私のミッション・ビジョン・バリュー2023年第3回 小原基樹選手「サッカー小僧。~みんなの笑顔のために~」
多様性と交流を基盤に、様々な業種の講師を招聘し、異業種の方々の価値観や使命感に触れることで、プロアスリートとしての存在意義や社会的な存在価値を選手たちに問い続けます。
その一環として、キャリアコーチと選手が継続的に面談をして「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の策定をする取り組みが昨年から行われています。
ミッション・・・社会の中での自分の役割
ビジョン・・・ミッションを実現した理想の未来像
バリュー・・・日々のこだわり、行動指針
原体験を振り返り、自らのサッカー選手であるうえのスタンスや価値観、使命感を見つめなおすことでピッチ内外でのパフォーマンス、言動、行動の質の向上につなげていこうという取り組みです。
2023年も選手・スタッフの今季策定した「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を紹介していきます。
2023年第3回は小原基樹選手です。
(取材・構成 佐藤拓也)
「2月から6回行いました。1回1時間ぐらいでしたね」
Q.自分の過去や想いを第三者に話す機会はこれまでありましたか?
「そんなになかったですね」
Q.実際、そういったことを言語化してみていかがでしたか?
「こんなことあったなとかを思い出して、いい経験になりました。話をしていると、どんどん記憶が蘇っていって、自分を見つめなすことができました。やってみて、良かったです」
「この言葉通りなんですけど、プレーだけでなく、姿勢や立ち振る舞いのところで、たとえば、毎日のファンサービスにおいて、水戸はサポーターとの距離感が近いクラブなので、水戸ホーリーホックがあるのは選手だけでなく、ファン・サポーターの方が支えてくれているということをすごく感じることができるんです。その感謝の気持ちを対応や立ち振る舞いで示したいですし、さらに子供たちに夢を与えることや、みんなにワクワク、生きる源を提供することがプロとしての最低限の役割だと思って、この言葉を選びました」
Q.この思いは水戸に来て、さらに強くなったのでしょうか?
「水戸に来てからというより、プロになってからですね。愛媛に加入した時からプレーだけでなく、ファンやサポーター、子供たちに夢を与えたいと思っています」
Q.子供の頃、夢を与えられた選手はいたのでしょうか?
「地元が愛知県なので、名古屋グランパスの試合や練習をよく見に行ってました。『いつかここでプレーしたい』と思っていましたね。あとは好きなサッカー選手の映像をよく見ていました。そういうところで夢を与えてもらっていました」
Q.ワクワクを与えるようなプレーを見せることは、小原選手にとって、サッカーをする喜びでもあるのでは?
「一番は見に来てくれた人たちに満足して帰ってもらいたいですし、ワクワクしてもらいたい。『またスタジアムに来たい』と思ってもらいたいですし、『また小原のプレーを見たい』と一人でも多くの人に思ってもらいたいということを常に考えてプレーしています。そこはすごく大事にしています」
Q.昨年まではコロナ禍でサポーターとのコミュニケーションは制限されていましたね。今年から解禁されて、思いを強くしているのでは?
「それはあります。昨年愛媛では公開練習がなくて、直接ファンやサポーターと接する機会はほとんどなかったんですよ。その代わり、スタジアムで手を振るとか、出来る限りのファンサービスをしようとは思っていました。今年、いろんなことが解禁になって、やれることが増えたんで、より一層この役割を果たす場面が多くなっていますね」
Q.水戸ではホームタウンPR大使として、サポーターだけでなく、地域の方々と触れ合う機会が多いと思いますが。
「PR大使のような活動を行うのははじめての経験です。その地域の方が盛り上がってくれればいいなと思いますし、先日サイン会を開催したんですが、常陸大宮市の方がたくさん来てくれて、すごく嬉しかったんです。いい経験ができました」
「『直接サッカーに携わっている人々』というのはサッカーをプレーしている人や教えている指導者、サッカーが好きでスタジアムに来てくれる人のことで、『サッカーに興味関心ない人々』とはサッカーに携わっていない人たちやサッカーに興味を持っていない人たちのことで、前者の方々はもちろんのこと、後者の方々がサッカーに興味を持ってもらえるような未来にしていきたい。今サッカーに興味がなくても、これからサッカーに興味を持ってくれるかもしれない。そうして、サッカーファミリーを増やしていきたいという思いを込めました」
Q.そのためにもミッションが大事になりますね。
「どうやってサッカーファミリーを増やすかがすごく難しいところだと思っています。自分たちができることは試合に勝つこと、そして、水戸のサッカーを盛り上げること。それで『水戸は強い』とか、『水戸のサッカーは面白い』といってスタジアムに来てくれる人が増えればいいし、そういう方々が他に人を誘ってきてくれるようになってもらいたい。すべてはつながっていくと思うんです。どの試合でも全力で泥臭くプレーすることがサッカーファミリーを増やすうえで一番大切だと思っています。とはいえ、そこは難しいところなんで、これからもっともっと追求していかないといけないと思っています」
Q.ファンやサポーターと接して、そのためのヒントを得ることもありますか?
「ファンサービスの時にはそこまで深い話をしないので、分からないですけど、ドリブルで切り込んでいく姿がカッコいいとか、ワクワクすると言ってもらうことが多いので、そういうプレーは自分の持ち味でもあるので、大事にしていきたいと思います」
Q.プレーで魅せることも大事ですね。
「そこはこだわっています。ワクワクしてもらいたいですし、またスタジアムに来たいと思ってもらいたいと思ってプレーしています」
Q.小原選手の魅力はなんといってもドリブルです。どうやってあの技術を身につけたのでしょうか?
「日々の練習の成果ですね。練習でどんどんアップデートしながら身につけている感じです」
Q.参考にしている選手はいるのでしょうか?
「好きな選手は元ブラジル代表のロナウジーニョ。よくプレーを見ています。ロナウジーニョのプレーを見てサッカーが好きになりましたし、『ああなりたい』と思ってたくさん練習しました。憧れの選手ですね。今の日本代表では三笘薫選手のプレーはよく見ています。ドリブルの緩急の付け方や身体の使い方などが素晴らしいので、参考にさせてもらっています」
Q.子供たちに「小原選手みたいになりたい」と思ってもらいたいですね。
「そうですね。自分がロナウジーニョを見て育ったように、子供たちにも僕みたいになりたいと思ってもらえるような選手になりたいです」
Q.水戸ファミリーの存在の大きさを感じていますか?
「水戸はサポーターや地域との距離が近いですし、PR大使などの活動で触れ合う機会が多いんですけど、本当に水戸ファミリーは温かいんです。そして、スタジアムの一体感は素晴らしい。水戸の応援が大好きなんですよ。試合前の応援を聞いて、心のスイッチが入るんです。試合中もずっと歌ってくれていて、それも選手たちの力になっています」
Q.水戸はフロントスタッフと接する機会も多いと思いますが、そういったところでもファミリーとしての絆を感じることができているのでは?
「そこも含めて、水戸はすごくいいクラブだと感じています。みんなの距離が近いんで、フレンドリーに会話ができる。親しみやすいクラブですね。フロントスタッフと会話することによって、サッカー以外の面も知ることができるんです。それも自分にとっていい機会になっていると感じています」
「毎日午前中に練習しているんですけど、大事なのはそこからの時間の使い方やオフの過ごし方なんですね。ケアすることもそうですし、食事もそうですし、家に帰ってから体をしっかり休ませることとか、サッカーの映像を見ることとか、そうやってサッカーに対して少しでも時間を費やすことが今の自分には必要だと感じているんで、言葉にしました」
Q.2つ目は「ポジティブ思考」です。
「言葉通りですね。ネガティブに考えるのではなく、少しでもいい方向に考えられるようにしたいと思っています」
Q.元々そういう性格なんでしょうか? それとも、意識してそうしているのでしょうか?
「昔からそういう感じなんですけど、たまにネガティブな発言をしてしまうことがあるんです。そういう時、自分に対して『ポジティブにならないと』と思うようにすることはあるんですが、基本的にはポジティブ思考なので、継続したいです」
Q.試合の中でミスがあった時も気持ちを切り替えられますか?
「ミスによりますよね。そこはまだまだなところですが、基本的に切り替えるようにしています」
Q.最後は「仲間思い」です。
「プロの世界では、この仲間で戦うのは1年しかないんですよ。必ず、次のシーズンはメンバーが変わります。だからこそ、チームのためにプレーしたいと思っています。そのために気を遣ってプレーすることが大事なんです。チームのためにプレーすることや仲間のためにプレーすることを僕の中で大切にしているので、この言葉にしました」
Q.犠牲心を持ってプレーしているのですね。
「仲間のために走るとか、体を張るとか、どちらの足にパスを出すとか、そうやって気を遣ってプレーすることが大事だと思っています。プレー以外でもゴミが落ちていたら拾うとか、そういうこともすべてチームのために、仲間のためにつながっていると思っています。そういった思いをこの言葉に込めました」
「まさに僕のスローガンという言葉ですよね。サッカーしかしてこなかったですし、これからもサッカーしかないと思っています。だから、『サッカー小僧』という言葉を選んだんですけど、昔からこの言葉が好きなんですよね。自分の中で大事にしている言葉でもあるんです」
Q.子供の頃からずっとボールを蹴っている感じですか?
「小学校1年でサッカーをはじめて、時間があればずっとボールを触っていました。練習に行って、帰ってきてボールを蹴るみたいな、そんな生活をずっと送ってきました」
Q.サッカー小僧であり続けることによって、多くの人を笑顔にできるようになったことが小原選手にとっての喜びなんですね。
「みんなに笑顔になってもらいたい。自分のプレーを見て笑顔になってもらいたいですし、チームが勝って笑顔になってもらいたい。そのためにサッカー小僧を突き詰めていきたいです」
Q.これからシーズン最終盤を迎えます。
「チームとして徐々に調子を上げてきています。このまま継続して、残り6試合すべて勝ち続けて、プレーオフに進出したい。とにかく勝ち続けられるように頑張ります」
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ