【オレゴン世界選手権】男子マイルリレーは日本新記録&決勝進出を目指す!男子短距離日本代表公開練習レポート&コメント(400m・4×400mR・男女混合4×400mR)

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【フォート・キシモト】

7月15日に開幕するオレゴン世界選手権の日本代表選手は、6 月 29 日にワールドアスレティックス(WA)から発表された個人種目およびリレー種目の出場資格の確定を受けて、新たに男子20名・女子17名の計37名が代表に決定し、すでに発表となっていた競技者と合わせて、64名の日本代表選手が出揃いました。
男子短距離は、7月1日〜3日の3日間、東京都北区にある味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で合宿を実施して、海外を拠点にしているサニブラウンアブデルハキーム選手(Tumbleweed TC、100m、4×100mR代表)を除く、100m・200m・400m・4×100mR・4×400mR・混合4×400mRの代表選手11名を招集。大会に向けたチームミーティングを行ったほか、バトンパスワークを中心としたリレー種目のトレーニング(混合4×400mRは、7月2・3日の日程で合宿を組んだ女子代表3選手とともに実施)に取り組みました。
7月2日には、NTCの陸上トレーニング場において、メディアに向けて練習を公開。この日も、梅雨明け以降の猛暑が続き、練習会場に接地設置されている気温計が37℃を示すなかでのトレーニングとなりました。4×100mRについては、合宿1日目と3日目にリレー練習を組んでいたため、各選手は、個々に自身の計画に沿ったトレーニングを展開。厳しい暑さのなか、スプリントドリルを実施する者、ハードルやチューブを使ってのドリルに取り組む者、スタート練習や250m走に取り組む者など、それぞれが丁寧かつ集中した様子で、練習に向かっている様子が印象的でした。
4×400mRチームは、この日、いろいろな組み合わせでのバトンのパスワークを実施。受け手がスタートするタイミングや渡し手の声のかけ方などを確認していました。1回ごとに、選手間で感触を話し合ったり、映像を見て動きを確認したり、コーチングスタッフに助言を求めたりするなかで精度を高めていく様子が見られたほか、他の選手が立ち止まって走路をふさいでいる状態を設定したなかでのパス練習など、実際のレースで起こりうるシチュエーションを踏まえた、より実戦的な取り組みも行われていました。
トレーニングを終えた午後には、参加全選手が、1人ずつ合同記者会見を含めた報道各社の取材に臨み、自身の現在の状況や、世界選手権での目標などを離しました。以下、各選手のコメント(要旨)をご紹介します。

【400m、4×400mR、混合4×400mR代表選手コメント】

【フォート・キシモト】

◎佐藤風雅(那須環境) 400m、4×400mR
現在の体調としては、かなりいい状態に仕上がっている。日本選手権のときは、あまりよい状態ではなかったので、今回は、その反省を生かして、体調に関してかなり気を遣い、食事やサプリメントなどでいい状態を保つように心掛けてきた。

世界選手権は今回が初挑戦だが、リレーのみだけでなく、個人(400m)でも出られることになった。もともと今シーズンは44秒(台)を目標にしていたので、そこを変えずに、世界選手権では44秒台を2本揃えて、決勝進出を目指したい。予選から44秒台を狙っていくことで、来年の世界選手権の標準記録(※現時点で2023年世界選手権の参加標準記録はまだ発表されていない)を上回るような記録を出すことと、日本記録(44秒78、高野進、1991年)に少しでも迫るタイムを目標にしたい。

日本選手権のときは、前半を押さえて入ってしまい、後半で余力があったぶん、全体的に速い部分がないレースになってしまった。世界選手権では、前半(200m)を21秒フラットで入って、後半、それを落とさずに、前半つくった動きをそのまま維持するというイメージで走りたいと思っている。また、マイル(4×400mR)のほうでも、強いメンバーが揃ったので、日本記録(3分00秒76、1996年・2021年)の更新を目指して頑張りたい。


【フォート・キシモト】

◎川端魁人(中京大クラブ) 400m、4×400mR
日本選手権よりも、日本選手権が終わってから今日までの期間、しっかり練習を積めてきているので、調子は非常に上がっている状況にある。

世界選手権では、個人の400mは、最低限自己ベスト更新して、まずはしっかりと予選を突破することを目標にしている。そのうえで、準決勝では、世界のスピードにどれだけ食らいついていけるかということをポイントに頑張りたいと思っている。この大会には、自分自身、個人(400m)で出場することをずっと目標にしていた。それが果たせたことは嬉しいし、すごくわくわくしている。そのぶん、大会では、(先に行われる)個人でしっかり結果を残したうえで、大会終盤のリレーに臨みたいと思っている。そこにうまくつなげられるように頑張りたい。また、自分は、(2024年の)パリオリンピックで、個人種目で決勝に進むことを目標にしている。そのためにも、初めての個人種目出場となる世界陸上で、予選・準決勝と、常に高いレベルでベストのタイムを出し続けないと…という思いがある。高いレベルの記録を何本も重ねていけるような、そういう強さをこの世界陸上で学んで、パリにもつながるような大会にできたらと思っている。

マイル(4×400mR)のほうは、2分台を出さないと決勝には行けないことを、昨年、オリンピックを経験してわかったので、2分台に食い込めるようなレース…前半をトップ集団にくらいついていくような流れを大切にして、決勝進出を目標に頑張りたい。(実現させるためのレースのイメージとしては)まず1走の時点でトップ集団に位置して2走にバトンをつなぎ、2走が前半の200mの通過の段階でトップ集団にいることがマストとなる。前半(1・2走)がいい位置で3走・4走とつないで、そこで流れに乗った状態で、しっかりと後半で競り勝つことが、2分台や決勝進出には大切な要素だと考えている。

今の段階で、自分は2走を務めることになっている。前半の200mでいい場所をとって、いい流れをつくるのが自分の仕事。1走の選手が必ずトップ集団でバトンを渡してくれると思うので、自分は前半の200mをトップで通過するくらいのつもりで、積極的に行きたい。今回の代表チームには、僕以外にも頼りになるリレーメンバーがたくさんいる。今回の合宿でも、リレーバトンをやってみて、「このメンバーだったら、決勝にも行けるな」という雰囲気がある。その「決勝に全体に行く」というチームの雰囲気を大切にしながら頑張りたい。


【フォート・キシモト】

◎ウォルシュジュリアン(富士通) 400m、4×400mR
ここまで、大きなケガもなく順調に来ている。そのままケガをせずに、(本番に向けて)調子を上げていくことができればと思っている。昨年の東京オリンピックでは結果を出すことができなかったが、そのぶん、冬期練習を含めてここまでしっかり練習してきた。世界選手権は、それらをすべて出しきる大会なのかなと思っている。

今年の冬は、南カリフォルニア大学で行ったアメリカ合宿を通して、強い選手に引っ張ってもらいながら、すごくいい練習ができた。一緒にトレーニングをしたのは、マイケル・ノーマン選手(400m 43秒45=世界歴代4位タイ)やライ・ベンジャミン選手(400mH 46秒17=世界歴代2位)。彼らと一緒にしっかりとウエイトトレーニングを行うことができたし、また、2人の1つ1つの練習メニューをすべてやりきるという取り組み方や、食事の管理、(臨もうとしている)シーズンのどこをゴールにするかを常に考えながら取り組んでいる様子を間近で見て、メンタルの強さに刺激を受けるとともに、そうした部分を自分のものにしようと思いながら練習を積んできた。さらに、気候が暖かいので、冬でもハイスピードでのトレーニングもできた。そういったところが今シーズンにつながったのではないかと思う。

世界選手権では、ノーマン選手やベンジャミン選手に引っ張ってもらったなかで高まってきた部分を最大限に発揮して、前半からしっかり突っ込んでいけるレースをしたい。個人、マイルともに日本記録(400m44秒78、4×400mR3分00秒76)の更新を目指しているので、そこを目標に頑張っていきたい。

調子はいいので、個人種目では、ケガせずレースに臨み、前半からしっかり行って、後半も粘りある走りができれば、日本記録は出るんじゃないかと思っている。また、マイル(4×400mR)は、ほかのメンバーもみんな調子がいい状態。リレーの走順も、ここまでいつも僕が1走だったが、今回は3走を務めることができる状況になっている。2走までにつくったいい流れを僕がつないで4走にバトンを渡すことができれば、日本記録は出せると思う。


【フォート・キシモト】

◎中島佑気ジョセフ(東洋大学) 4×400mR、混合4×400mR
代表に選出されて、「やっとここまで来たんだな」という感じが強い。世界陸上は、小学校のころからテレビ越しに憧れていた舞台。いざ、それに出るというのが、ちょっとまだ実感が湧かないのだが、ここまでやってきたことがしっかり実になって、やっと日本代表という形になったので、すごく嬉しく思う。

日本選手権が終わってから、もうオレゴンに向けて出発が迫っているので、「速いな」という気持ち。ここまで、いい形で練習が積めているので、とても楽しみにしている。どのくらい自分のパフォーマンスが世界で通用するのかを見てみたい。

代表合宿自体は、もともと春先にも一緒に練習しているメンバーがほとんどなので、今回の合宿にも、とてもリラックスして臨めている。「知った仲」というのもあって、チームの雰囲気もかなりいいと思う。今回は、メンバーがマイル(4×400mR)もかなり大きく入れ替わった面はあるが、そのなかでも新しいマイルチームの雰囲気というか、チームのコネクションができている感じがする。

(オレゴンでは)混合マイルは、おそらく1走を務める可能性が高い。ラップタイムとしては45秒5以内で走り、いい流れをつくって、その次に走るメンバーに、バトンをつなげるようにして、日本記録(3分16秒67、2021年)の更新を目指したい。男子マイルのほうは4走を務める可能性が高いと考えている。こちらは、いい流れで(バトンを)持ってきてくれると思うので、最後しっかり勝負を決めて、決勝に進出して、日本記録(3分00秒76、1996年・2004年)を更新できるように頑張りたい。

自分は、マイルリレーは、高校・大学とけっこう経験を積んできているし、アンカーもよく務めているので自信はある。自分のマイルでの特徴は、後半の最後の直線に入ってからの勝負強さだと思っている。よくアンカーを務めて、最後に抜かして優勝するというパターンを経験してきたので、世界の舞台でも、しっかりとついていって、最後で差せるくらいの、そういう貪欲な走りをしていきたい。


【フォート・キシモト】

◎河内光起(大阪ガス) 4×400mR、混合4×400mR
今のところはケガもなく、順調に練習を積むことができている。合宿がスタートしたが、日本チームとしては、若い人も多く、明るく楽しい雰囲気で練習ができている。今回、同じ会社の坂井(隆一郎)や近畿大の後輩である上山(紘輝)が一緒に代表となった。また、この2人のほかに岩崎(立来)もいて、これだけ関西出身の選手が代表になれていることを、すごく嬉しく思っている。

世界選手権は2019年のドーハ大会に続いて2回目となる。リレーは、バトン(のパスワーク)がけっこう重要になってくる。セパレートで行われる4×100mRと違って、マイル(4×400mR)は2走の途中からレーンがオープンになるために、混戦のなかでのバトンパスとなり、ぶつかり合いもあったりする。そんななかでスピードを殺さずに上手にバトンパスをすることで他国との差をつけることができるので、そこを重点的にする必要がある。それができれば、1人あたり0.1秒くらい稼げるわけで、合わせるとかなり大きなタイムを稼ぐことができる。初出場だと代表のバトンというのは難しく、不安定なところも多いので、そこを自分たちがしっかり後輩たちに伝えていきたいなという思いでやっている。

自分は、今回リザーブという形で選出していただいた。走るメンバーのサポートをしっかりしたいと思っているし、また、万が一のことがあったときのために、(自分自身も)しっかりと準備していきたいと思っている。


【フォート・キシモト】

◎岩崎立来(大阪体育大学) 4×400mR、混合4×400mR
正直、(代表に)選ばれるかわからない状況だったので、選ばれたことを知ったときは、ホッとした心境だったが、それと一緒に、代表に選ばれたからには、しっかりと自分の走りをして頑張らないといけないなという気持ちになった。

今年は、春先にユニバーシアード(※今大会より正式名称はワールドユニバーシティゲームズに。7月に中国・成都において実施の予定だった延期となった)の選考会(日本学生個人選手権、4月)があったので、まずそこでユニバーシアードの代表を決めて、そのあとにアジア大会(9月に中国・杭州で実施の予定だったが延期となった)の選考もあったので、アジア大会の選考もしっかり勝ちきって、世界陸上にも出場するということを目標にしていた。アジア大会とユニバーシアードはどちらも延期となったが、選考が終わっていたユニバーシアードでは代表に選出されていたし、世界陸上も代表に選ばれたので、そこについてはよかったと思っている。

コンディションは、自分の今までのなかで一番いい状態が保てている。世界陸上は初出場。緊張は大きいが、この舞台で走らせてもらえることは、自分の今後にもつながる。しっかり自分の出せるパフォーマンスを出して、いいタイムで走りたい。(オレゴンでは)ミックス(混合4×400mR)はおそらく3走を、そのミックスの走りの結果次第で、マイル(4×400mR)は4走あたりを走ることになるのかなと思っている。目標としては、ラップライム44秒台。遅くても45秒フラットで帰ってこられるような走りをして、チームに貢献できるように頑張りたい。

今回は、リレーでしか出場できないが、来年のブダペストの世界選手権と再来年のパリオリンピックには、しっかり個人(種目の400m)でも出場できるように力をつけていきたいと思っている。僕は、後半に強いタイプ。前半しっかりとついていって、後半でさらにスピードを上げることができれば、けっこういい走りができると思っている。世界陸上では、前半から攻めた走りをしていきたい。



※コメントは、代表共同取材における各選手の発言をまとめました。より明確に伝えることを目的として、一部、修正、編集、補足説明を施しています。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)


>>男子短距離(400m・4×400mR・男女混合4×400mリレー)予選スケジュール ※日本時間
・男子400m:7月18日(月) 3:05〜
・男子4×400mリレー:7月24日(日) 9:40〜
・男女混合4×400mリレー:7月16日(土) 3:45〜


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