真夏の3歳ダート重賞・レパードSを分析!
【2021/8/8 新潟11R レパードステークス(G3) 1着 15番 メイショウムラクモ】
過去10年のレパードSの好走馬(1)
■表1 【過去10年のレパードSの好走馬(1)】
好走馬数を性別で見ると牡馬が27頭に対し、牝馬はわずか3頭だった。牝馬全体の本競走の成績は【0.1.2.11】となっており、苦戦傾向だ。ただ、実際に好走したタマノブリュネットは翌年にTCK女王盃(大井)で3着、ブランクチェックものちにTCK女王盃で3着と好走。サルサディオーネは大井に転厩後、21年日本テレビ盃を制するなど交流重賞で大活躍をしている。本競走で好走した牝馬に関しては、将来有望であると言えるだろう。
種牡馬の傾向は系統で分けて考えてみたい。好走馬の数はヘイロー系が14頭と最も多かった。続いてボールドルーラー系とミスタープロスペクター系がそれぞれ6頭好走(好走率は前者の方が優秀)。あとはストームバード系が3頭で好走率も高かった。それ以外の系統は14年2着のクライスマイル(父スクリーンヒーロー)だけであり、ほぼこの4つの系統で占められている。
母父も系統ごとに見ると、かなり特徴的な傾向が読み取れる。ミスタープロスペクター系が11頭と他を圧倒。一方、父(種牡馬)では優秀だったヘイロー系やボールドルーラー系、ストームバード系はなんと1頭もいなかった。特に母父ヘイロー系は数多くの出走例があったものの、ここ10年では全く結果が出ていない。
それから近年はセール出身馬の活躍が目立っている。それもセレクトセール以外のセリ出身馬が勝っているのだ。17年ローズプリンスダム、20年ケンシンコウ、21年メイショウムラクモは北海道サマーセールの出身馬。12年ホッコータルマエは北海道セレクションセール、15年クロスクリーガーは北海道トレーニングセールの出身馬だった。
過去10年のレパードS好走馬(2)
■表2 【過去10年のレパードS好走馬(2)】
レパードSの前走クラス成績(過去10年)
■表3 【レパードSの前走クラス成績(過去10年)】
まず注目したいのは前走地方組。前走ジャパンダートダービー(大井)組を中心に11頭が馬券に絡んでいる。単勝回収率253%、複勝回収率147%と馬券的にもかなり妙味がある。ジャパンダートダービーで5着以内か、過去にダート1800m以上の交流重賞やオープン特別で連対実績があると非常に有力にみえる。兵庫チャンピオンシップや伏竜Sで連対実績を持つ馬が多かった。
前走G3組からは4頭の勝ち馬が出ていて、単勝回収率は185%とプラス収支になっている。勝ち馬はすべて前走ユニコーンS組で、14年アジアエクスプレス、16年グレンツェント、18年グリム、20年ケンシンコウが該当馬だ。グレンツェントとケンシンコウは前走3着と好走していたが、アジアエクスプレスとグリムは大敗から巻き返した。
前走オープン特別(非リステッド)組も、サンプルは少ないが単・複回収率が優秀。好走したのは15年ダノンリバティと19年ハヤヤッコで、ともに初勝利はダート戦ではなく、芝1800mだった。
前走2勝クラス組は好走率が平凡で、単・複の回収率も低いが、前走中京ダート1800m組に限ると成績は優秀。12年ナムラビクターや、13年のインカンテーション、サトノプリンシパルのように、特別戦でいい勝ち方をしている馬は狙いやすいタイプだろうし、実際かなり有力だ。
また、前走1勝クラス組も中京ダート1800mを勝っていた17年サルサディオーネや、21年スウィープザボードが人気薄で激走を果たしている。前走で左回りのダート1800mを勝っている馬の実績と勢いは侮れないと言えるだろう。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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