史上7人目となるアマチュア優勝の快挙 ダンロップフェニックストーナメント

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男子ゴルフのダンロップ・フェニックスで優勝し、トロフィーを手に笑顔を見せるアマチュアの杉浦悠太。男子ツアーでのアマ優勝は蟬川泰果以来、史上7人目 【共同通信社】

 国内男子プロゴルフツアーの2023ダンロップフェニックストーナメントが宮崎県のフェニックスカントリークラブで行われ、日本大学ゴルフ部の杉浦悠太選手(国際関係学部4年/福井工大福井)が唯一のアマチュア選手として出場。
 初日をトップの松山英樹選手から1打差の2位につけると、2日目でトップに立つ。3日目も単独首位をキープし、最終日へ。最終日は後半一時スコアを落とす場面も見られたが、大崩れせず、16番と18番をバーディとし、最後まで首位を独走。大会史上日本人最年少優勝。ツアー史上7人目のアマチュア優勝の快挙を手にした。アマチュアでのプロツアー優勝は、日本大学関係者としては倉本昌弘(経済学部卒)以来二人目となる。

錚々たる顔ぶればかりの50回記念大会で首位独走優勝

 世界の名だたるトップ選手が参加してきたダンロップフェニックストーナメント。今年で50回目ということもあり、現在賞金ランキング1位の中島啓太選手を始めとする国内トップ選手に加え、4年ぶりの日本ツアー参加の松山英樹選手、さらにメジャー5勝、世界ランキング18位のブルックス・ケプカ選手、そして今年6月の全米オープンを制したウィンダム・クラーク選手(世界ランキング10位)など錚々たる顔ぶれとなった。
 
 杉浦選手は9月に行われた男子下部ABEMAツアーのダンロップフェニックストーナメントチャレンジ inふくしまで、同じ日本大学ゴルフ部の隅内雅人選手(国際関係学部1年)に競り勝ち下部ツアー初優勝、史上8人目となる下部ツアー優勝を果たし、今大会に主催者推薦で唯一のアマチュア選手として出場。

 迎えた初日、トップの松山英樹選手に続き、1打差の7アンダーで単独2位と好スタート。2日目は風が強く難しい状況の中、杉浦選手は1番でダブルボギー、しかしそこから調子を取り戻し、終わってみれば6バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの3アンダーにまとめ、トータル10アンダーで単独首位に立つ。3日目、この日も強風が吹き荒れる中、杉浦選手はハーフを終え4バーディ、1ボギーと好調を維持、後半は2ボギーも、18番でバーディを奪い2アンダーで終えトータル12アンダー。2位と4打差をつけ最終日をトップで迎えることとなった。

第2日、通算10アンダーで首位に浮上した杉浦 【共同通信社】

第3日、通算12アンダーで単独首位を守ったアマチュアの杉浦 【共同通信社】

 2日間トップを守り続けた杉浦選手、最終日は4打差の2位につけるブラッド・ケネディ選手と、5打差の3位につけている、日本体育大学OBで、史上5人目となるアマチュアでのツアー優勝を経験している中島啓太選手。大学の試合や、ナショナルチームで背中を追い続けてきた存在だ。
 いきなりのボギースタートとなったが、そこから2バーディでハーフを終え1アンダー、トータル13アンダーで首位をキープ。史上7人目となるアマチュア優勝が目前に迫る。しかし後半、11番でダブルボギー、続く12番でボギーと、後続に2打差まで迫られる状況となる。
 それでもここで大崩れしなかった杉浦選手、16番でバーディを決めると、最終18番でも再びバーディ。結果的に2位に3打差をつけ、最後まで首位独走のまま優勝を飾り、ツアー史上7人目のアマチュア優勝者となった。

 杉浦選手は試合後、プロ転向を宣言。アマチュア最後と位置づけていたこの大会で優勝を飾り、日本大学所属として活動した4年間を有終の美で飾った。

最終日、18番でウイニングパットを決めるアマチュアの杉浦 【共同通信社】

男子ゴルフのダンロップ・フェニックス最終日、ウイニングパットを決めガッツポーズするアマチュアの杉浦 【共同通信社】

「日大ゴルフ部」で自ら主将に立候補、決して楽ではない道を選んだ1年

 杉浦選手はこの一年、日本大学ゴルフ部の主将として活動してきた。部員数が多い日本大学ゴルフ部の主将はチームをまとめるマネジメント能力と、競技での結果が求められる存在。主将は毎年立候補制で、杉浦選手は自らその道を選んだ。1年生の時のキャプテンの姿を見て憧れ、100人を超える部を引っ張っていける人になりたいと思って立候補したという杉浦選手。

 今年5月、「後輩が先輩にアドバイスを求めやすい雰囲気づくりをするために、まずは自分が積極的にみんなに話しかけるようにしています」と、チームづくりでの工夫を話す杉浦選手は「チームでやるべきことも、例えばなんでも1年生に任せるのではなく、先輩である上級生たちが積極的に動くこと。そういう姿を後輩たちに見せることも、縦のつながりや信頼関係の構築につながると思って行動するようにしています」と、主将としてチームの基本方針を目指し実行していた。その努力はすぐに実を結ぶ。

 関東大学春季Aブロック対抗戦で優勝を果たすと、6月に行われた全国大学ゴルフ対抗戦では1年生3人を加えた若いチームを、同じ4年生の出利葉太一郎選手(国際関係学部4年/沖学園)と共にチームを牽引し、日本大学に8年ぶり36回目の優勝をもたらした。
 9月には、男子下部ABEMAツアーのダンロップフェニックストーナメントチャレンジ inふくしまで優勝を飾った翌週に行われた、パンパシフィック大学ゴルフスーパーリーグで、個人優勝を飾ると共に、チームを初の優勝に導いた。
 日本大学ゴルフ部主将という責任と重圧のある立場を自ら選択し、日本大学ゴルフ部の基本方針である「日本大学の建学の精神に基づき、競技ゴルフというスポーツを通じ、心技体の向上をめざし、社会に貢献しうる人材育成を行う」を、その努力とマネジメント能力で、体現してきた杉浦選手。この経験が本大会の結果につながったことだろう。

9月、パンパシフィック大学スーパーリーグ 個人優勝の杉浦 主将としてチームをけん引、記念すべき1回大会の団体を制した 【日本大学】

杉浦選手コメント

-ゴルフ部主将として過ごした1年を有終の美で飾りました、今のお気持ちは?
 「在学中のレギュラーツアー優勝をずっと目標にしていたのでとても嬉しいです。」

-日本大学ゴルフ部での4年間を振り返って、どのような4年間でしたか。また、プロ宣言をしましたが、今後の目標は?
 「素晴らしい練習環境で練習をすることが出来、常に成長することが出来ました。プロとして優勝することが次の目標です。」

-日本大学ゴルフ部の後輩たちに一言お願いいたします。
 「今年達成することが出来なかった団体戦全勝を達成出来るように頑張ってください。」

通算12アンダーで優勝したアマチュアの杉浦 【共同通信社】

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著者プロフィール

日本大学は「日本大学競技スポーツ宣言」を競技部活動の根幹に据え,競技部に関わる者が行動規範を遵守し,活動を通じた人間形成の場を提供してきました。 今後も引き続き,日本オリンピック委員会を始めとする各中央競技団体と連携を図り,学生アスリートとともに本学の競技スポーツの発展に向けて積極的なコミュニケーションおよび情報共有,指導体制の見直しおよび向上を目的とした研修会の実施,学生の生活・健康・就学面のサポート強化,地域やスポーツ界等の社会への貢献を行っていきます

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