2022年度シーズン新体制発表!「 神戸のラグビーを追求し、今シーズンこそREBORNを」 コベルコ神戸スティーラーズ 福本正幸チームディレクター

チーム・協会

【コベルコ神戸スティーラーズ】

7月13日、2022年度シーズンの新体制が発表され、2012年度シーズンよりコーチを務めるニコラス・ホルテン氏がヘッドコーチに就任し、チームの指揮を執ることになった。また、7月に入り、新加入選手の入団も発表されている。
チームの強化を司る福本正幸チームディレクター(以下、TD)に話を聞いた。
(取材日:7月6日)

もどかしさを感じたリーグワン初年度

 7勝9敗7位で終えた「ジャパンラグビーリーグワン2022」の戦いを振り返り、福本TDは、
「プレシーズンマッチでは標榜するラグビーができていたのですが、年末にコロナ陽性者が発生した影響もあり、ベストメンバーが組めずに開幕戦を落とすと、続く第2節でも大敗してしまいました。そこで、自分たちが取り組んできたラグビーに対し、自信を失ってしまったように思います。優勝した2018年度シーズンは、フラットなラインでパスを回して、ゲインラインを越えていくというラグビーが機能したけれど、今のメンバーで同じ攻め方がフィットするのか。選手、コーチ陣が疑心暗鬼になり、いろいろな意見が出て、戦術を変えてしまいました。その結果、皆が同じビジョンを描けず、プレー全体もチグハグになり、自分たちの求めているラグビーとズレが生じたことで、ストレスがたまる展開になってしまいました。しかし、このままではいけないとキャプテンの橋本を中心に声が上がり、選手たちの意見を取り入れたことで、後半戦からはスペースにボールを回して全員で攻める、本来の神戸のラグビーができたと思います。神戸のラグビーの原点に戻れたことについては評価をしています。ただ、ディフェンスに関しては、最後まで整備されなかった」と総括した。
神戸のラグビーとは、一体何なのか。
皆が再認識したシーズンになったのではないか。
加えて、李承信をはじめ、今村陽良、前田剛といった若手が出場し経験を積むことができたことや小瀧尚弘、中嶋大希といった移籍組が主力として活躍してくれたことは、次に繋がるとも話す。
2018年度シーズンから行われているレガシー活動については、
「コロナ禍ということもあり、思うような活動ができませんでした。それに、レガシー活動がはじまった2018年度シーズンからメンバーも変わり、製鉄所の高炉の見学がチームとどう繋がっているのか等、理解できていない選手もいたかと思います」と反省の弁。
リーグワンへの参戦を機に、「コベルコ神戸スティーラーズ」とチーム名を変更し、再び頂点に立とうと掲げたスローガンは『REBORN』だったが、
「REBORNできず、もどかしさを感じたリーグワン初年度になりました」と福本TD。

3人の日本人コーチに期待したい。

7月13日、新体制が発表された。
チーム再建のかじ取り役は、2012年シーズンよりコーチを務めるニコラス・ホルテンに託された。
アタックコーチは、2017年度シーズンから若手の育成に携わり、経験を積んできたチームのOBでもある森田恭平が務めることになった。また、昨シーズンをもって現役を退いた平島久照、橋本大輝がそれぞれスクラムコーチ、フォワードコーチに就任。
「ホルテンは、スティーラーズでのコーチ歴が長く、チームのこと、神戸のラグビーのことを熟知しています。彼にはブレることなく、神戸のラグビーをとことん追求していってほしい。また、森田は、ウェイン(・スミス)が作り上げたアタッキングラグビーを一番理解しています。チームのOBでもありますし、スティーラーズがミッションとして掲げるクリエティブなラグビーを作り上げてほしいですね。平島については、今年4月に急逝したカンビー(スティーブ・カンバーランド)から長年スクラムの教えを受けてきました。カンビーのスクラムを、彼なりにアレンジしながら、昨シーズンまで現役でプレーしていた強みをいかして、選手に細かく指導し、試合メンバーだけでなく、フロントロー全員の底上げをしてほしいと話しています。橋本は、チームの精神的支柱ですので、肩書きはフォワードコーチですが、スティーラーズでラグビーをする意味や、スティーラーズの選手としての心構えなどを説いていってほしい。橋本は、グラウンド外の部分でも選手に良い影響を与えてくれることと思います」
福本TDは、日本人コーチが1人から3人に増えたことはプラスに働くとも語る。通訳を介さずに日本人に合う教え方で詳細を伝えられることにより、技術や戦術等の落とし込みが上がる。
「ホルテンを中心にして、OBである3人とともにチームを作っていってほしい」と期待を込める。
 総監督として神戸のラグビーの礎を築き、レガシー活動を提案するなど、2018年度シーズンの優勝に大きく貢献したウェイン・スミスは、「メンター」に。現在、スミスは、女子ニュージーランド代表のヘッドコーチを務める。
「ウェインについては、コーチを指導するという立場でチームに関わってもらうことになりますが、もうすでにコーチ陣にはいろいろとアドバイスを送ってくれていますね」
さらに、近畿大学ラグビー部でヘッドコーチを務めたOBの松井祥寛がリクルートスタッフとして4月から活動している。
「松井にはリクルート専任スタッフとして、全国の大学のグラウンドに顔を出して、良い選手を発掘してほしいですね」

例年より早い始動で1からチームを作り上げる。

 7月19日、新シーズンに向けて始動する。これは、昨シーズンよりも3ヶ月ほど早いスタートだ。再び神戸のラグビーを精度高くグラウンドで表現できるように、また、レガシー活動にも時間を割いて、チームがしっかり結束できるように、昨シーズンの反省を踏まえてスケジュールが組まれた。しかも、2018年シーズンの始動日と同じように、外国人選手を含めて全選手がグラウンドに集結する。これは新ヘッドコーチのホルテン氏の提案だ。
「ホルテンが、19日、全員が顔をそろえてスタートを切ろうと宣言してくれました」と福本TD。
 新生スティーラーズには、4月からチームに合流している4人の新卒選手のほか、東京サントリーサンゴリアスから移籍の元日本代表HO北出卓也、横浜キヤノンイーグルスからカテゴリーAで出場が可能なサウマキ アマナキ、サンウルブズで活躍したCTBマイケル・リトルらが加わる。
※新加入選手(追加)のお知らせ https://www.kobesteelers.com/news/team_info/2022/07/2021-7.html
「昨シーズンはフロントローに怪我人が多く出て、メンバー編成に苦労したところがありました。五十嵐(優)、北出には、今いるメンバーと切磋琢磨し、スクラムの強化に貢献してほしいと思います。ヴィリー・ポトヒエッター、シオネ・タプオシは、どちらも20歳と若く、彼らを育成して、将来的にはカテゴリーAの選手として活躍してもらいたい。リトルは、攻守でチームに貢献してくれると思います」
 キャプテンは、昨シーズン、バイスキャプテンを務めた橋本皓が務める。脇を固めるバイスキャプテンは李承信と「ラグビーワールドカップ2019日本大会」に出場しブレイクした中島イシレリ。
福本TDは、
「李には今後チームを背負う存在になってほしいという思いもあり、昨シーズンに続けてバイスキャプテンに任命しました。中島には、ベテランの経験と明るいキャラクターで、橋本皓をサポートしてくれると期待しています。ただ、キャプテン、バイスキャプテンだけでなく、全員がリーダーになれるようになってほしい。それがウェインや僕が望んでいることです」と、個々の成長に期待を寄せる。
 2018年度シーズン以来、4シーズンぶりの優勝を目指してスタートを切るスティーラーズ。標榜するラグビーは、2018年度シーズンから変わらない。グラウンドにいる15人全員がボールに働きかけてトライにつなげるアタッキングラグビー。それが、スティーラーズのオンリーワンだ。
「今シーズンこそREBORNできるよう、1からチームを作り直します。神戸のラグビーをグラウンドで体現し、ファンの皆様に笑顔になってもらいたい。優勝して、神戸を盛り上げて、SMILE TOGETHERを実現できるように頑張りますので、今シーズンも応援よろしくお願いします!」

文・山本暁子(チームライター)

PROFILE●1967年10月16日生まれ、大阪府出身。現役時代のポジションはPR。天王寺高校、慶應義塾大学を経て、1990年神戸製鋼入社。V7時代、勝利に貢献し、2000年現役引退。トップリーグ初年度から2006年度まで主務を務め、2007年度から2010年度までJRFUトップリーグ競技運営部門チーフディレクター、2011年度は同部門アドバイザー。平尾誠二GMの逝去後、チーム再建を命じられ2017年度より神戸製鋼コベルコスティーラーズチームディレクター就任。 【コベルコ神戸スティーラーズ】

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著者プロフィール

コベルコ神戸スティーラーズ

1928年創部。1988年にチームの愛称である「Steelers」の文字をジャージに採用し、人とボールがよく動く「クリエイティブラグビー」を信条に、1989年の日本選手権で初優勝を収める。以降、1995年まで連続で日本一を勝ち取り、歴代最多タイ記録となる7連覇を達成。2003年度より開幕したジャパンラグビートップリーグでは初代王者に輝き、2018年にはシーズン無敗で日本一に輝いた。 2022年から開幕する「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」では、チーム名を「コベルコ神戸スティーラーズ」とし参戦する。

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