120点も飛び出した 佐藤心結ー善は急げ
【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
勢いだけでは続かない。バーディーを量産するイメージが強いルーキー、佐藤心結が通算8アンダー、5位タイで優勝争いへ加わった。この日は3バーディー、ノーボギー。注目を集めたのはしぶとさだ。
パー3の11番。第1打をグリーン左奥へ外した。状況はいいとはいえない。「傾斜が強いところで、ボールを上げて止める」。58度ウェッジのフェースを開き、強めに打ちあげた。このワンショットが実にお見事。
「オーバーしても仕方がない。強気にピンへ寄せる」と集中力を高め、なんと30センチにつけた。「120点のショット。パーをセーブできたことが本当に大きい」と力説。ただし、続く12番も試練が続く。
第1打が左の林へ。それでも、グリーンを狙えるスペースがある。両側から樹木が迫っているものの、「木と木の間は、ほんのこれぐらい。グリーンを狙うか、フェアウェーに出すか迷いました」。右手と左手で表した空間は約1メートルほどだ。「大丈夫、大丈夫」と、初めてコンビを組んだ、キャディーの清水さんの激励に応える。50度で脱出に成功した。10メートルを2パットで、またもピンチを切り抜ける。
2週前のニチレイレディス。首位タイで最終日を迎えたが、スコアを伸ばせず5位に終わった。「最終日、今日以上のスコアが求められる。特に、ボギーを打たないことが大前提です。そして、パー5でバーディーを丁寧に取っていく」と、プランはしっかりできあがっている。プロ入りして、ノーボギーラウンドは3回目。やはり気分がいい。
しかも、神奈川県出身。ギャラリーからの声援が一層、多い。「皆さんの応援が力になります。地元開催で初優勝できたら、本当にうれしいですね」と落ち着いた口調で話した。7月21日は誕生日。19歳を迎えるが、善は急げーである。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ