“ドクターK”の勝負球.....パの「今」を3分で振り返り

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“ドクターK”の勝負球は......パの「今」を3分で振り返り

「Monday パ」では、一軍公式戦が行われないことの多い月曜日でも、皆さまにパ・リーグを楽しんでもらえるよう、パ・リーグの旬な情報を配信しています。毎月第○月曜日の数字にちなんでピックアップした情報をお届けします。各週毎のテーマは以下の通り。

第1月曜日・・・「初」記録特集
第2月曜日・・・「二」軍のネクストブレイク選手を特集
第3月曜日・・・気分爽快! 奪「三」振特集
第4月曜日・・・豪快な一撃! ホームラン特集
第5月曜日・・・ 5、8、10月限定の番外編! 内容はお楽しみに

 8月第3月曜日の今日は、奪三振にフォーカス。パの“ドクターK”たちが投じるウイニングショットを特集します!

【パ奪三振ランキング】

1位 山本由伸投手 138回 146奪三振
今季投球成績 19試合10勝5敗、防御率1.696
2位 佐々木朗希投手 96.1回 139奪三振
3位 千賀滉大投手 105.1回 115奪三振

多彩な変化球を自由自在に。奪三振数トップの投球術

 山本由伸投手は、今季も勝利数、防御率など数々の投手タイトルでトップを独占。奪三振数もリーグトップで、1試合あたりに奪う三振の数も“9.52”個と、規定投球回到達者の中でリーグ2位の成績だ。ストレートとスプリットが投球のおよそ7割を占め、その他3割は、ブレーキのかかったカーブ、細かく曲がるカットボールやシュート、キレの良いスライダーなど、多彩な変化球を操る。

 一方で、ここまでリーグトップの「146」奪三振を誇る山本投手の“ウイニングショット”の投球割合を見ると、最も三振を奪った球種はストレートで33%。次に多いのはカーブの30.1%となっている。スプリットも28.8%で後につけ、この3球種で奪三振の9割以上を占める。一つ一つの変化球のクオリティも高いが、1試合の与四球平均が“2.15”個とそれらを自在に操るコントロールも持ち合わせており、山本投手を攻略する難しさを物語っている。

「令和の怪物」が投げ分けるのは、“わかっていても打てない”2つの球種

 ペナントレースではここ3試合勝利がなく、成績が伸び悩んでいる佐々木朗希投手だが、序盤は圧倒的な数字で奪三振を重ねてきた。最速“164km/h”を記録するストレートが57%、次いでフォークボールは33%と、この2つが投球の軸と言える。

 追い込んでからの勝負球でも、佐々木朗投手が用いる球種は主にこの2つ。しかし、その割合は見事に逆転している。ストレートは35.3%であるのに対し、150km/hに迫るまさに“異次元”のフォークの割合は60.4%と、パの強打者たちを翻ろうしてきた。

 一方で、見方を変えればカウントをつくる球も、勝負球もこの2球種を軸としている。「令和の怪物」と言われる所以も、この“わかっていても打てない”を文字通り体現している投球にもあるのだろう。

通算奪三振率は“10.38”。「おばけ」のように消えるフォークで打者を翻ろう

 一軍のマウンドに立ってから11年目、通算でも1試合当たりに奪う三振数を表す“奪三振率”が「10」を超える千賀滉大投手。千賀投手は最速“164km/h”とこちらも球界トップクラスのスピードボールを投じるが、それだけでなく「おばけフォーク」と言われるほど落差がすさまじいフォークも持ち合わせる。

 この点に関しては佐々木朗投手と近い一方で、千賀投手はカットボールやツーシーム系の球など、いわゆる“動く球”も持ち合わせており、投球の幅はさらに広い。そんな千賀投手の“ウイニングショット”だが、それは言うまでもなく「おばけフォーク」。ここまで奪った三振の実に53%はこのフォークボールで決めており、ストレートの24.3%と合わせ、8割近くをこの2球種で占めている。

 また他にも、カットボールでは12.2%の三振を奪っており、打者は追い込まれるとあらゆる球種を想定しなければいけない。6年連続2桁勝利を挙げる、球界のエースの投球術はまさに一流だ。

 パの“ドクターK”達はいずれもリーグを代表する投手で、その持ち味は三者三様。その投球術にも注目しながら、シーズン終盤の戦いにも注目したい。

今週のパ・リーグ見どころ

 先週は埼玉西武が北海道日本ハムに対して、2度のサヨナラ負けを喫する苦しい幕開けとなったが、週末のカードでは東北楽天に勝ち越し、首位をキープしている。一方でその東北楽天は、史上初となる最大貯金「18」から「0」へ。調子が上がってこないが、シーズン最終盤に巻き返しなるか。なお、福岡ソフトバンクは千葉ロッテに3連勝をするなど、首位を追走する。

 今週は埼玉西武と福岡ソフトバンクの首位攻防戦が、ゲーム差「1.5」の状況で行われる。週末には3位・オリックスと埼玉西武が戦うなど、Aクラス同士で熱戦の予感。対して千葉ロッテ、北海道日本ハムはそれぞれ東北楽天との直接対決が予定されており、Aクラス争いに入るべく、こちらも落とせない一戦になりそうだ。

文・小野寺穂高
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