今季初勝利は会心の一戦。GR東葛が取り戻したパッション

NECグリーンロケッツ東葛 髙井選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)。ともに黒星スタートとなったチーム同士の対戦だったが、自分たちのスタイルを示し続けたのはビジターチームだった。

GR東葛は前半6分に先制トライを奪うと、14点リードで折り返す。後半はさらに28得点を奪った一方、失点を許さなかった。9トライを挙げたGR東葛はボーナスポイントも含めた勝ち点5を獲得した。

「相手のフィジカルに対して受けてしまった」という村上陽平の反省の言葉が物語るとおり、接点でのアグレッシブなプレーで流れをモノにし、スコアを積み上げていったGR東葛。開幕戦の課題に「エナジーの不足」を挙げたウェイン・ピヴァック ヘッドコーチの下、チームは1週間、エナジーの原動力となるパッションにフォーカスして、釜石SW戦への準備を進めた。取り戻したパッションがエナジーを生み、GR東葛の特長でもあるフィジカリティーが前面に押し出される。相手を受けに回らせたことが今季初勝利をつかんだポイントでもあった。

このパッションの面では今季リーグデビューを飾った選手たちの押し上げも少なからず影響した。開幕戦では5人がファーストキャップを飾ったものの、敗戦の悔しさを噛みしめた。そして、今節は2人がファーストキャップを記録し、勝利の美酒を味わった。今節、先発メンバーとして初出場し、80分間を戦い抜いた髙井良成は「まだまだ足りないところも多いですが、ピッチに立てば若いかどうか、経験があるかどうかは関係ない。次こそチームに貢献する結果を残したい」と力強くコメントしたが、髙井以外の6人も、それぞれの思いを表出させているはずだ。若手のこういったハングリーな姿勢はチームにより強いパッションを発現させるトリガーであり、チーム力アップに大きな意味を持ってくる。

今節は若手を起用しながら、内容と結果も両立させたGR東葛。開幕戦では消化不良となったが、今節の戦いぶりは好調だったプレシーズンのいい感触を取り戻し、さらにジャンプアップさせていくような今後を予兆させる会心の一戦となった。

(髙橋拓磨)

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