【ラグビー/NTTリーグワン】大震災から30年を迎えるシーズン。「神戸のために優勝したい」<コベルコ神戸スティーラーズ>

コベルコ神戸スティーラーズ 【©ジャパンラグビーリーグワン】

コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)の昨シーズンは結果こそ5位に終わったが、就任1年目だったデイブ・レニー ヘッドコーチ体制のコンセプトは着実にチームに根付いた。共同キャプテンを務めるニュージーランド代表で109キャップの世界的プレーヤー、ブロディ・レタリックは言う。

「まったくの新しいものを作るというよりも、判断のところを修正し、精度を高め、積み重ねることを特に意識している」

昨シーズンとは、世界的指揮官による‟学びの舞台”。デイブ・レニー ヘッドコーチはあらあめてチームのスタイルに言及する。

「自分たちは展開するラグビーをしたいと思っている。相手がついてこられない状況を作りたい。その上でバランスもとらないといけないことも理解している」

昨季はミスで重要なゲームに敗れることも見られた。指揮官は試合の流れ、勝機を手繰り寄せる力を高めることにも注力しているという。

「リスクなしに蹴っていこうというチームにはならない。なので、ミスは必ず起きる。そのミスをどれだけ最小限に抑えられるか」

精度はプレーヤーが向き合い続ける課題。その課題をクリアし、向上を実現すれば、デイブ・レニー ヘッドコーチに限らず、チームの誰もが頂点をつかめると信じている。ブロディ・レタリックは「自分たちが学んだことを積み重ねて、形にすることで今季はいいシーズンにできる。成長を続けることをやめないようにしたい」と意気込んだ。

そして、今季は神戸Sにとって特別なシーズンでもある。来年の1月17日、阪神・淡路大震災から30年を迎える。共同キャプテンに就任した神戸出身の李承信は言葉に覚悟を込めた。

「いま自由にラグビーができているのも当時の方々のおかげ。優勝することでスティーラーズやラグビーを知ってもらえる。今シーズンは特に神戸のために優勝したい思いが強い」

スコットランド代表で45キャップを数えるジョージ・ターナーら新たな選手も加わり、代表デビューを飾った濱野隼大ら若手も育つ。神戸Sのラグビーは、常に攻守ともにアグレッシブが信条だ。多くの思いを背負い、勇敢に頂点を目指す。

(小野慶太)
【注目選手】
FB 松永貫汰選手

コベルコ神戸スティーラーズ 松永貫汰選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

「狙えるならトライも多く取りたいし、ラインブレイクも昨季同様にランキングに食い込んでいけたら」。そう話すのは松永貫汰。
昨季チーム唯一の全試合フル出場を遂げ、ゲインメーターで2位、ラインブレイクやディフェンス突破でリーグ4位に入った注目株だ。俊敏なフットワークや加速力などに秀でる彼をデイブ・レニー ヘッドコーチは「すごくエキサイティングなラグビーができる選手」と評する。代表合宿でも研鑽を積んだ3年目の新鋭、その躍動するアタックは見逃せない。
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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