前走よりハンデ減がカギ? 荒れる函館記念を展望する
【2021/4/18 新潟11R 福島民報杯 1着 1番 マイネルウィルトス】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
枠番別成績
■表2 【枠番別成績】
4角通過順別成績
■表3 【4角通過順別成績】
牡牝・年齢・東西別成績
■表4 【牡牝・年齢・東西別成績】
ハンデ別成績(牡馬・セン馬)
■表5 【ハンデ別成績(牡馬・セン馬)】
56.5キロ以上のハンデを課された牡馬には注意すべきデータがある。それは1、2番人気に推されると【0.0.0.7】と好走がないことだ。一方、3番人気以下なら【1.3.2.18】、複勝率25.0%、複勝回収率144%と悪くない成績を残しており、重ハンデ馬を狙うならこちらか。
軽めのハンデでは、51キロ以下の牡馬に好走例はない。52キロか53キロであれば【0.3.1.9】、複勝率30.8%、複勝回収率236%、好走した4頭はいずれも7番人気以下と侮れない。ただし、今年は54キロがもっとも軽いハンデとなっており、当該馬は存在しない。
前走重賞出走馬に関するデータ
■表6 【前走重賞出走馬に関するデータ】
もうひとつのデータは前走人気。この通り、前走の重賞で1〜5番人気だった馬は苦戦しており、合算して【1.0.1.15】、勝率5.9%、複勝率11.8%、単勝回収率37%、複勝回収率29%と数字も冴えない。むしろ、前走の重賞で6〜9番人気や10番人気以下の評価にとどまっていた馬のほうが結果を出していて、合わせて【7.5.5.42】、勝率11.9%、複勝率28.8%、単勝回収率202%、複勝回収率182%という数字が残っている。ちなみに「前走重賞で6番人気以下かつ1〜5着」だった馬は【6.2.0.3】。今年も該当馬がいるようなら注目の存在になりそうだ。
前走オープン特別・リステッド出走馬に関するデータ
■表7 【前走オープン特別・リステッド出走馬に関するデータ】
前走着順もチェックしておきたい。まず、前走1着だった12頭はすべて4着以下というまさかの結果が残っている。前走2〜5着でも【1.1.2.23】、勝率3.7%、複勝率14.8%、単勝回収率26%、複勝回収率59%と苦戦気味で、前走6〜9着のほうが好走率はかえって高いぐらいだ。
そのほか、表6と表7の集計対象外の馬、つまり前走が条件戦だった馬は【0.0.1.5】という成績を残している。好走したのは14年3着のステラウインドで、同馬は前走1600万下(現3勝クラス)1着のあとハンデが3キロ減での出走だった。
【結論】
表6からも読み取れるように、過去10年の函館記念1着馬のうち8頭は前走で重賞に出走していた。そして、表6の項で述べた通り、前走重賞の場合はそこで6番人気以下の評価にとどまっていた馬のほうが結果を出しており、なおかつ1〜5着に入っていると抜群の成績を残していることも前述した。
今年この条件に該当する唯一の馬が、前走の目黒記念で6番人気2着のマイネルウィルトス。今回のハンデ56キロは1着馬が多く出ているゾーンでもあり、3番人気8着に終わった昨年の雪辱を重賞初制覇で果たしたいところだろう。また、前走重賞出走馬は、斤量が今回減だと回収率が高いというデータも表6で示した。今年該当する馬として、アドマイヤジャスタ、ギベオン、スカーフェイス、ハヤヤッコの4頭も挙げておこう。
前走重賞出走馬では、回収率は別として、好走率自体は斤量が今回増や増減なしでも落ちない。ただし、ハンデそのものが56.5キロ以上の場合、1、2番人気に推されると好走が皆無であることを表5の項で述べた。今年、人気の一角を占めることが予想されるトップハンデ57.5キロのサンレイポケットにとっては、データ上は3番人気以下にとどまったほうが好走しやすいことになる。
前走オープン特別・リステッド出走馬の場合、好走の大半は斤量が今回減の馬から生まれていて、なおかつ前走で9着以内には入っておきたい。好走率が落ちる8歳以上を除き、今年の前走オープン特別・リステッド組で「斤量が今回減かつ前走9着以内」に該当するのは、アラタ、モンブランテソーロ、ランフォザローゼスの3頭だ。
最後にもう1頭、前走で3勝クラスを勝ち、3キロ減のハンデ54キロで出走するタイセイモンストルもマークはしておきたい。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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