がインゴールへ持ち込み、松永選手のコンバージョンでスコアを伸ばします。しかし、57分に19対20と逆転を許します。すぐにWTB森勇登選手のトライなどで26対20としますが、再び26対27とビハインドを背負います。
しかし、70分にWTBジョネ・ナイカブラ選手が右隅へ飛び込みます。終盤は際どい攻防となりますが、31対27で逃げ切りました。
今節は5週連続の5試合目でした。前回は5試合目の静岡BR戦に敗れています。今節の試合へ向けた準備で、その教訓を生かしました。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた主将のリーチ マイケル選手は、「前回は練習のボリュームを減らして、それが結果につながらなかった。今回は全体の量をコントロールしつつ、コンタクトはしっかりやりました」と、静岡BR戦との違いを説明します。HO原田衛選手も、リーチ選手の言葉に頷きます。
「(静岡BR戦の前は)疲労を考えてあまりやらなかったのですが、5連戦目でもしっかり練習することが大事だと分かりました」
 この試合では、LOワーナー・ディアンズ選手が戦列復帰を果たしました。4試合の欠場を経てスタメンに戻ってきた22歳について、トッド・ブラックアダーHCは「素晴らしい。とくにラインアウトで、かなり主導権を握ってくれましたね」と評価しました。
 ディアンズ選手自身は、「久しぶりの試合で、今日は暑かったので、キツかったです。今日はフォワード戦になると分かっていて、コリジョンのところが大事になると考えていました」と振り返ります。
 注目度の高いビッグマッチでしたが、いつもどおりのマインドセットで臨んだと言います。後半途中に交代するまで、しっかりと存在感を示しました。
「相手のことはあまり気にせずに、自分たちのやりたいラグビーに集中するようにしました。最後は足が攣ってしまったのですけれど、久しぶりの試合は楽しかったです」
 14分に先制トライを決めたモウンガ選手は、「チャンスを逃さないようにしています」と、トライにつながった思いを明かします。チームのパフォーマンスについては、フォワード陣を讃えました。
「ジョシュア・シムズFWコーチをはじめ、チームみんなで準備してきたものを出して、すごく頑張ってくれたと思います」

【東芝ブレイブルーパス東京】

■「鹿児島で毎年試合ができるようにしたい」

鹿児島でのホストゲームについて聞かれると、チームの誰もが嬉しそうな表情を浮かべます。トッドHCは、感謝を示しました。
「ホームに帰ってきたような感覚でした。来年もまたぜひ、鹿児島で試合をしたいです。鹿児島のみなさん、サポートしていただいて本当にありがとうございました」
トッドHCとともに記者会見に出席したリーチ選手は、「鹿児島で試合ができたことを嬉しく思います。20年ぐらい合宿をしているこの場所で、いい試合ができたことが良かったです」と、喜びを口にしました。
スタンドからは熱い声援が送られました。スタジアムの雰囲気について問われると、リーチ選手は間を置かずに答えます。
「リーグワンのチャンピオンとして、鹿児島へ来たのが大きかったと思います。前回来た時よりもチームの人気が上がって、僕らのレベルも上がって、それによってファンもたくさん来てくれたと思います」
 鹿児島のファンとの交流も、リーチ選手の心に残ったようです。今後への期待も言葉にしました。
「鹿児島で毎年試合ができるようにしたいです。鹿児島と東芝ブレイブルーパス東京の関係をより深くして、ラグビーの普及に協力したいです。僕らがここでいい試合をすれば、観ている人たちは楽しいでしょうし、ラグビーをやりたいと思う人がひとりでも増えたらいいなと」
モウンガ選手も笑みを浮かべます。
「ここ鹿児島で、リーグワンの試合ができたのはすごく良かったです。ファンもたくさん来てくれましたしね」
 お世話になっている鹿児島のみなさんに勝利を届ける──強い決意を結果に結びつけました。クラブにとっても、チームにとっても、価値のある一日となりました。

【東芝ブレイブルーパス東京】

■「対戦相手、天候、レフェリーなどに素早く適応する」

レギュラーシーズンは10試合を消化しました。ここまでの戦いを、原田選手は冷静に分析します。
「僕ら勝っていますけど、全部僅差です。先のことは考えずに一戦、一戦戦っていく。次のトヨタV戦へ向けて、2週間しっかり準備したいです」
 開幕から第3節まではリザーブで、第4節から第8節までは2番を着けました。9節は再びリザーブとなり、今節はスタメンに名を連ねました。自身のコンディションについては、「ぼちぼち上がってきたかな」と話します。
「最初のほうはケガもあって、あまり思うようにいかなかったんです。だんだんと、上がってきたかな」
 長期離脱から前節に復帰したSH小川高廣選手は、「もっともっとチームにフィットしていく必要があります」と自らを見つめます。「スタートから出たい気持ちはありますけれど、パフォーマンスはまだまだなので、難しいとは思っています」と現状を分析しつつ、「シーズンの終盤にかけては、まだまだやれるぞというのは見せたい」と、闘志を燃やします。
 バイウィーク明けの3月15日は、トヨタVとのビジターゲームです。同22日の第12節は、2月に激闘を演じた埼玉WKとの再戦です。こちらは、秩父宮ラグビー場でのホストゲームです。
 さらに3月30日開催の第13節は、北海道札幌市・大和ハウス プレミストドームでのホストゲームです。札幌山の手高校出身のリーチ選手、LO伊藤鐘平選手は“凱旋試合”となります。
 レギュラーシーズン後半戦も好調を持続し、プレーオフトーナメントへつなげていくために大切なこととは。モウンガ選手は「適応力」をポイントにあげます。
「対戦相手、天候、レフェリーなどに対して、その試合でより早く適応できたチームが結果を得ることができるでしょう」
 バイウィークに英気を養い、東芝ブレイブルーパス東京は後半戦へと向かっていきます。





(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

【東芝ブレイブルーパス東京】

次戦のホストゲームは、3/22(土)に秩父宮ラグビー場にて、埼玉パナソニックワイルドナイツと対戦します。

第7節の引き分けの決着をつける大事な試合となりますので、是非会場で皆さまの熱いご声援をよろしくお願いします!!

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著者プロフィール

東芝ブレイブルーパス東京はジャパンラグビーリーグワン(Division1)に所属するラグビークラブです。日本代表のリーチマイケル選手や德永祥尭選手が在籍し日本ラグビーの強化に直接つなげることと同時に、東京都、府中市、調布市、三鷹市をホストエリアとして活動し、地域と共に歩み社会へ貢献し、日本ラグビーの更なる発展、価値向上に寄与して参ります。

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