【柏レイソル】7/2鹿島戦プレマッチコラム『仲間隼斗から大嶽拓馬へ、背番号33の意志』
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今年でクラブ創立30周年を迎え、マッチデープログラムのコラムでは、レイソルと対戦相手にまつわる選手のエピソードを紹介しています。
今回は、昨年までレイソルに在籍し、今季からアントラーズに籍を移したMF仲間隼斗選手(30)と、アカデミーの後輩に託した背番号33についてのコラムです。
『戦う意思を示した仲間隼斗』
迎えた第5節の湘南ベルマーレ戦、レイソルはようやくトンネルを抜ける。再開後初勝利をもたらしたのは、10年ぶりにレイソルに帰ってきた仲間隼斗だった。
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「僕たちは他の代と違って上手い代ではなかったので、レイソルアカデミーのパスサッカーをやるというよりは、バチバチと戦う泥臭いスタイルでした」(仲間)
そんな“戦う姿勢”は、仲間が2012年からロアッソ熊本でプロキャリアをスタートさせた以降も、信念として貫き続けてきたものである。その姿勢があるからこそ、仲間はロアッソ、カマタマーレ讃岐、ファジアーノ岡山と、所属した全クラブでレギュラーポジションを掴み取り、主力として活躍してきた。
2020年のレイソル加入時、仲間はその思いを次のように語っている。
「自分の特徴を前面に出していかないと生き残れない。アカデミーの自分たちの代には泥臭さがあり、それが今でも続いているのは確かで、自分のアピールポイントでもある。最後の1センチまで寄せる、そういう細かい部分を出していきたい」
開幕3試合はメンバー外となり、忸怩たる思いもあったはず。ただ、第4節の川崎フロンターレ戦は1-3で敗れはしたが、後半から出場した仲間の闘争心剥き出しのプレーは、確実にリズムを変えた。前述のベルマーレ戦のスタメン出場は、そんな仲間の戦う姿勢をネルシーニョ監督が高く評価したからだろう。そして仲間は、決勝ゴールを決めて指揮官の期待に応えた。
70分、右サイドの神谷優太のクロスをファーサイドで受けた仲間は、胸でトラップした後、ハーフボレーを突き刺した。得点が決まった直後、雄叫びを上げ、大きなガッツポーズで喜びを爆発させた。レイソルの選手として10年ぶりに立つ日立台のピッチ、初スタメン、J1で生き残るという思い…。この試合に懸ける仲間の思いと覚悟が凝縮された魂の込められた一撃だった。
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(文:鈴木 潤/柏レイソルオフィシャルライター)
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